栃原柿 | 吉野・むかしヤサイ

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奈良・吉野の野菜ソムリエ・宮坂敏史が、
吉野に「むか~しからある野菜」、吉野の在来野菜・在来種、それに携わる作り手の皆さんの知られざる情報を「ありのままに」「おもむくままに」発信しています。

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吉野(下市町)の農村では、民家の庭先や畑に、
秋になるとオレンジ色の実がたわわに実る大木があります。

この木の招待は「柿」。
でも、富有柿より一足早く、9月下旬から実りだします。

渋柿の平核無や刀根早生と同じころに実るでしょうか?

この柿「栃原柿」という柿です。

下市町に「栃原」という地名があり、
おそらくこちらが発祥かと思われます。
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かつては子どものころのオヤツとして、
実った柿の実を枝ごともいで、丸かじりしてました。

最近は子どもたちが栃原柿にかぶりつく光景はナカナカ見かけなくなりましたが、
今も野良仕事の休憩のオヤツとして親しまれています。

でも、この柿。ちょっと厄介で
見た感じ「おいしそう!」と思い、枝ごともいで丸かじりしたら、
渋かった・・・なんてことも多々・・・。

この柿、かならずタネが出来ないと甘くなりません。
タネが出来ると中に「ゴマ」が出来て黒くなり、甘いのですが、
タネが出来てないとゴマが出来ず、甘くなりません。

甘柿には完全甘柿と不完全甘柿があります。

完全甘柿はタネが出来てなくても甘いのです。

種類としては、

定番の「富有柿」、「次郎」、
そしてナシのようなサクっとした食感で人気が出つつある「太秋」が
あげられます。

ところが、
不完全甘柿は必ずタネが出来ないと甘くなりません。


つまり栃原柿は「不完全甘柿」なのです。

ところで、奈良県御所市には「御所柿」という柿があります。

こちら、完全甘柿の原種であるといわれており、
当時、極上の柿として、幕府や宮中にも献上されていたそうです。
ただ、収穫量が少ないうえに栽培も難しいことから「幻の柿」といわれています。

最近、復活への取り組みが行われているそうです。

こうしたご当地の柿、探せばマダマダありそうですね~♪