やつむね能楽講座御礼 | 今井町 今西家住宅

今井町 今西家住宅

神武天皇に協力し、県主(あがたぬし)の称号を賜わり、十市県主大目の娘を孝霊天皇の皇后として外戚を結び、吉野潜行に際し後醍醐天皇を警護し、戦国期今井庄を城塞都市化して信長軍と闘うも戦いを収め、自治権を許されて栄えた。建国の地かしはらより 悠久の風を!


立春とは名ばかりで、先週の今井町は、稀に見る銀世界になりました。
皆様におかれましては、ますますご健勝のことお慶び申し上げます。
先日は、ご多忙のところ「やつむね能楽講座」に出席賜り誠にありがとうございました。
おかげさまで沢山の方にご参加頂き盛会のうちに終えることが出来ました。
これもひとえに皆様方のご支援によるものと心から感謝いたしております。

かつての茶道天下三宗匠のひとり今井宗久ゆかりの今井町から日本文化を発信するという願いからも、日々の喧騒からなごみ得る空間の創出をこころがけ、今井町と吉野そして堺のつながりをつないでいくコンセプトのこだわりを感じていただけましたでしょうか。

そして何よりも、今西家で能を演じていただくことが出来たのは、感謝の気持ちでいっぱいです。
十市氏の菩提寺・補巌寺で禅を世阿弥に参学させた十市遠康と能の世界に生かし芸を極めた世阿弥への追悼の想い。
そして、佐渡島より刑を終えて大和の地に夫人と共に戻って大和を愛して止まなかった世阿弥夫妻の魂をねぎらうという深い意義も籠められていました。

桟敷に使われていました若竹も、今西家先祖の戦国武将歌人である十市遠忠公ゆかりの龍王山城近くの山から切り出していただき、組み入れました。

長椅子は、吉野産の木材で作ったものを、戦国時代に茶の湯コネクションで深いつながりで結ばれていた堺の方から貸し出していただきました。

そして、葛湯は、大和ゆかりの吉野葛を吉野山で葛菓子を営んでおられるTOP of TSUJIMURAさんが土間の中で屋台を出して、暖かい葛湯を入れていただきました。

また、不慣れなことで行き届かない点が多々ございましたこと心よりお詫び申し上げます。
今後も、今井から色々な文化を発信したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
春近しとはいえ、余寒身にしみる季節ゆえご自愛くださいませ。

「花ぞなほ露まぎれなき梅が枝の若葉もにほふ春のあさ風」
十市遠忠百首より)

 平成26年2月吉日
財団法人 今西家保存会



十市龍王山城ゆかりの竹桟敷


吉野山TSUJIMURAさん屋台



金剛流能楽舞