ユーロ共通債構想で考えられるリスク | 木村佳子のブログ

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社会とのコンタクトポイントの一分野として経済・株式市場をとらえ、分析する過程で資産運用力を磨き、人間として深い「知」を獲得しよう

敗れ去ったサルコジ氏(元フランス大統領)と現職のドイツ・メルケル首相は緊縮財政、ユーロ共通債否定でおおむね考えが一致していたと私は見ています。


しかし、サルコジ氏は敗退。

来年はドイツも総選挙でメルケル氏も再選されるかどうかわかりません。


そんなユーロ問題シャッフル(カードをシャッフルするという意味です)前夜に登場したフランスの新大統領オランド氏はユーロ共通債構想をもっているといわれます。


もしも、そんなことになったら、リーマンショックの時の構図と同じではないでしょうか。

リーマンショックの時、何が金融機関を飛ばしてしまった爆弾だったかというと、

見かけはよさそうな金融商品の中に、毒のようなズタボロ債券が埋め込まれており、

それがサブプライムローンのリスク度合いが増すに従い、劇下がり要素となって、金融機関の信用不安になったじゃないですか。


それと同じことを早い話がユーロ共通債でしようというわけでしょう。

国の運営には金が必要で、債券を発行しますが、ドイツのような経済が好調な国もギリシャのような経済、財政が不安定な国もいっしょくたの共通債を発行すれば、ユーロ共通債の格付はギリシャ、スペイン、アイスランド、アイルランド、イタリア、ポルトガルと一蓮托生になります。


そんな愚かしい選択をドイツ・メルケル氏は嫌だと言っているわけです。それなら、いっそ、ドイツがユーロを抜けたほうがまし。そう考えているかもしれません。


しかし、来年のドイツ総選挙でもしも、「ユーロ共通債、いいですね」という考えの人が首相になったら?


投資家は米国債、ユーロ共通債、日本国債の3択であればいったい、どれを買うでしょう。

みんな怖すぎる、そう思うかもしれません。


すると・・・・・。


どんなノアの船がしつらえられるのかはわかりませんが、危ない兆候です。この数年にリーマン以上の大変なクラッシュが来るのではないかと用心したいと思います。


それと注目しているニュースがもう一つ。

九州、鹿児島の桜島が非常に活発な火山活動をしています。

関東大震災の9年前にも桜島は爆発しました。


私はバブル期や預貯金金利が7%だった時代も知っているため、どちらかというと楽観主義的なものの考えかたの人間ですが、こんなに恐ろしい材料がそろった未来を明るくとらえることはいくらなんでも難しいです。


お金や資産運用を根っこから考え直し、市場で、強欲資本主義のレバレッジの犠牲になるようなお金の持ち方ではなく、できるだけわかりにくい、獲りにくいものに変換して社会に残すべきだと考えるようになりました。

職人芸や文化、芸術、経営メソッドなどで持ったほうがマシです。お金で持つから獲られるのだと思います。


地域文化に貢献するとか、伝承に力を入れるとか、コミュニティの構築とか、資産の残し方はいろいろあります。


ユーロ共通債などが導入されたら、「いつか来るぞ! 大きな津波が!」と身構えたいと思います。すざまじいインフレの芽もまかれていると思いますので、よくよくそういうものに振り回されない生き方を今から考えて、軌道修正していきたいですね。


さて、お知らせが一つ。7月20日は名古屋吹上ホールでIRエキスポが開催されます。私は朝から講演させていただきます。是非、ご参加くださいませ。

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