吉野・むかしヤサイ -4ページ目

吉野・むかしヤサイ

奈良・吉野の野菜ソムリエ・宮坂敏史が、
吉野に「むか~しからある野菜」、吉野の在来野菜・在来種、それに携わる作り手の皆さんの知られざる情報を「ありのままに」「おもむくままに」発信しています。

{260CCB4A-9E9F-40A2-BDF4-F924CBB638B6:01}

{AE8EA6EA-2AFE-410E-9ED8-6CE402E06954:01}


吉野(下市町)の農村では、民家の庭先や畑に、
秋になるとオレンジ色の実がたわわに実る大木があります。

この木の招待は「柿」。
でも、富有柿より一足早く、9月下旬から実りだします。

渋柿の平核無や刀根早生と同じころに実るでしょうか?

この柿「栃原柿」という柿です。

下市町に「栃原」という地名があり、
おそらくこちらが発祥かと思われます。
{D3ED2541-5A8E-40A3-BF3C-9D5427B95DC5:01}


かつては子どものころのオヤツとして、
実った柿の実を枝ごともいで、丸かじりしてました。

最近は子どもたちが栃原柿にかぶりつく光景はナカナカ見かけなくなりましたが、
今も野良仕事の休憩のオヤツとして親しまれています。

でも、この柿。ちょっと厄介で
見た感じ「おいしそう!」と思い、枝ごともいで丸かじりしたら、
渋かった・・・なんてことも多々・・・。

この柿、かならずタネが出来ないと甘くなりません。
タネが出来ると中に「ゴマ」が出来て黒くなり、甘いのですが、
タネが出来てないとゴマが出来ず、甘くなりません。

甘柿には完全甘柿と不完全甘柿があります。

完全甘柿はタネが出来てなくても甘いのです。

種類としては、

定番の「富有柿」、「次郎」、
そしてナシのようなサクっとした食感で人気が出つつある「太秋」が
あげられます。

ところが、
不完全甘柿は必ずタネが出来ないと甘くなりません。


つまり栃原柿は「不完全甘柿」なのです。

ところで、奈良県御所市には「御所柿」という柿があります。

こちら、完全甘柿の原種であるといわれており、
当時、極上の柿として、幕府や宮中にも献上されていたそうです。
ただ、収穫量が少ないうえに栽培も難しいことから「幻の柿」といわれています。

最近、復活への取り組みが行われているそうです。

こうしたご当地の柿、探せばマダマダありそうですね~♪





{81D8BACD-7C7E-4D00-BE53-8C8DBDC15E94:01}


{579FD1A3-B6AE-4FF6-B8EC-AD81A5B19A82:01}


先日、十津川なんばに触れるコトができました。

独特の黄金色。
写真は株が枯れるまで成らしておいたもので、
それをさらに乾燥させたものです。

完熟させたものを粉にしてパンやお餅に使われるそうです。

1粒かじってみましたが、噛めば噛むほどほのかにコーンスープみたいな風味がして、ややもっちりした感じでした。

で、粉への加工の仕方ですが、
十津川村では臼と杵を使っていたそうです。

乾燥させたなんばを臼に広げ、杵で軽くたたくそうです。
そして、とおし(ふるい)にかけて、粉だけ取り出して保存されるそうです。

ちなみにスイートコーンと同じように収穫して、スイートコーンとしても使えるそうです。
この場合、スイートコーンと同じようにゆでて食べることが多いのですが、
味はスイートコーンよりも淡白だそうです。
ただ、スイートコーンよりもズッシリした感じだそうです。

それから、この十津川なんば。
草丈は2mをゆうに超えるとのこと。

しかも根っこが普通のトウモロコシと違い太く、かなり丈夫で、
株を引き抜くのも大変だそうです。

その為、栽培する際はふつうのトウモロコシよりも株と株の間隔をあけて栽培するそうです。

{1778C4E6-53BE-4315-8D1F-30A00CFE6979:01}


ちなみに、6月に十津川村にお伺いしたときに見つけた、こちらの株。

この十津川なんばを頂いた方に写真をお見せすると、やはり十津川なんばでした。

{334C19B7-422F-43C3-8985-DB296026FE23:01}

{47A64855-3C36-4D6F-9396-0612CB2EBF60:01}

{BA8E82FB-37A5-4679-BBAF-EFDC01C9DBCA:01}

{0CD0262B-ADCA-4073-836D-462D2B1839DE:01}



このほど発売されました、
「チルチンびと2015年秋号」では、今回、
「種を紡ぐ」と題して、奈良県内における在来野菜の継承についてご紹介。

奈良市都祁上深川地区、奈良市都祁下深川地区は「マメ」。

そして吉野郡下北山村「下北春まな」の取り組みについてご紹介されてます。

みなさん、是非ご覧下さいませ~♪



{0D87214A-1CCF-4C45-81BC-A4E8494D7D11:01}


今回は寄せ集め(?)の投稿になりますが。。。

6月末に十津川村にお邪魔したときの事。

十津川村に「十津川なんば」という、
在来種のとうもろこしがあるとお聴きしました。

旬は9月と、ふつうのトウモロコシよりも遅め。

味はかなりあっさりですが、モッチリしているそうです。

ふつうのトウモロコシと同じように使うだけじゃなく、
粉にして使われているそうです。

参考Webサイトが出てきましたので、以下に列挙します。

十津川なんばドーナツ、十津川なんばメロンパン、十津川なんば入りいか焼き
~【十津川村観光協会「5/3石楠花まつりイベント」より】

↑↑↑どんな味か、食べてみたいですね。

吉野地方で、かつてイネが作るコトが出来ない地域では、
トウモロコシは夏野菜だけじゃなく、
穀物(タンパク源)としても重宝されてきたと思われます。

吉野地方は林業の村。
何かとチカラシゴトが多い。
ということは何かとタンパク源が必要になりますね。

十津川なんば、気になります。

※写真の株は十津川村の果無集落で見つけた、トウモロコシの株。
ちょっと姿が違うので、もしや?と思い撮影したものです。
(もし違っていたらスイマセン)
{3B9EA44E-9DD9-4222-8AF8-480D861BB2A9:01}


こちら、野迫川村の伝統野菜「野川キュウリ」です。

野迫川村は人口わずか500人あまり。
吉野の山あいにあり、高野山にもほど近い位置にあります。
吉野地方では珍しい、白樺の木々も見ることが出来る村です。
冬には樹氷も見れます。

普通のキュウリよりも若干固めですが、
淡白でパリッとした食感がなんともいえません。

このキュウリ、かつては林業をされる方々を支えていました。

丸ごと軽く塩を含ませて、林業をされる方々の水分と塩分補給に役立っていました。
「かじる天然のスポーツ飲料」でしょうか。

「アスリートフード」という切り口で見ても面白いかも・・・。