以下、原田日銀審議委員の発言です(出典 マネートナーズ ニュースサイトより)。
「消費増税が景気を後退させ、需要減が物価を引き下げる可能性」
「足もとの物価停滞が物価上昇をさらに遅らせる可能性」
「下方リスクが高まっている」
「景気が悪化し、2%の物価目標達成が困難なら躊躇なく緩和が必要」
これを読んで、
ああ、為替は現行水準をほぼ、維持するということだな、と私は思いました。
意訳すれば
今のフレームの維持のために日銀からそれをぶち壊して、金利は引き上げることはない
と委員は言っているわけです。
今回の為替変動は
アメリカの徹底した中国・ファーウエイ包囲網などの報道相次ぐネガティブな状況から
FXなどのポジションで円高シフトした人に対するロスカット呼び込み需要による円戻し。
つまり円キャリーで儲けている人に変動を仕掛けられたともいえます。彼らは、
安く仕入れられる金利の安い通貨である円を調達して、外貨に変換。
外貨が強くなったところで利確し、借り先に円で返済する。円の金利が低いからできることでこんなに好都合なことはないわけです。
日銀・原田委員発言は
為替操作国認定の審査面からは
円安誘導ともとらえられかねませんが、
投機筋には「はい、はい」と聞こえたことだろうと思います。
ところで、日本の物価は小麦等の断続的な買い付け価格の引き上げで、食パンや小麦を使う製品中心に激しく値上がりしています。
ちょっと良心的な食パンを買おうとすると以前の二倍の
価格を支払うことになります。
経営上苦しい製パン業者は以前の品質を改変してスカスカのパンを作らざるを得ない。
なぜ買い取り小麦価格を毎年のように引き上げているかというとアメリカ農家様への国際的配慮。
貿易黒字解消の一環というソンタクからでしょう。
おまけにやたらガソリン代が高いですよね。
それは原油がドル基軸通貨体制維持の土台であり、為替水準の調節バルブでもあるから、という面を考慮して推移しているからです。
しかし、冒頭の日銀委員のような発言に見られるように、やたらと「消費減退で物価は停滞」と広報=公報されます。
高いから買えない人たちがいることは言われません。
折からの働き方改革で残業代が稼げなくなった家計。
正社員から契約社員にうつり、退職
のこの先がだんだん心配になってきた家計。そもそもスタート地点が安いため、おいそれと消費できない家計。
そうした家計は今の物価高に四苦八苦です。
しかし、消費者物価指数の対象品目の選び方に竹中平蔵マジックがかけられているため、数値上、物価が上がらないようになっているわけです。
オリンピックも控え、改元などの行事が続くため、不平不満の発露が沈殿し、子供教育が実質無料化され、「まあ、それなら」と我慢とバランスしているだけです。
正常な経済活動の一環で、貯蓄すればある程度の金利が得られる状態から現状の経済を眺めてみると、
円は大国の長期金利維持のために金利を引き上げることはできず、
働き方改革によって所得水準そのものがダウンサイジングしていく中で、
労働分配率が引き下げられた企業の内部留保は高まり、株式への配当や株価維持にも寄与する自社株買い、アメリカへの工場設営などの費用に回される。
まさに、政治の力ですねえ。
しかし、泣いても笑っても現実的になるべきですね。一応は「平和」に暮らせているありがたい世の中に生きています。
平和の配当として低金利に甘んじる、二倍になった食パンも買う、為替ストラテジーを立てて、ボラテイリティを楽しむ。
私はこうした現状に遭遇した生活者の一人として、現状を上手に生かした家計と資産運用をしていこうと思っています。
戦国時代の農民、江戸時代の町人、明治、大正、昭和・・・・の外部環境も今と似たり寄ったりだったのでは?
ちなみに「やってみせてよ」ということを実証していく必要から
為替では2~4月は動かず、5月は仕掛けられてくることに備えスタンバイ。
元手の4%を得て、ほぼ手じまいました。また、仕掛けられてくるだろうと思うタイミングでエントリーしたいと思います。
25%の昨年並みに回せればと思います。
税金を支払うと、利回りはもう少し落ちますが、持続可能な資産運用を提唱していますので、ま、ぼちぼちと。
というわけで、まとめとして現状確認です。
円金利は上がらない。
外部の不安ニュースで容易にドル売りすると踏みあげられる。
企業は金持ち。配当か自社株買いができる企業の安値狙い。
食材の値上がりに対抗すべく、知恵を絞ろう!
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