フローラSで、「オジュウチョウサンの生産牧場で働いていた調教師」に感じる勝負気配 | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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前走、4月10日(日)の春雷S(中山・芝1200m)は5着でしたが、2019年のアイビスSDなど、新潟の芝1000mで4勝を上げている、和田正一郎厩舎のライオンボス(牡7歳・父バトルプラン)は、次走の予定が5月22日(日)の韋駄天S(新潟・芝1000m)になっています。

前にも何度かこのブログで紹介していますので、知っている方も多いと思いますけど、和田正一郎君は、2018年の2月に調教師を引退した和田正道君の長男です。

正道君と言えば、1997年のクイーンSを勝ったプロモーションや、2006年のエプソムCと新潟記念を勝ったトップガンジョーなどを管理していたことでお馴染みですね。

もちろん、正一郎君は子供の頃からお父さんの仕事振りを見ていたのですから、この世界に入ったのは当たり前だったのでしょう。

ちなみに、彼は成田高校(千葉県成田市)を卒業していて、同級生には、アテネオリンピックのハンマー投げで金メダリストになっていて、今は、スポーツ庁の長官をやっている室伏広治さんがいるんですよ。

北海道大学の獣医学部を卒業してから、2002年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った正一郎君は、その年の10月から成宮明光さんの厩舎で厩務員をやって、11月からはお父さんの厩舎で調教助手をやっていました。

それから、2009年の2月に2度目の挑戦で調教師の試験に受かると、その年の5月に自分の厩舎を開業していて、オジュウチョウサンを使った2016年の中山グランドジャンプで、初めての重賞勝ちをGIで飾っているんですよ。

その後も、正一郎君の厩舎は何度も大きいレースを勝っていて、今までに、GIの9勝を含めて重賞を19勝もしていますし、2016年には、今までで一番多い22勝を上げて、「4億5681万円」の賞金を稼いでいて、2017年には、17勝を上げて、今までで一番多い「4億6865万円」の賞金を稼いでいました。

でも、その後の4年間は、

2018年→3億1873万円
2019年→3億9106万円
2020年→4億1503万円
2021年→3億8960万円

と書けば分かる通りで賞金が伸び悩んでいましたから、今年の正一郎君は、「必ず巻き返したい」と考えている筈です。

実際、今年は、オジュウチョウサンを使った中山グランドジャンプを勝つなど、先週までが「6勝・獲得賞金1億6882万円」という成績で、去年の同じ時期(4月18日【日】まで)の「3勝・獲得賞金1億1291万円」を大きく上回っているんですよ。

もちろん、今の正一郎君は、「この勢いでもっと稼ぎたい」と考えているのでしょう。

という訳で、1着賞金が2300万円の韋駄天Sに向けて、彼がライオンボスをどう仕上げてくるのか、キッチリ確認して馬券に活かしたいと思っています。

そしてここからは、栗東の吉村圭司厩舎がフローラSに登録しているシンシアウィッシュについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のIさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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吉村圭司君は、熊本の荒尾競馬(2011年に廃止)で40年以上も調教師をやっとって、2000年に引退するまで、1310勝を上げとった吉村務さんの息子ですな。

小さい頃から競馬が身近やった吉村君は、早くからこの道に進もうと決めとったそうで、中学を卒業する時には、JRA競馬学校の騎手課程に受かっとりましたけど、体が大きくなって、減量が厳しいっちゅうことで、入学を辞退したんですわ。

競馬学校に入る直前の辞退やったから、すぐ高校には入れんで、一年間は荒尾で持ち乗りの仕事をしとったそうやけど、その後は、荒尾市にある定時制の学校に入って、卒業してからは、オジュウチョウサンやビービーガルダンとかを生産したことでお馴染みの「坂東牧場」(北海道沙流郡日高町)で、一年半ぐらい働いとったんや。

その頃の「坂東牧場」は、1995年のチューリップ賞を勝ったユウキビバーチェや、1997年の高松宮杯を勝ったシンコウキングとかが、放牧のために使っとりましたな。

そんで吉村君は、1996年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月からは飯田明弘厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやって、それから7年間、飯田厩舎で経験を積んで、2004年の3月に、開業したばっかりやった池江泰寿君の厩舎に移ったんですわ。

吉村君は、池江厩舎で調教助手をやっとった頃に、ドリームジャーニーやオルフェーヴルとか、走る馬の調教を付けとったんで、彼にとって、ホンマにエエ経験になったんでしょうな。

で、2010年の12月に調教師の試験に受かった吉村君は、調教助手をやっとった池江厩舎で技術調教師として経験を積んで、2012年の3月に自分の厩舎を開業しとります。

開業した年は、池江君から引き継いだポップアイコンで初勝利を上げるなど、「9勝・獲得賞金1億4998万円」っちゅう成績を残しとったし、それからも、

2013年→13勝・獲得賞金2億0829万円
2014年→27勝・獲得賞金3億9056万円
2015年→20勝・獲得賞金4億4595万円
2016年→27勝・獲得賞金5億3006万円

っちゅう形で順調に数字を伸ばしとって、特に2016年は、クイーンズリングを使ったエリザベス女王杯で初めてGIを勝つなど、今までで一番の賞金を稼いどったんや。

せやけど、その後の5年間は、

2017年→19勝・獲得賞金4億8823万円
2018年→28勝・獲得賞金4億8696万円
2019年→22勝・獲得賞金4億1938万円
2020年→18勝・獲得賞金3億2021万円
2021年→22勝・獲得賞金3億6523万円

っちゅう形で賞金が伸び悩んどったし、今年に入ってからも悪い流れは続いとって、先週までの成績が「5勝・獲得賞金9743万円」と、去年の同じ時期(4月18日【日】まで)の「8勝・獲得賞金1億0390万円」を下回っとるから、今の吉村君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のフローラSにシンシアウィッシュを登録してきましたんで、「勝負懸かり」とワシは見とります。

実際、ワシのところに届いとる最終追い切りについての報告が、

「昨日、坂路に入れられて、4Fが55秒7、終いの1Fが12秒9っちゅう時計を馬なりで出しとりました。時計は目立つもんやなかったけど、動きそのものはとてもスムーズやったし、カイ食いが良くて馬体をふっくら見せとりますから、力を出せるデキに仕上がっとるんやろう」

っちゅうもんやったから、エエ走りが期待できそうやな。

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吉村圭司厩舎がフローラSに登録しているシンシアウィッシュについて、「元調教師のIさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、万馬券を取りたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

「パーフェクトホースマンズ」のホームページ
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【 こ ち ら 】

元JRA馬主で、一口馬主クラブの代表も務めていた小栗範恭さんのブログ
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【 こ ち ら 】

今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。