天国と地獄/黒澤明



ヒツジは夜眠る



道徳的葛藤、罪の意識、持つ者と持たざる者、そして奪う者・・・・・・
映画の骨組はいわずもかなドストエフスキー的思想だ。
主人公の住む家と職場、犯人が住む家とうろつき回る場所は
すぐ近くのはずなのに遠く両者が交わることはない。
ラストシーンの金網を挟む2人の絶対的な距離感は胸に刺さる。
煙突から立ち上る麝香に酔いしれろ!!

バットマン ビギンズ/クリストファー・ノーラン



ヒツジは夜眠る


ノーランの映画は自己との乖離を撮った作品が多いがそれに洩れず。
ゴッサムで悪人を追い詰める姿は
まるで自分のアイデンティティを探し求めて徘徊するようだ。
これもまた分身なのか。
正義のヒーローなのに『アメリカン・サイコ』を想起させるのが僕らの生きる時代なのか。

リンダ リンダ リンダ/山下敦弘



ヒツジは夜眠る



ダラダラと続いてく日常をダラダラと撮る。
「突然の土砂降り、そして長い雨宿り」みたいな映画。
疾走感のない青春ロック映画というのもスゴいな。
それが山下監督の味か。

大丈夫であるように ─Cocco 終らない旅─/是枝裕和



ヒツジは夜眠る


Coccoが自分の言葉で話し、歌う。
彼女の歌姫としての魅力がスクリーン越しに伝わってくる。
過剰な演出もなく編集もスムーズで
是枝監督はドキュメンタリーを撮っても如才ない。
しかしCoccoは歌姫なのだ。
例えそちらの方が纏まりがいいとしても
歌うシーンは途中で切らず誠実に全てを映すべきではないだろうか。