そしてPressure一曲目、踊る影。
曲はえんどうさんで、かみむらくんの、こんな感じのやつやりたい、というオーダーに見事応えたナンバー。
コード進行的には ヴィルヘイムに告ぐとかと同じ小室進行なんだけど、アレンジはスカやロックステディのテイストもありつつ、ディスコな雰囲気もあり、ノストラダムス的には割と新境地な曲調な気がする。
自分たち的には楽曲として非常に気に入っているのだけど、
初披露時にはフロアがシーンとなっていたのが若干トラウマっちゃトラウマなんだけど、たぶん聴き入っていたんだとおもう。
歌詞もトラウマを煽るホラーテイストな内容になりました。
イメージソースは、地獄先生ぬ~べ~に出てきた『しょうけら』という話や、もしくは劇場版一作目の呪怨に出てきた真っ黒いかやこさん、はたまた世にも奇妙な物語の『影の国』とか。
ああいうヒトの形した真黒いモノって怖い。
スピリチュアルカウンセラーの江原さんが、子供の頃、死ぬ直前の人のうしろに真黒いヒトガタが見えたって話も怖いよね。
思い出すと鳥肌がたつんだけど、
子供のころ住んでたマンションの俺の部屋は玄関側の窓に面していて、窓がついてたんだけど、そこで真黒い人影が覗いてた記憶がある。
そのときは通りがかりの人かと思ってあんまり気にしなかったし、実際通りがかった人なのかもしれないけど、大人になってから妹とその話になったときがすごい怖かった。
え、見えてたのかよ、みたいな。
その後特に誰も死んでないと思うからなんともないんだろうけど、多くはアレを見ると程なく死ぬっていう話が多いですよね。
今歌詞が一箇所抜けてるのに気づいたけどいいよね。
こういう歌詞にしたのは、えんどうさんがゴジラをぶっこんできたからです。
総合的にゴジラが好きなので、よく音出しのときに俺がゴジラ~って弾いてたから気を遣っていれてくださったのだろうから拾わないわけにはいかないでしょうよ。
初代ゴジラを怪談として解釈する文脈があって、
海から現れた異形の怪物は、太平洋戦争の英霊である、という話があります。
ゴジラは怪獣というよりは、お岩さんや貞子のような幽霊であるから物理兵器が効かないらしい。
で、ゴジラが侵攻したルートは東京大空襲と同じルートなんだとか。
でも、皇居は踏まない。
ゴジラは日本兵の幽霊だから皇居を踏めないのだそうです。
日本兵の霊って怪談話では割とよく出てくると思うのですが、それはやはり日本人が太平洋戦争で亡くなった人たちに対してサバイバーズギルトを少なからず感じているからなのではなかろうか。
兵士だけでなく、犠牲となった方々すべてに対する、生き延びてしまってごめんなさい、幸せでごめんなさい、という罪悪感。
だからゴジラは放射能を帯びてるのではないだろうか。
心のどこかで、戦後を謳歌する日本へ彼らが復讐しにくるんじゃないかと、日本人は内心ずっと恐れている。
シン・ゴジラは東日本大震災ですね。
ああいうことがまた起きたらいやだなあああって内心恐れているから、
シン・ゴジラは怖かった。
そして生き残った我々がどこかしらに罪悪感を抱えているから、自粛ムードなんてもんが生まれたんでしょうね。
大きな戦争や災害は、最大公約数に対する理不尽なんだと思う。
運命と呼ぶにはあまりにも理不尽に、罪無き人々が死んでいくしかない状況に置かれる恐怖。
でも、最小の理不尽は、実は日々常に起きていて、いつ自分に訪れるかわからないと思っています。
だから、しょうけらや呪怨は怖かった。
『くねくね』の話なんかもそういう恐怖を描いていると思います。
ある日突然にそれを見てしまったがばかりに恐怖するって、ぜんぜんあるわけです。
そのとき、自分の理不尽な運命がもし見えてしまったら、ヒトはその恐怖には耐えられないと思います。
生きてはいけないと思います。
『リング』が怖かったのもそういう心理からかなと思います。
あとあれだ、リングといえば、『棒の手紙』という都市伝説。
「棒が訪れます」
というのがなんとも得体の知れない恐怖を演出していますが、
なんのことはなく不幸の手紙の誤写が生んだらしいです。
でも不幸が訪れるより棒が訪れるほうがよっぽど恐ろしいと思うのは俺だけだろうか・・・。
そんなオカルト大好き目線から書いた、怪談的な歌詞です。
まったくの創作です。
でも、この歌はヒトの手でつくられました。
聴き終わったあと、
ふと目をやった視線の先に
あなたにも みえてしまったら
ご め ん な さ い ね


