吉里颯洋オフィシャルブログ 「微風爽々」 -2ページ目

【作詞教室・爽塾】2023年前期_Lesson11

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のレッスンも、このタームの修了まで「マジック2(残り2回)」となりました。今日から作詞に取り組む4曲目の課題曲がこのタームの最後の課題、つまりは卒業制作になります。

今回も生徒さんの声も交えつつ、レッスンのレポートをお届けします。

まず取り組んだのは、課題曲のヒアリングと企画立案、企画会議。
「こういうシーンを描きたい、こういう歌詞を書きたい」というプランはあくまでプランであって、そのすべてが歌詞に落とし込める訳ではありません。けれど、描きたい歌詞の背景にあるストーリーに齟齬があると、それは歌詞の中に「突っ込みどころ」として現出します。ですので、爽塾ではこのプロセスを重視して、「どういう歌詞を書くのかというプラン、ヴィジョンを定めてから、作詞に取りかかる」ことを徹底しています。
さて、4曲目の課題曲に選んだ楽曲は、ミディアムテンポで少し歌謡曲テイストのある、寂しげなメロディのナンバー。3曲目の課題曲は弾むようなポップなメロディだったので、あえて方向性の違う曲を選びました。
陽気なメロディにはハッピーな歌詞がふさわしく、その逆に、マイナー調の悲しいメロディには悲しいストーリーの歌詞がフィットするのは言うまでもありません。これまで課題曲に選んだ3曲には、「失恋」なり「別れ」を想起させるテイストの曲はなかったので、選曲にあたっては良いチャレンジになればという思いもありました。
このタームの受講生・Ruさんは企画を練るのが得意なタイプですが、今回は少し苦労したのか、発表してもらった歌詞のプランはいつもよりもファジーな感じ。話し合いのうえ、「恋人同士が別れたという設定なら、どういう理由があって別れたのか、その時、ふたりはどんな気持ちだったのか?」といったポイントをフィックスしていきました。
 


と、Twitterでのコメントを紹介しましたが、ふだんからRuさんは「ハッピーエンド大好きで、それ以外はちょっと……」ということだと知りました。実際、こういうコメントは初めてでしたし、過去に同じような嗜好だった生徒さんはいなかったため、ちょっと新鮮でした。
この場を借りて、アドバイスするなら、「ハッピーエンドが好きな自分が、もし今回の歌詞で描くべき、ハッピーではないシチュエーションに遭遇したら、どう感じるだろう?」と、歌詞の中の主人公たちに思いを馳せてみてください。
そしてまた、「その歌詞を歌う歌い手さんが歌った時に輝けるように」というイメージを実現していく意志も大切なポイントです。
レッスンの後半は、再提出された課題③の歌詞のレビューを行いました。
詳細は割愛しますが、「新しい恋に戸惑う大人の女性の揺れる気持ち、戸惑い」を描くにあたり、ストーリーのリアリティを向上させるため、企画時に設定した季節感や固有名詞を歌詞に取り入れることを進言しました。歌詞の更なる成長を願うばかりです。

次回はいよいよ、このタームの最終回。
オンライン・レッスンながら、レッスン後にささやかな打ち上げをしようと計画しています(笑)。対面のレッスンからオンライン・レッスンに切り替えてから、こういうのは初めてなので楽しみですね。かつては、最終回のレッスンの後、場所をお借りしていた下北沢の「Brown’s Books Café」から移動して、別のお店で楽しく歓談してお別れしたことが良き思い出です。

最後のレッスンは、ハッピーエンドで終わりたいですね。いや、必ず、そうしてみせます(笑)。


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かつしかFMにて。
ゲスト出演でお世話になった『ロッキンスター』のDJ、佐々木健二さんと。
自分が手にしている、NOBODYの『POP GEAR』特集でした。

【吉里颯洋ラジオ出演のご案内】「ロッキンスター」にて、NOBODYの『POP GEAR』特集!

吉里颯洋、ラジオ出演のご案内です。


日時 : 2023年09月06日(木)18:00〜19:00

番組 : かつしかエフエム 「ロッキンスター」

内容
DJ・佐々木健二さんが、独自のマニアックな視点で、ロック史上に残る名盤をご紹介していく音楽番組「ロッキンスター」。2度目のNOBODY特集に、前回に引き続き、吉里颯洋がゲスト出演させていただきます。
昨年、レコードデビュー40周年を迎え、最新リマスタリングのリイシュー盤のリリースが続いたNOBODY。前回取り上げたファースト・アルバム『NOBODY』に続いて、今回のお題は、名曲満載のセカンド・アルバム『POP GEAR』。吉里颯洋セレクトの名曲の数々と、盟友・佐々木健二さんと繰り広げるロックンロールなトークをお楽しみください!

聴き方
パソコンで聴く場合は、オフィシャルサイトのこちらのページから。
スマートフォンの場合は、無料アプリ「Radimo」をダウンロードし、放送局一覧から「かつしかFM」を選び、再生ボタンをタップしてください。
 

 


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【作詞教室・爽塾】2023年前期_Lesson10

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のレッスンも、今日のレッスンで10回目。来月下旬の最終回まで、あと3回となりました。
今回も生徒さんの声も交えつつ、レッスンのレポートをお届けします。

図らずも「マンツーマン」スタイルのレッスンとなった、このクールのレッスンのスタートに際して、自分が定めていた「裏テーマ」があるので、そのことをちょっと記しておきます。
それは、「グループレッスンと同じ料金で、可能な限り、個人レッスンと同じクオリティのレッスンを提供する」ということでした。
カリキュラムの改訂を行ったこともあり、以前に比べると取り組む課題の数が減ったため、ひとつの作品にじっくり取り組むことができるようになりました。それに加えて、SNS上で熱心にコメントしてくれた生徒さんの情熱に応えるように、できる限りの対応もしてきましたので、ほぼそれは達成できているかと思います。
個人レッスンの場合、受講料はグループレッスンより割高にはなりますが、取り組む課題の数や課題曲の曲調などすべてのカリキュラムを生徒さんのお好みでカスタマイズすることに加え、労力を1人の生徒さんに集中するだけに指導も密になります。現在は休講中ではありますが、先々、個人レッスンも再開できればと考えています。

閑話休題。

今回のレッスンは、課題のレヴューを行う回でした。
メインに講評するのは、前回企画をまとめた最新の課題③なのですが、完成間近だった課題②の講評から先行してレヴューを行いました。
結論から言いますと、3度目の提出にして、歌詞は遂に完成!
「まったくの未経験から作詞を始めた生徒さんが、メッセージがきちんと伝わる歌詞らしい歌詞を書き上げたことは賞賛に値する」と心から思います。さらに、「今後は、完成した歌詞のクオリティを初稿の段階で実現できるよう努めてください」とエールを贈りました。完成した歌詞は、後日公開しますね。

さて、次にレヴューを行ったのは、今回のメインテーマである「課題③」の歌詞です。田村信二さん作曲のデモはご本人歌唱(!)による、弾むようなポップナンバー。
初稿の歌詞は未完成でしたので、今回は生徒さんに伝えた「精度の高い企画を歌詞に落とし込む際の注意点」の要点をちょっぴりご紹介します。

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いつも通り、企画のディテールが素晴らしいです。
楽器を弾く人なら耳慣れた表現かもしれませんが、「手癖」という言葉があります。アマチュア・ミュージシャンの場合、「こういうシチュエーションで、同じようなフレーズを弾きがち」みたいな癖があるもので、自分では気づかないうちに、マンネリに陥りがちになっていることが往々にしてあるのです。作詞にしても同様の部分はあって、多くのアマチュアの方は自分の手癖の要因が分からず、なかなかマンネリの解消法が見つからないもの。
以下の通り、企画書から読み取れる手癖を解説し、実力アップへの足掛かりとしたいと思います。

▼企画と歌詞の関係
現状のところ、企画の完成度の高さが今ひとつ歌詞に生かされていない部分があるので、以下を心がけてみましょう。

・「ストーリー」が仕上がったところで、「キーワード」を見直してみる
キーワードを多く考案することも大切ですが、優先順位を明確化するとベターです。
「このストーリーのテーマは何か?そのテーマを要約すると、どんなワードになるか?」と言う視点で、キーワードを再考してみてください。より分かりやすく言うと、こういうイメージです。
ストーリー > 歌詞のテーマ > キーワード > タイトル※今作で言うと、以下の部分をより明確に描くことで歌詞の魅力が増します。「こういう時、どうしたらいいの? 素直に飛び込めばいい?」という気持ちは、戸惑い、逡巡。
噛み砕いて言うと、描きたいシチュエーションは、「好きな人と両思いになって、ひたすらハッピーです!」ではなく、「好きな人ができて恋が始まったことはうれしいけれど、本当にうまくいくのかな?でも、ハッピーエンドをつかみたい」ということかと思うので、ヒロインの揺れる気持ちを表すには、タイトルは再考した方が良いでしょう。

・リアリティ向上ポイントを、適度に盛り込みましょう
 「実際に歌詞に入れて、リアリティ向上を」と企画書に赤字を入れた項目は、企画書に記載があるけれど、ほぼ毎回、初稿の歌詞の中には抜け落ちている要素です。
 いつもお話ししている通り、企画書と歌詞はフォーマットが異なる別物ですので、企画書のすべては歌詞に反映することはできませんが、そこを工夫していくことでリアリティがより向上して、歌詞のクオリティもアップします。

▼タイトルとサビの関係
多くのスタンダードナンバー、ヒット曲がそうであるように、タイトルはサビの適切な箇所に入れるのがベターです。
※テキスト13ページ参照

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こんな感じのアドバイスをしていきました。
以下に、SNSでの生徒さんのコメントをご紹介します。
 

 
 

 
 

 
 

 

次回のレッスンでは、このタームでは最後の課題曲を聴きながら、歌詞のプランを練っていきます。
どんな曲を選んでも田村信二さん作曲の素晴らしいメロディではありますが、いわば「卒業制作」なのでちょっと迷いますよね。

なお、10月からのタームについては、現在受講中の生徒さんが継続して受講することもあって、キャパシティの関係から追加募集の枠は若干名となる予定です。
詳細は、9月11日までに告知いたします。

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※課題曲をご提供くださっている、作曲家の田村信二さんと参加した試写会にて。このクールの生徒さんのがんばりも、田村さんにきちんとお伝えしてます。