療育の効果と必要性(実体験)」からの続きです。⇒

 

今日は小学校の授業参観でした。パパは初参加です。これまではコロナ禍の影響で、児童1人に付き親御さんは1人までという人数制限があったので、ママしか参加できなかったのです。コロナも落ち着いて、ようやく夫婦で参加できるようになりました。

って、出席率、低ぅーーーー!!

学年が上がって小学2年生になったので、皆さん、子離れ出来ているんでしょうね。うち含めて2組しかいません。土曜日ということで、児童の方も2~3割は欠席です。通塾生なら土曜は無理ですもんねー。何となーくは自覚していましたが、うちはやはり過保護なのかも知れないです。

で、同じクラスの子供達がこちらに気付いて、「ゆうくんのお父さん!?」と声を掛けてきました。コミュニケーション能力すごいな、とかその辺りは一旦横に置いておいて。問題は、声を掛けてくれた理由です。

「ゆうくん、おかしいよ! お父さんなんだったら、(ゆうくんのことを)修理してよ! 修理してくれないと、罰金だよ、罰金!!」

がーん

小2ですからね。悪気はゼロです。純粋な気持ちからの素直なお願いなんでしょう。頭では理解していても、ゆうくんのパパ、にこやかに対応しながら心の中では少しばかりショックですよ?
繰り返しますが、ゆうくんの様子を教えてくれた子に悪気はないんです。クラス替えで、学年2大問題児の1人であるゆうくんと同じクラスになって、戸惑ている様子が分かります。(ゆうくんは自閉タイプ、もう1人は多動タイプ。はみ出しもの同士で保育園では相性良かったんですが、小学校に上がってクラスが別になっちゃいました。)

「いじめ」が心配になるところですが、今のところ、そうした様子は全くありません。クラスの子達は、とても優しくしてくれます。例えば小学校って、授業や掃除で机を移動させるシーンが多くありますよね。普通は、皆で空気を読み合って、細かい打ち合わせや指示がなくても、何となーく同じ方向に机を移動させます。集団行動ってやつです。
ゆうくんは違います。机の移動が始まると、棒立ちになって固まります。皆の仕事がある程度進むと、いきなり無言のまま勝手に机の移動を開始します。ひとりだけ見当違いの方向に! それでもゆうくんを責めるクラスメイトはいません。「いいから! ゆうくんは手伝わなくていいから!」という優しさです。

実はゆうくん、小学校では手厚い保護を受けています。療育に通うゆうくんですが、それとは別に、公立小学校でも臨床心理士が様子を見て、親の私達にレポートをくれたり、担任の先生にアドバイスくれたりします。そのため普段のゆうくんの様子は、専門家の目線から知ることができていたのです。

(親へのレポート)
① クラスで行動が1番遅いが、本人は焦りを感じていない。マイペースで、自分の世界が強い。場に合わせた言動ができない。
② 周りの状況に変化があると固まる。切り替えができない。
③ 授業中に、授業を聞いていない。手遊びや、関係ないページを読んでいる。視野が狭く、自分で興味がないと注意集中できない。
④ 意見を言葉にして発話できない。独り言やジェスチャーで本人なりの意思表示はしているが、周りに伝わらない。目に見えない他人の気持ちを推測できず、自分の思考が強い。
⑤ 内的なイメージは豊か。状況の変化に敏感。好きなことには集中。言葉に発しないだけで、自分の考えや意見は持っている。

(担任の先生へのアドバイス)
① 本人への指導は控える。言葉で注意する代わりに、肩をトントンと叩いて気付かせる工夫をする。
② 本人への指導ではなく、周りの子への指導を重視する。ゆうくんのような子を、どのようにフォローすればよいのか学ぶ機会とする。

あ・・・、はい。ありがとうございます・・・。

合理的配慮ってやつですね。
(※ お住いの地域や自治体によって、サポートや方針は大きく異なると思います。ご了承ください。)

思い返せばゆうくんのパパであるボク自身もコミュ障で、小1の頃の思い出は「いじめ」でした。上級生に怖い犬のいる庭に押しやられて、泣いて嫌がるボクの反応をゲラゲラ皆で笑われたものです。親が小学校に相談してくれたことも覚えていますが、「子供同士の遊び」として対応されることはなく、いじめっ子が飽きるまで1年近くもその「遊び」は続けられました。
ボクが子供の頃には、今みたいな保護プログラムなかったよなー。ありがたいことです。サポートの原資は皆さまが納めている税金なので、本当に感謝しております。

ゆうくんには「いじめ」を経験させたくありません。それには「いじめ」を娯楽としない価値観(もしくは、「いじめ」は損得で考えれば賢くない行動だと理解できる学力)の人達が多数派を占める環境に身を置くこと。もう1つは内面や特性は一生変わらないとしても、知性によって、外面だけは取り繕うことを学ぶこと。「いじめ」ゼロは無理だとしても、「いじめ」に遭うリスクは軽減できます。
公立小学校の合理的配慮も、低学年のうちは有効でしょう。しかし、子供同士の世界では、そんなものが効かない年齢になっていきます。叶うことならば、中学受験勉強を通して、「いじめ」リスクを軽減できる能力を身に付けてほしいところです。

 

⇒「発達障害と中学受験国語」に続きます。

 

最初から読む◆ 「中学受験」に療育っ子がチャレンジ!
◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
◆ 「療育」(発達グレー)のあれこれ!