そろそろわたしのことを書かなければ③ 不倫の覚悟編 | 宮 好子 _拡大する意識

宮 好子 _拡大する意識

夫婦や結婚と聞いて連想するイメージは…本当はみんな違うんです。でも皆んな自分の連想したイメージが“ふつう”だと思っている。
自分の中の“ふつう”を疑い、そしてもっと自由にもっと笑顔にもっと多様な夫婦や結婚スタイルを叶えていく生き方のお手伝いしています。





–––これまでのおはなし–––






前回の続き…


世界の山ちゃんへ2人で飲みに行ってから

彼とは頻繁に携帯メールをするようになりました。






やばいな。




喜んでいるわたしがいる。



 




彼からすぐにメールの返信がくると

嬉しくって

またすぐに返してしまう。



絵文字結構使うんだー

伸ばす棒は“〜”を使う派ね




くだらないことがワクワクで

ドキドキして



久しぶりに学生時代に片思いの彼と付き合い始めた頃の感覚を思い出した。





明らかに彼から好意を寄せられているという状況に溺れていて、側からみれば完全にイタイ女。


それまでどれだけ干物女だったのか





でも確かに、3年間きちんと彼氏と呼べる人がいなかったわたしは

彼氏という存在に飢えていたわけで



周りの同僚はキャピキャピと彼氏の話をしている中


そーなんだあ、いいな〜

え〜、羨ましいー



なんて

笑顔で対応できるわけもなく




ただひたすら心の中で


いいなぁ

いいなぁ

いいなぁ


くっそぅー

なんでわたしだけ


なんでわたしだけ彼氏できないんだろ



と拗ね子だったのです。







そんな時に

年上のしかも仕事ができる大人な男性から言い寄られたら

それはもうヨダレもので




だから

彼から行きたいバーがあるんだ。

あと観たい映画もある。



と、初めてのデートに誘われた時も

断る気なんてさらさらなく





寧ろスキップして出掛けて行ったくらいです。






ただやっぱり心の端っこに



彼は既婚者なのに


なんで独身で結婚適齢期のわたしに

言い寄ってきているんだろう

 


失礼だよね!


という小さな怒りのような感情がありました。




既婚者という存在を棚に上げて


好きって感情だけで口説こうとするのはずるいと。






わたしだって

好きって感情だけで流されたいのに。





既婚者の彼=不倫相手


この方程式のハードルが高すぎて

なかなか一線を越えられなかった。






けれど

あまりに彼がストレートに

感情を伝えてきてくれるので


わたしはやっぱり




嬉しかった。





理性より

うれしいの感情が勝ってしまった。





だから付き合う事をOKしたけれど

代わりに一言言ってやったのだ。



『わたしだって結婚したいのに』



って。


 



そしたら彼は初めて悲しそうな顔をした。






彼だって分かっていたのです。


自分の犯している罪を。




それでも好きになってしまったから



ドキドキがはじまってしまったから



また恋をする楽しみを思い出してしまったから



既婚者だって恋愛する自由くらいあってもいいじゃないか!





と、彼は彼なりに

自分の気持ちに素直に行動したのでしょう。







今、わたしが既婚者でその頃の彼の子供と同じ年齢の子供を育てている状況になって初めて分かることもあります。







その時は

分かりませんでした。




ずっとずっと


なぜ彼は既婚者なのに

ずるい



わたしばかり被害者ぶっていました。




だから彼に時間やお金を使って貰うのは当然だと思っていました。



そして偉そうに

付き合うことをOKする代わりに条件出したのです。




『わたしは結婚したいし、子供が欲しい。

だからあなたと付き合いながらも結婚相手を探します。

だってあなたは離婚する気はないでしょう?』








④へつづく