クイーンSでは、「サイレンススズカの厩舎で働いていた調教師」に注目です | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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前走、7月11日(日)の七夕賞で、勝ち馬トーラスジェミニからコンマ3秒差の5着に入っていた、相沢郁(いくお)厩舎のプレシャスブルー(牡7歳・父ディープインパクト)は、次走の予定が9月5日(日)の新潟記念です。

この馬を管理している、北海道出身の相沢君は、高校を出てから、麻布大学の獣医学部に進んでいて、その頃、1998年のフェブラリーSを勝ったグルメフロンティアや、2000年の桜花賞を勝ったチアズグレイスなどを生産した門別の白井牧場でアルバイトをしたことがきっかけで、「JRAの獣医になりたい」と思ったそうですが、その後、「自分で走る馬を育てたい」と思うようになって、調教師を目指したそうです。

ちなみに、彼のお父さんは高校の先生で、北島三郎さんの母校、函館西高校の校長を務めたこともあるそうですよ。

そして相沢君は、競馬学校を出た後、1986年の11月から、前田禎(ただし)厩舎で調教助手をやって、1997年に38歳で調教師の試験に受かって、次の年に自分の厩舎を開業するまで、ずっと前田厩舎で腕を磨いていました。

前田厩舎と言えば、1993年の関屋記念と京王杯AHを勝ったマイスタージンガーや、1998年の毎日杯と京都4歳特別を勝ったミラクルタイムなどでお馴染みですね。

開業してからの相沢君は、その年の11月に、ウメノファイバーを使った京王杯3歳Sで早くも重賞を勝つと、次の年にも、ウメノファイバーでクイーンCとオークスを勝つなど、今までに重賞を18勝しています。

2014年の相沢厩舎は、ヴェルデグリーンでアメリカJCCを勝つなど、18勝を上げて、「5億7189万円」という今までで一番の賞金を稼いでいました。

でも、その後は、

2015年→獲得賞金4億7222万円
2016年→獲得賞金3億7562万円
2017年→獲得賞金3億7871万円
2018年→獲得賞金4億4062万円
2019年→獲得賞金5億0600万円
2020年→獲得賞金4億3069万円

という形で賞金が伸び悩んでいましたし、今年も、先週までに稼いだ賞金が「1億4643万円」と、去年の同じ時期(7月26日【日】まで)の「3億1405万円」を大きく下回っていますから、今の相沢君は、「早く巻き返したい」と考えている筈です。

という訳で、1着賞金が4100万円の新潟記念に向けて、プレシャスブルーをどう仕上げてくるのか、キッチリ確認して馬券に活かしたいと思っています。

そしてここからは、栗東の中内田充正厩舎がクイーンSに登録しているクラヴァシュドールについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のTさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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栗東トレセンから車で40分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。

彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の理事もやっとります。

「信楽牧場」は、関西で一番古い育成牧場で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。

充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパには競馬のことを教えてくれる学校があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。

それから、イギリスの「ウェストオックスフォードシャーカレッジ」で馬学と経済学を学んどって、在学中には、フランスに渡って、クリスティア・ヘッド厩舎で研修を受けとりました。

卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやったアメリカのロバート・フランケル厩舎で調教助手をやって、その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。

10年くらい海外で勉強して、日本に戻ってからは、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2011年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。

橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。

試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、中内田君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとったんですわ。

そんで、初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、その後の5年間は、

2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円

と書けば分かる通りで、右肩上がりで賞金を増やしとったし、中でも一昨年は、勝ち星と賞金のどっちも今までで一番の成績を残しとって、しかも、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞しとったんやから、ホンマに大したもんやで。

ただ去年は、グレナディアガーズを使った朝日杯FSなど、重賞を3つ勝ったんやけど、「36勝・獲得賞金7億7341万円」っちゅう成績で、一昨年の数字を大きく下回ったんやから、今年の中内田君は、「キッチリ巻き返さなアカン」と考えとる筈や。

実際、先週までの成績が「28勝・獲得賞金4億8463万円」と、去年の同じ時期(7月26日【日】まで)の「19勝・獲得賞金3億4229万円」を大きく上回っとります。

もちろん、今の中内田君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんでしょうな。

そんな中、今週は、1着賞金が3600万円のクイーンSにクラヴァシュドールを登録してきましたんで、「勝負懸かり」とワシは見とったし、実際、函館からワシのところに届いとる最終追い切りについての報告が、

「昨日、レースでも乗る藤岡佑介君が芝コースに入れて、5Fが65秒9、終いの1Fが11秒7っちゅう時計を出しとりました。ゴール前で仕掛けられると、鋭い伸び脚を見せとったし、追い切った後もイレ込むことなくどっしりと落ち着いとったから、力を出し切れる筈やで」

っちゅうもんやったから、エエ走りを期待できそうやな。

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中内田充正厩舎がクイーンSに登録しているクラヴァシュドールについて、「元調教師のTさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、万馬券を取りたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

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元JRA馬主で、一口馬主クラブの代表も務めていた小栗範恭さんのブログ
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今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。