○基本情報
企画: 1999年当初 「株式会社ムラヤマ」(東京ディズニーランド・シー、サンリオピューロランド等の造型演出)
◎1999年~2002年 初代「戦慄迷宮」シリーズ
○1999年7月「戦慄の閉鎖病棟」
プレショーは「テレビ局のスタッフ」がかつて残虐な事件が起こり閉鎖された廃病院を取材する内容。内部に潜入すると、スタッフが次々怪現象に襲われ、最後1人女子アナウンサーが残る。そして彼女が何かに気付き、悲鳴をあげたところで映像は終わります。それに合わせ、天井から人形が降ってくる(この仕掛けは2003年~「超・戦慄迷宮」にも当初引き継がれました)。
【館内解説】建物は中央に「螺旋階段」があり、それを中心に3方に広がる構造。1階から4階まで全て使用していました。入口は1階で、「プレショー」を見た後、中央「螺旋階段」で3階へ。3階の(見取り図上)右側を進み、建物端の階段で4階へ。そして4階の右側を通り3階へ、3階では(先ほど使わなかった)左側を通ります。そしてここで「分岐点」があり、階段を上がって「4階」か「下がって2階」かを選択。正解のルートは「2階へ下がる」で、4階へ上がってしまうと上記の「右側→3階へ」地点に戻されてしまう。2階では左側から進み、中央部分で再び「上側」か「右側」を選ぶ分岐点。正解は「右側」で上側に行くと再び3階に行ってしまう。正解の右側ルートを進むと1階に下がり、1階の左側(入口側)まで進みます。そして最後の部屋「霊安室」、その前にこれまで持っていた「ペンライト」を回収されます。「霊安室」では、端からお化け(アクター)が飛び出してくるのを合図に、ベッドの死体が次々次々起き出すという、凄まじい演出であったとのこと。(ベッドの死体はさすがに一部は機械か?いや、全部アクターだったら本当に凄いな…。)
・バージョンの変化
現在の「戦慄迷宮」と同様、営業中に数回内容を変えていました。上記の「分岐点」が登場(当初は1箇所だったらしい?)。
・2001年 「戦慄迷宮」に名称変更
これは「閉鎖病棟」というのが一般的に「精神病棟」を示し、悪印象を与える恐れがあるので名称変更を求める抗議があったから、と言われています。
この頃までに戦慄迷宮が前述のよう「世界一長いお化け屋敷」としてギネスブックに認定され、それを記念したリニューアル。ルート上に11ヶ所程?「扉」を設置。分岐点にも扉があるため、脱出できるか戻されるか「運命」を委ねる、という演出。さらに、分岐点自体も1箇所増え、全2ヵ所になったらしい。
舞台は老舗ホテル「ドンライハ」(元ネタはハイランドの逆読み)。このホテルは十数年前、理由の告知もなく突如閉鎖されてしまった。その原因は、ホテルに持ち込まれたある「植物」であるという。普通の植物の中に、ある研究所で極秘開発された「新種の植物」が紛れ込んでいて、信じられない事にその植物がホテル内の従業員・宿泊客を襲ったのだとか…。プレショーでは上記の経緯が語られ、またこの設定に則って後半「異様に繁殖した植物の合間」を進むシーンがあったとのこと。
「戦慄迷宮」引っ越しました。お化けが増えて増え過ぎちゃってさ。収まり切らなくなったから引っ越しました。新しい建物は、ロッキースライダー(当時、現「ナガシマスカ」)横です。遊びにきてね。
○2003年7月「超・戦慄迷宮」
当初は廃墟の規模を出すためかルートをきちっと封鎖して作っておらず、物を置いて道を作ってたり廊下は「緊急時以外は通り抜け禁止」と書かれた看板だけで対応してたりしてました。「ルート分岐」があった模様。
病院の中に入ると、まず待合室に通され、ここでスタッフより口頭で注意事項を聞きます。その次の部屋で映像にて注意事項とストーリーを見るプレショーへ。
・本編構成
病室の前にスタッフがおり、3つくらいある病室から1つ指定されます。病室毎に多少演出が異なってたようで、自分の時は連れが「何も起こらなかった」のに対し、私の入った病室では「執刀医(アクター)が潜んでいて、部屋の外までしつこく追いかけられる」展開でした。部屋を出た先に、同行者と合流する待合所があります。
近くにある途中退出口には「ここから距離は残り半分、恐怖は2倍程度です。」とユーモラスな一文が。
「手術室」→「ルート分岐」間違えると手術室まで戻る?→「遺体保管場所」→「倉庫」→「機械室」→「食堂」等と続きます。食堂には最後の途中退出口があり、看板には「警告:これより先途中退出口はありません もう手加減は止めだ。脱出するなら今だ!」と書かれている。
その先の「ナースステーション」に案内スタッフがおり、ここでペンライトを返却。そして1組ずつ交互に左右のルートへ案内されます。そう、初期の超·戦慄迷宮は後半ルートが2つに分かれたのでした。
自分が行ったのは右ルート、廊下をしばらく進んだあと、「牢屋」がある部屋に。牢屋にはアクターが潜んでおり最初は動かず人形の振りをしてますが、通り過ぎると襲いかかってくる。そして最後は牢屋の鍵をこじ開けて出てくるというおまけ付き。
その先はあまり覚えてないのですが、たしか臓器保管庫とか殺伐とした場所を進んだと思います。
最後の部屋は「死体袋が積まれた部屋」。現在と同じく入口は自動ドアで間隔をあけて案内される。
外からの光で結構明るく、油断していたら目の前にゾンビみたいな亡霊が出現。動きは鈍いので通り過ぎようとすると別のゾンビが現れて出口まで追いかけられる、という最後でした。
初期のバージョンは現在のと比べると距離や所要時間こそ短いものの、様々な要素が詰まってメリハリのある構成で、またアクターも多くて脅かされ度合いも高かったので、充実した内容だったと思います。
○2004年7月「超・戦慄迷宮 病院の怪談」
今回のテーマは「病院に纏わる怪談話を体験する」というもので、前回のストーリーにもあった「臓器売買で、病院の地下室には死体置場がある」の他、様々な怪談話が設定され、演出に使われていました。でもプレショーや公式サイト等では扱っておらず、間接的な描写しかなかった(一時期待ち列内にて解説文が掲示されていました)。
・ストーリー
この慈急総合病院がまだ開業していた頃、病院内には様々な怪談話が語り継がれていた。「病院は裏で臓器密輸をしている」、「昔、屋上から飛び降り自殺をした患者がいる」、「幽霊が出る病室にはお札が貼ってある」・・・。病院が廃業になった後、周辺には大量の「カラス」が棲みついた。カラス達は院内に残された(臓器密輸の犠牲者の)遺体を食べ、数百羽にまで繁殖。そして遺体を食べて育ったため"血の味を覚えてしまった"のではないかと・・・?プレショーは下記の一言から始まる。
「これ(映像)は、この病院に入る貴方達がこれから体験するであろう内容です。お楽しみください・・・。」1組のカップルが廃墟になった病院内に入る。中には何羽ものカラスがいた。病室に入り、何気なく上の方を見るとお札が剥がれるのが見えた・・。窓の外から誰かが飛び降りたような音がした。恐怖を感じた2人は外へ出ようとするが、彼氏は包帯だらけの執刀医に捕まり、解剖された。一人残された彼女は、病院の奥へ逃げ惑う。そんな彼女に、血塗れの看護師が近づく。そして病院には、カラス達の鳴き声とペンライトだけが残った…。
リニューアル前と同じく、ここで天井から人形が降ってくる仕掛けがありました。ただ、今回はタイミングがあからさまだったのでそんなに怖くなかったかな。
ルートは全て変更となり、「新たに発見された」という設定で新しい部屋もいくつか登場します。
「(新)診察室」→「病室」→「手術室」→「備品室」→下り階段→廊下→ルート分岐「遺体安置所」or上り階段 (※上り階段を選ぶと「備品室」まで戻される)→「(新)歯科治療室」→「食堂」(ここでペンライト回収、かなり早い段階からペンライトなしに)→「臓器保管室」→「機械室」→「和室」→「救急車 待機場所」→「ロッカールーム」→「病室」、「トイレ」、「レントゲン室」(この辺の記憶はさらに曖昧)。
3つの分かれ道があり、左と真ん中はどちら「ナースステーション」まで進めるものの、右に行くと結構な距離を戻されてしまう。
「牢屋」→「長い廊下」→「院長室」→「(新)死体袋置き場」(前回の最後の部屋の一つをリニューアル)→最後の部屋「霊安室」(前回の最後の部屋とほぼ同じ演出)。
※今回のルートは、部分的に「前回のルートを逆走」するような構成になっています。
プレショーはなく、センサーを付けた人形でスタッフが口頭で説明してました。ルート自体は変更なし。最後の部屋の手前でサバイバーショットとセンサーは回収されるので、最後の部屋では従来通り亡霊に襲われます。
・2005年12月~2006年2月:「超・戦慄迷宮 禁断のルート篇」
・2006年2月~3月:「超・戦慄迷宮 二人の卒業式」
プレショーは卒業式の日、女生徒が入院していて式に出られなかった彼氏の病室へ、卒業証書を持ってお見舞いにくる。だが、病院では医師や患者が出血するまで頭を壁に打ち付けるなど、奇行が繰り広げられた。異変を感じた2人は病院から抜け出そうとするが、突然彼氏が倒れて動かなくなる。見ると彼氏は体の縦半分が「無かった」。そして女生徒の体には継ぎ接ぎがあった・・・。
映像では語られていませんが、公式サイトのストーリーによると、実は彼氏は病気で亡くなっており、彼女は彼と結ばれるため、自分と彼の体を半分ずつ縫い合わせるという禁断の儀式を行った、ということらしい。
・2006年6月頃?
確証はありませんが、映画「リング」シリーズとのタイアップでプレショーが貞子が出る「呪いのビデオ」、途中の「和室」付近?に貞子の井戸が追加、最後まで進めると「呪いのビデオテープ」が貰えるみたいなイベントがあったと思う。・2007年2月:「超・戦慄迷宮 心霊篇」
○2007年7月21日:「戦慄迷宮4.0」
大規模リニューアル。「重病患者室」や「減菌室」など新しい部屋の追加に従来の部屋も照明等の演出がパワーアップ。ペンライトが廃止されましたが、その代わり内部がかなり明るくなった(安全のため)ので、怖さ半減の声も。
・2007年10月6日~2008年2月3日:「戦慄迷宮EX. バイオハザード」
ゲーム「バイオハザード」とのコラボ。プレショーも今回用に作られ内装や音楽もゲームと同じものが使われるなど凝ってはいましたが、演出はやや微妙・・・。ハンドガンを持って亡霊(ゾンビ?)を撃ちながら長い廊下を進む、終盤は一列に並んで、迫ってくる亡霊をひたすら銃で撃つなどの演出がありました。
・2008年2月6日~4月6日:「戦慄迷宮4.0 生け贄篇」
メインは「グループで選ばれた一人”生け贄”が個室に進む」シーンの設置だが、ペンライトの復活やルート分岐の追加など、内容のアップデートも行われました。
・2008年7月19日~11月3日:「戦慄迷宮4.0 ナナシ ノ シタイ」
DSソフト「ナナシ ノ ゲエム」とのコラボ。ただしコラボ演出としては薄め。
・2008年11月8日~12月25日:「戦慄迷宮4.0特別企画 戦慄のメリークリスマス」
最初で最後?(2021年7月現在)のクリスマスバージョン。待合室の巨大クリスマスツリー(飾り付けは生首・・・)の他、館内にちょっとしたクリスマスの装飾やクリスマスソング等の演出がありました。プレショーも今回用のもので、もう自分が死んでいる事に気づいていない院長が淡々とこれから入院する患者向けの挨拶を続けていき、どんどん院長の姿が亡霊のように青白くなっていくというものでした。
・2009年2月13日~4月5日:「戦慄迷宮4.0 血まみれの身体検査篇」
○2009年7月18日:「最恐戦慄迷宮」
10周年を迎え大リニューアル。「全長900m、所要時間60分」と過去最大のスペックになった他、「CTスキャン室」や「長い廊下がもう1つ追加」など新たな部屋、そして2ヶ所の複雑なルート分岐も設定。このバージョンの時だけ、建物の外観が「白」になっていました(下記の「~禁断の旧病棟」で、再び元の茶色に戻された)。
「老朽化のため全面改修を行って再オープンしたが、何故か1年も経たずに閉鎖されてしまった病院」という設定で、プレショーは病院の日常風景を淡々を映すという異質なものでした(このバージョンでは最初の待合室のスクリーンで映像を見た)。
患者や見舞客で賑わうロビーや治療室での医師の診察など、病院の日常が映し出される。だが、病院とは生と死が入り混じる場所…。亡くなったと思われる霊なども映り込んでいるなか、病室では手足をベッドに固定され苦しむ老婆の患者が、医師や家族に見守られながら息絶える…。悲しみに暮れる家族の上には、その老婆(の霊)が見下ろす姿があった。霊安室に安置されている女性の遺体に、子供が「お母さん起きてよ…」と何度も呼び掛ける。二度と応える事はないのも知らずに…。
○2011年7月9日:「最恐戦慄迷宮 -禁断の旧病棟-」
終盤に、コンクリートで意図的に隠されていたという、一層古ぼけた「旧病棟」が登場、その他ルートも精査されました。今回のプレショーは過去最高の完成度と思います。ちなみに、この頃から全長の距離や所要時間等のスペックはあまり表立って宣伝されなくなりました。
プレショーは記録映像フィルムという設定のやや粗い映像で作られていて、旧病棟で行われていた、医療とは名ばかりの「人体実験」の様子が映される。被験者達は入れ墨で腕に番号を彫られ、劣悪な環境に収容され、苦痛を伴う実験に狂わされていく、役に立たない被験者は殺されるなどが映し出された後、殺され悪霊となった彼らによる"復讐"の様子も描かれます。
○2013年7月27日:「最恐戦慄迷宮 -暗黒病棟-」
終盤に「一切の光も届かない”暗黒病棟”」が登場、ただしこの暗黒病棟はどうも”隠されていた”みたいで、普通の行き方ではたどり着けない仕様だったみたいです(自分は見つけられなかった)。富士急ハイランド公式フェイスブックによると、下記の「絶凶・戦慄迷宮」へリニューアルに伴う休止に入る最終日には特別に希望者を暗黒病棟へ招待するイベントが行われたらしい。
○2015年7月25日:「絶凶・戦慄迷宮」
名称を変えて大規模リニューアル。最初に手摺だけを頼りに進む「暗闇通路」、中盤に一時的に亡霊と一緒に閉じ込められる「監禁部屋」、最後の部屋が霊安室から「巨大人体実験室」になるなど新しい演出が追加されました。
○2017年7月16日:「絶凶・戦慄迷宮 血塗られた人骨病棟」
終盤に「人骨で作られた通路」が 登場。しかし「怖くない」と不評だったからか1年も経たないうちにリニューアルすることに・・・。
○2018年7月14日:「絶凶・戦慄迷宮 ~収容病棟篇~」
序盤と終盤を中心に、大幅なリニューアル。入口が新たに作られた「救急入口」になって最初の部屋でプレショーと同時に写真撮影も行われる、その次に新しくできた「手術室」に行く。後半はエレベーター(本物ではない)に乗って異様に涼しい「霊安室」や人骨が浮き出た「死体焼却炉」(上記の「人骨で作られた通路」の流用)、そして最後に鉄格子で通路が作られた「収容病棟」が登場します。
○2021年7月21日:「戦慄迷宮 ~慈急総合病院~」
3年ぶりのリニューアル。今回は(実は毎回言っているけど)「原点回帰」をテーマにし、全ての部屋を一新。全長900m、所要時間50分と過去最大級のスペックに。実際はそんなに大きく変わっている感じはないものの、造形物や音響などの仕掛けが追加されてより怖い雰囲気に。
今回はこれまで全国で様々なホラーイベント等を手掛ける製作会社「株式会社闇」が、企画協力や映像製作に関わっています。
なお、2022年6月11日(土)、12日(日)、25日(土)、26日(日)には、マッチングアプリサイト「タップル」とのコラボで、「お化けが通常の2倍になる」というイベントが行われていました。通常とは異なり株式会社怖がらせ隊の方がお化けアクターに参加していたなど、数だけでなく怖さも格段にアップしていた仕様になっていたみたいです。
〇2024年7月20日:「戦慄迷宮 ~闇に蠢く病棟」
圧倒的にリアルな廃病院、没入<イマーシブ>体験をコンセプトに、過去最大規模のリニューアル。