今年は午年。相場をよく知る人は「午の尻尾は尻下がり」といって下げに警戒する。
私もそう思う一人。
昔からの資料を見ると午年に転調になり、翌年に底入れする、つまり、もっと下がることが多い。
でも、投資家の多くは辰巳天井の余韻が残っているから油断している。それが怖い。
ぼんやりしていると命取り!
「撤退」には足手まといな重たい荷物を処分する損切りがつきもの。しかし、「損は避けたい」と思い、躊躇。
すると手遅れになり、大暴れする下げの濁流にのみ込まれてしまう。気持ちを引き締めて相場に臨む必要がありますね。
●アメリカ金融政策は中国理財商品破綻に効く?
さて、視点をアメリカの金融政策に移します。
アメリカの失業率がリーマンショック前に戻りつつあり、企業業績も回復。それを受けて「いつまでも金融緩和&低金利政策をしていなくてもいいのでは?」ということで、金融緩和策を縮小。
すると周辺諸国で運用されていたお金は「アメリカで運用したほうが儲かるのでは?」とアメリカにお金が集まる。
新興国の株式市場は下がり、そのお金の流れ先のアメリカは儲かる。
新興国市場波乱は円高材料になりやすいから、アメリカはお金を集めつつ、自国企業をドル安で競争優位にさせることができる。実にうまいウルトラC。
リーマンショック後、G20の中のワン オブ ゼムに埋没した感があったアメリカ。
しかし、強烈な金融緩和とドル安作戦で息を吹き返し、体力は十分。
ここは起き上がりざま、強い相手にパンチを繰り出さなければ、とばかりにFOMCの金融緩和正常化の道筋で、新興市場波乱による円高(アメリカ企業擁護)と、それがトリガーとなって起こる確率が増す中国理財商品取りつけ騒ぎ(G2からG1へ)、アメリカ・ファイナンス成功(世界マネーの米国債環流)のダブル、トリプル効果を企画したといえる。
FOMCテ―パリング→新興市場からのマネーがアメリカへ(米ファイナンス成功)→新興市場波乱で円高(アメリカの物価安定やアメリカ企業業績にはメリット)→中国の理財商品破綻(G2からG1へ)
非常にうまい具合に考えられたスキームです。
この2年でカタをつけて2016年11月新大統領選出で、また、あらたな展開に入っていくと思われます。
いやはや、すごくよくできたシナリオ。