高松宮記念で注目したい、「プロボクサーに育てられた調教師」とは | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

おはようございます。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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今日は、高松宮記念について、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のNさん」から届いた報告を紹介しますね。

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東京都出身の田中剛君は、お父さんの田中敏朗さんがプロボクサーで、引退してからはボクシングジムを経営していて、もちろん、田中君も最初はプロボクサーを目指していて、小学生の頃は、お父さんのジムでプロボクサーになるためのトレーニングを受けていたんですよ。

でも、田中君が小学校を卒業する頃に、お父さんの後援会長で、JRAの馬主でもあって、1970年の中山記念を勝ったアカツキなどでお馴染みだった中内佐光さんが、田中君のお父さんに、「体が小さいから、ボクサーよりも騎手にした方がいい」と言ったことがきっかけで、北海道の浦河にある「辻牧場」で働きながら中学校に通うことになりました。

そして、中学校を卒業してから、1976年に馬事公苑の騎手課程に入って、1979年に柄崎義信厩舎の所属でデビューしました。

乗り役としての同期には、今は調教師をやっている、安達昭夫君(エスポワールシチー、デスペラードなどを管理)や、音無秀孝君(ミッキーアイル、カンパニーなどを管理)などがいますね。

ちなみに、田中君の娘さんの歩(あゆみ)さんは、明治学院大学のフランス文学科を卒業してから、全日空の客室乗務員になったあと、フリーのアナウンサーになっていて、大井競馬の「東京シティ競馬中継」(TOKYO MX)の司会をやっていたんですよ。

乗り役としての田中君は、デビュー2年目だった1980年に、カチウマタローに乗った中山大障害・秋で初めて重賞を勝っていて、その後も、オンワードボルカに乗った1985年の中山大障害・秋と東京障害特別・秋や、ノーザンレインボーに乗った1998年の中山大障害・春や、ダイワデュールに乗った2003年の東京ハイジャンプなど、障害でいくつも重賞を勝っていましたし、平地でも、1995年にはゴールデンアイに乗った東京新聞杯を勝っていました。

そして田中君は、2009年に乗り役を引退して柄崎孝厩舎の調教助手になると、2010年には調教師の試験に受かって、その年の10月に、定年前に引退することになった、マルゼンスキーの主戦だったことでお馴染みの中野渡清一さんの厩舎を引き継ぐ形で、自分の厩舎を開業しています。

開業した時期が遅かったこともあって、最初の年は一つも勝てなかったんですが、2011年には、マジェスティバイオを使った東京ジャンプSで初めて重賞を勝って、この馬を使った中山大障害で初めてGIを勝つなど、「10勝・獲得賞金3億1320万円」という成績を残していましたし、2012年は、ロゴタイプを使った朝日杯FSなど、重賞を4つも勝って、今までで一番多い「14勝・4億5197万円」の賞金を稼いでいました。

ただ、その後はずっと成績が伸び悩んでいて、去年までの5年間も、

2019年→「7勝・獲得賞金1億7148万円」
2020年→「13勝・獲得賞金2億1562万円」
2021年→「12勝・獲得賞金1億7101万円」
2022年→「12勝・獲得賞金2億2440万円」
2023年→「9勝・獲得賞金3億1117万円」

と書けば分かる通り、勝ち星と賞金のどちらも2012年を大きく下回っています。

それに今年も悪い流れが続いていて、先週までに平場の2勝しか上げられていませんし、稼いだ賞金が「4836万円」と、まだ去年の15%ぐらいですから、今の田中君は、「いい頃の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が1億7000万円の高松宮記念にシャンパンカラーを登録していますので、私が田中君でしたら、この馬を全力で仕上げるのは間違いありません。

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高松宮記念について、「元調教師のNさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、万馬券を取りたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

「パーフェクトホースマンズ」のホームページ
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【 こ ち ら 】

元JRA馬主で、一口馬主クラブの代表も務めていた小栗範恭さんのブログ
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【 こ ち ら 】

今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。