バッド・ルーテナントバッド・ルーテナント/ヴェルナー・ヘルツォークアベール・フェラーラ監督のリメイクらしいが、DVDになってないので残念ながらそちらは未見。ドラッグに溺れた警官のサクセスストーリー(?)。それにしてもあまりに内容が薄いのでフェラーラ版のあらすじを読んでみるとあまりにかけ離れていて驚いた。多分、この物語のキモはドラッグ×警官ではなくキリスト教と「Forgive」にあるはずなのに……フェラーラ版観てみたいなあ。
ソラニンソラニン/三木孝浩宮崎あおいは本当にかわいい。以上。……というのもなんなのですが、それ以外に書きようがない。井口奈己監督あたりが撮ると疾走感と間延び感ももう少し伝わったかもしれない。せめて和泉多摩川駅とライヴシーンを真正面で撮る潔さが欲しかった。それだけでも全然違う気がする。
Dr.パルナサスの鏡Dr.パルナサスの鏡/テリー・ギリアムどこまでもギリアム的な内面世界を『鏡の中』と『父親の内面』に見せる。ここからも分かる通り、この映画はラカンの「鏡像段階論」をベースに製作されている。他者(パルナサス)の中に自己を見出す構造を映画を通して私たちに提示する。しかし、そんなことよりもこれだけモンティパイソン色を出したのは初めてではないか。それだけでもこの映画は素晴らしい。
母なる証明母なる証明/ポン・ジュノ記憶が映像を、映像が記憶を補完し、物語は疾走していく。しかし、その出口はどこにも見えない。オープニングとエンディングのリンクは入口=出口というメビウスリングのような迷宮に私たちを誘う。逆光越しで踊る母は笑っているのか泣いているのか。それにしてもウォン・ビンの怪演は白眉!映画のストーリーと同様、一人勝ち。※1年ぶりの更新です。 今年は目標の年間60本はもちろん、こちらもマジメに書きます。 とはいっても、スタートが09年の食べ残しですが……
チェチェンへ アレクサンドラの旅チェチェンへ アレクサンドラの旅/アレクサンドル・ソクーロフいやあ、これまた重い。擬似ドキュメンタリーなのでキアロスタミと似ている画が出てくる。長い荒れ果てた道とか。戦争映画だが戦闘シーンはなくあるのはただそこに佇む人々だけだ。リアリティとはどこにあるのか考えさせられる。去年も1月はソクーロフを観た。来年も観るのか。重い。