雑学日記 その490(素朴な疑問編15)
みなさま、お疲れ様です。
8月も、もう終わりの時期となってきている今日このごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
それでは、今日も続編と参ります。
『カミナリとはどんなもの?』
特に空気が乾燥しがちな冬場に、金属製のドアの取っ手を触ろうとすると、パチンと火花が飛んで、ちょっぴり痛い思いをしたことが皆様にもあるでしょう。
カミナリの発生原因は、まさにこの静電気現象と同じなのです。
雨滴が空気の分子と摩擦するときに電気(電荷)が生まれます。ちょうど家の床にしくカーペットと足元の摩擦で電荷が生まれ、体に蓄えられるのと同じです。
さらに雨滴が小さく分裂すると、なんとか釣り合いを取っていた電荷のバランスが崩れ、さらに電荷が大気(空気)中に蓄積していきます。
雨雲と地表との間には大気があります。この大気が絶縁体となって放電が起きるのを妨げているのですが、雨と空気の分子の摩擦によって発生し、大気中に蓄積された電荷があまりにも大きくなって何百万ボルトにも及ぶようになると、大気は、もはやそれほどの電位差を支えきれなくなり、雲の間や雲と地表との間に放電が起きるのです。
雲と雲の間の放電は30キロくらい離れていても起きますが、雲と地表との間の放電(これが落雷です)は2,000メートルくらいで発生します。
落雷のときは、大気中にものすごい熱が発生し、電荷の通路が生じます。この急激な熱発生によって、周辺の大気は急激に膨張し、一時的に生じた真空領域に、今度は周囲から冷たい空気が流入します。このときの音がカミナリの「ゴロゴロ」なのです。
もし稲妻(カミナリ)の走るのを目にしたら、時計を見て、落雷の音が聞こえるまで何秒かかるかを数えてみてください。この秒数に音速をかけると、時計を見るために立ち止まっている地点から、落雷があった地点のおおよその距離が分かります。音速は常温だと秒速330mくらいです。
例えば、稲光のあと10秒してカミナリの音が聞こえたら3,300(330×10)m先で落雷があったことが分かります。
ちなみにですが、空気は水や木や鋼鉄などよりも密度がずっと小さいので、邪魔ものがないぶん音の伝わるのは速いだろうと予想されますが、実際は逆なのです。
空気中の音速は、普通の物質のなかでは、いちばん遅いほうになります。
常温の大気中での音速は、秒速330mくらい(温度で多少、変わります)ですが、水中では、ざっと秒速1,500m、ガラスや鋼鉄では秒速5,000mくらいとなります。
空気をつくっている分子は、ガラスなどに比べると分子同士の相互作用が小さいので、通り抜ける間に音波は相当のエネルギーを失うことになるからです。
一方、固体では、音速は密度の平方根に逆比例すると言われています。軽金属のベリリウムは、音速が約13,000mで、鉄の2.5倍のスピードです。これがおそらく、金属の中では最高速の材料でしょう。
さて、いかがでしたでしょうか。
それでは、次回までごきげんよ~!