こんにちは
前回のブログで、新型コロナワクチン接種後の高血圧についてお話しました。
まだの方はこちらからご覧ください。
スイスの施設から発表された論文を簡単にまとめてご紹介します。
題名 「mRNAワクチン接種後、数分以内に起こったⅢ度高血圧の症例報告」
雑誌名 Hypertention 2021年5月25日にオンラインで発表
著者 Sylvain Meylanら
施設 スイス西部の都市ローザンヌのワクチンセンター
要旨
2021年1月11日からmRNAベースの新型コロナウイルスワクチンの接種が開始され、2月9日の時点で1万2349人のワクチン接種が行われました。
そのうち947人に生じた有害事象(アナフィラキシー反応の疑い、倦怠感、息切れ、頭痛や胸痛)を有する患者に対してバイタルサインの監視を行いました。
ワクチン接種後数分以内にⅢ度高血圧が認められたのが9人、年齢の中央値は73歳。9人中8人は高血圧の既往あり、ほとんどが降圧治療を受けていました。
Ⅲ度高血圧とは、収縮期血圧が180mmHg以上、かつ/または拡張期血圧が110mmHg以上です。
全ての患者が回復したものの、第三次センターの救急部で最大数時間の監視を必要しました。
一部の高血圧患者では、ワクチン後に症状を伴って血圧が上昇する可能性があり、その原因は痛みや白衣などによるストレスと考えられます。
ワクチンに含まれる添加物については、可能性が低いことが言及されています。
mRNAワクチンに伴う高血圧についての報告は少なく、そのメカニズムの解明にはさらなるデータが必要ということです。
ただ今回のデータでわかることは、高血圧の既往や、過去に重大な心血管疾患を患ったことのある高齢者においては、ワクチン接種前の血圧の管理と、接種後に症状があった場合には血圧などバイタルサインの監視が必要であるということです。
詳しくは医学雑誌検索サイトなどでご覧いただけます。
私の考えとしては・・・・
私のように高血圧の既往がない中年でも、突発的な血圧上昇が生じる場合があります。
高血圧の治療中の方は、尚のこと、いつも通りに事前に薬を飲んで、血圧を測っておきましょう。
ワクチン接種会場は、初めていく場所であったり、初対面の医師や看護師などが常駐します。
また感染予防のため、私語は禁止です。とても緊張しやすい雰囲気です。
雰囲気に影響されやすい方は、ご自分でリラックスできるツールをご用意された方がいいかもしれません。
ご家族に会場まで一緒に行くことや、迎えに来てもらうことなどもよいと思います。
可能ならば、かかりつけ医での接種が望ましいと思います。
接種後にいつもと違う症状があったら、その場にいる医療従事者などに声をかけることが大切だと思います。
また帰宅された後には、数時間は無理せずに血圧を測定し、飲酒などは避けた方がいいかもしれません。
皆様が安全に安心してワクチン接種が出来ますように…
私の2回目の接種は6月6日(日)、気合を入れ過ぎないように、また家族の付き添いで行ってきます
6月7日(月)は休診の予定です、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。