JBL2242H 46cmウーハーユニットの改造記(3) | ステレオ匠 人見隆典のブログ

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ピュアオーディオを40年以上趣味で研究してきました。
その結果市販のスピーカーを超高音質なスピーカーに改造する方法を確立しました。
これを広めて豊かな音楽のある生活を普及させたいと思っています。

しばらくブログの更新が止まってしまいましたが、その間JBL2242Hの改造が思うようにいかず 悪戦苦闘していました。

 

今までに手掛けたユニットで 最も大きなこの46cmウーハーは、以前何回か手がけて うまくいった45㎝とは 予想以上にかけ離れた性格を持っていました。

 

以前手がけた45㎝ウーハーと 同じレベルの改造処理をした結果 1.5kHz辺りに 巨大なピークができてしまいました。

 

色々なサイズで 数多く超高音質改造をしてきましたが うまくゆかなかったのは初めてのケースです。

その周波数特性がこちらです。

 

 

これは明らかにアウトですね。

音楽を聴くと 超低域から中域は申し分ないのですが フルートの音が耳に突き刺さる様に出てきます。

 

そこで慌ててお客様に このデータと状況を連絡して 修正作業をするので 納期が遅れる事のむね ご了解を頂きました。

 

そこから悪戦苦闘が始まりました。

修正作業を繰り返した結果 もうこれ以上は作業が無理なレベルまで行き着いてしまいました。

 

それが この特性になります。

 

大分ピークが小さくなってきました。

音楽を聴くと 耳に突き刺さっていたフルートが ましになって異様に元気なフルート程度に聴こえます。

 

もうこれ以上の修正作業は難しいので ネットワーク回路の追加で 逃れることにいたします。

 

 

あらかじめ このウーハーに繋ぐ予定のツィーターを お客様から送っていただき、ツィーターのネットワークを調べる予定でしたので、ネットワーク調整器を繋いで 最適なコンデンサーと抵抗とコイルを調べてみました。

 

その結果 ウーハーに関しては 2mHのコイルを直列に繋ぐのが最適のようです。

その時の周波数特性です。

 

 

これに特性がフラットになるように ツィーターを繋ぎ込みます。

ツィーターに 15μFと100Ωの コンデンサーと抵抗を 直列に繋げば 特性が最もフラットになりそうです。

その時の特性です。

 

 

片方のチャンネルで合わせこんで もう一方も同じ設定にしました。

これで音楽の試聴をやって 色々音楽を聴きながら 更に最適な組み合わせを確認したら コンデンサーが10μFで抵抗が200Ωになりました。ただ 少し違和感があり 聴き疲れします。定位が聴いてるうちに動きます。

両チャンネルの周波数特性を測定してみます。

 

 

片側の特性荒れてますね。これが違和感の原因ですね。

どうも 片側のツィーターの特性がおかしいみたいです。

 

ここで この日は時間切れとなり お客様の方に異常の状況をお知らせしました。

 

後日続きを再開しました。

問題のツィーターの特性を 左右それぞれ測定してみます。

 

 

アレー?特性は 左右の差はないですね。良くそろってます。

 

もう一度ウーハーと繋いだ特性を調べてみると 前のデータと全くおなじ結果で、片側が大きく乱れています。

 

配線を間違えてないかチェックしましたが、間違いなくできてます。

 

この乱れた波形から連想されるのは ツィーターの極性が逆に繋がっている事です。

 

そこで おかしい方のツィーターのスピーカー端子を 赤黒逆に繋いでみました。

 

その測定結果です。

 

 

なんとフラットに繋がりました。

どうやら 片側のツィーターの端子が 内部で逆に繋がれている様です。

 

これで 特性がそろったので 再度音楽を試聴してみます。

 

予定していた音が出てきました!

超低域から高域までスムーズに繋がっています。

切れのいい スピード感が感じられる 迫力のある低音です。

ブーミー感など微塵もなく 超低域の音も十分再生しています。

6畳間で鳴らしても 超低域まで十分出ていますね。

 

充実した低音の上に 高能率ホーンツイーターの エネルギッシュな中高域が乗っかります。

良い感じに出来上がりました。

ウーハーに繋いだコイルも2mHと小さい値なので 音への影響は感じられないレベルです。

 

しいて言えば 10kHz以上のレベルがだら下がりなので スーパーツィーターが欲しいところですね。更に滑らかでシットリした感じが加わるでしょう。

 

苦労の甲斐があって かなりのレベルの音に仕上がました。

 

音の確認ができたので 箱とユニットの仕上げ作業と サランネットの製作に入ります。

 

 

 

 

 

株式会社 遊音工房 otoniasobu.com

 

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