片頭痛の”適切な”治療とは? その3 確認すべきこと 2 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 もうひとつ確認すべき点があります。
 それは、緊張型頭痛も片頭痛も一連の連続した頭痛であるということです。


 一般の開業医は、最初に頭痛を自覚されるような状態で診る機会が極めて多く、こうした方々は「国際頭痛分類 第3版 β版」の診断基準からすれば、緊張型頭痛の方々です。 こうした方々は、前屈みの姿勢を強制される作業環境に置かれる方々が多く、こうした姿勢に対する配慮を行うことによって大半の方々は改善されます。(中には、ミトコンドリアの働きが悪く、このためセロトニン神経系の働きまで悪くなって、こうした”姿勢の悪さ”が引き起こされてくる場合も当然ありますが・・・)
 しかし、このような作業環境が長期間にわたり、姿勢に対する配慮を怠り、頭痛が度々起きるため市販の鎮痛薬を頻繁に服用され、食生活の問題が加わることによって(ミトコンドリアの働きを悪化させ、このためセロトニン神経系の働きまで悪くなって)、「国際頭痛分類 第3版 β版」の診断基準からすれば、片頭痛としか診断しえない頭痛に移行してきます。
 このように、医療の最底辺から頭痛患者さんを観察する限り、同一の患者さんが緊張型頭痛から片頭痛へと移行していく経過が鮮明に描かれてきます。


「国際頭痛分類 第3版 β版」では、緊張型頭痛と片頭痛の移行型を示すものが記載されているにも関わらず、「慢性頭痛診療ガイドライン」では、緊張型頭痛と片頭痛も明確に区別すべきとされ、「国際頭痛分類 第3版 β版」でも、緊張型頭痛と片頭痛とは、それぞれ”明確な定義づけ”がなされています。
 ということは、「国際頭痛分類 第3版 β版」にしても「慢性頭痛診療ガイドライン」にしても、人間が人為的に作成した基準にすぎないはずです。緊張型頭痛にしても片頭痛にしても、あくまでクリアカットに定義したに過ぎないはずです。このように区別するのは、頭痛時にトリプタン製剤を使うかどうかを決めるためのものです。緊張型頭痛も片頭痛も連続したものであるはずなものを、このように人為的に区分したにすぎないはずです。
 このように緊張型頭痛と片頭痛とが両極に存在し、その中間に位置する方々がおられると考えれば理解しやすいと思われます。

 慢性頭痛は、「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがどのように関与するかで、その表現型として、緊張型頭痛になるか片頭痛になるか群発頭痛になるかということです。これらの”環境因子”の係わり方は人それぞれのはずです。 
「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」の関与が極めて大きければ、片頭痛そのものであり、「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の関与が大きければ、緊張型頭痛(ありふれた頭痛として)、「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」の関与が大きければ、精神科・もしくは心療内科の扱うべき緊張型頭痛ということです。
 この3つの”環境因子”の関わり方は、片頭痛の場合、各人・各様となるということです。このことは、機能性頭痛一元論で従来から指摘されていたことです。


http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11945401621.html


 ネット上では、緊張型頭痛と片頭痛は明確に区別されるといったものが一般的です。
 これは、あくまでも「片頭痛にはトリプタン製剤という特効薬がありますよ」という啓蒙というかトリプタン製薬メーカーの宣伝文句と考えるべきです。
 そして、こうしたトリプタン製薬メーカーの宣伝文句に翻弄される「頭痛専門医」もいるということに過ぎないということです。まさに、浅はかというしかないようです。


 そして、片頭痛が慢性頭痛のなかで、どのようにして発症するのかを知ることです。


http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11950570629.html


 このような基本的なことを理解することが”適切な治療”を行うために必要なことです。

 その1でも、述べましたが、再度、繰り返します。


 片頭痛は”早期に適切に”治療しないと進行して慢性化することも分かってきています。軽くみて市販薬で対処していたりすると、片頭痛が慢性化することがありますので、早めに”適切な治療”を受けることが必要です。


”不適切な治療”や加齢で進行!


●片頭痛の3割が慢性化


 たかが頭痛と軽くみて市販薬で対処したり、不適切な治療を受けていると、片頭痛が慢性化することが、近年の研究で明らかになってきました。片頭痛の約3割は何らかの理由で、慢性化して増悪すると言われています。片頭痛の慢性化には、脳の器質的な変化が関連すると考えられています。脳内の痛み調節システムが異常を起こし痛み刺激に感作された状態が生じてしまいます。


●脳が痛み刺激に感作される


 花粉症の方が少量の抗原に対して過剰反応しているのと同じで、頭痛が慢性化した患者では、通常では痛みと感じない刺激すら痛みとして認識してしまいます。光や音、臭いなどの刺激にも敏感に反応します。


●頭痛薬の使い過ぎで慢性化


 急性期治療薬の使い過ぎによる片頭痛の慢性化を薬物乱用頭痛と呼びます。慢性化した患者の約半数は薬物乱用が原因と分析されています。薬物乱用頭痛の原因として最も多いのは、市販の鎮痛薬の乱用といわれています。月に10回未満であれば薬物乱用頭痛のリスクには全くならないが、月の半分以上服用している場合は、薬物乱用頭痛を生じるリスクが高いので注意が必要です。


●片頭痛が変容する症状にも注意


 加齢に伴っても、片頭痛は慢性化します。これは慢性片頭痛と呼ばれ、片頭痛が月に15日以上の頻度で3ヶ月以上続くものに定義されます。慢性化した片頭痛の中には、症状が緊張型頭痛に変化したものがあり、変容片頭痛と呼ばれます。加齢とともに、肩凝りやめまい、不眠などの緊張型片頭痛の症状が片頭痛に加わり、片頭痛そのものの症状が変化するとされています。


 こうした慢性化を予防するためには、最低限必要とされることです。


 糖尿病の場合も早期の段階から、環境因子の是正に努めませんと、二次的合併症を来して、死に至ることになります。
 ただ、片頭痛の場合はこのような二次的合併症を来して死に至ることはありませんが、片頭痛では慢性化させることによって一生を棒に振ることになりかねません。
 片頭痛全体の3割の方々が慢性化するとされ、一旦”慢性化”すれば頭痛専門医ですら、これを改善させることは極めて困難です。このように、至らせないためにも早期からの治療が必要とされています。


 具体的には、緊張型頭痛の段階から治療すべきであり、片頭痛に至らせない配慮が必要とされます。このため、「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがどのように環境因子として係わっているかを知る必要があります。
 そして、これら個々の”環境因子”として、どのようなものがあるのかを知ることが大切になってきます。この点は次回で・・・