《ブラジル》連邦議会が22年度予算案承認=選挙基金を18年の約3倍に=ブラジル日報速報版より | 私たちの50年!!

私たちの50年!!

1962年5月にサントス港に着いたあるぜんちな丸第12次航の同船者仲間681人の移住先国への定着の過程を書き残すのが目的です。

《ブラジル》連邦議会が22年度予算案承認=選挙基金を18年の約3倍に=報告官割当金で反対起こるも ブラジル日報速報版より

21日の連邦議会(Waldemir Barreto/Agencia Brasil)

 

 21日、下院と上院が2022年度予算案を正式に承認した。これにより、選挙基金や報告官割当金に約210億レアルを割くことが可能になるなど、与党側が望んだ通りの結果となった。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
 22日の審議では、下院が358票対97票、上院も51票対20票で予算案を承認した。これで下院、上院共に1月末までの休会期間に入る。
 承認された予算案では、保健関係費に1477億レアル、教育費に1134億レアル、アウシリオ・ブラジルに890・6億レアル、報告官の裁量で使える割当金に165億レアル、選挙基金に49・3億レアル、新型コロナのワクチン購入費に39億レアル、国勢調査に22・9億レアル、ガス代高騰を受けた貧困家庭支援策「ヴァーレ・ガス」に19億レアル、連邦警察や道路警察、連邦刑務所職員の給与調整に17億レアル、保健や疫病対策の従事者への最低給与額調整に8億レアルが割かれる。
 投票直前まで論が割れたのは、選挙基金の49・3億レアルだ。これは前回の統一選挙年の2018年に割かれた17億レアルの3倍近い。政府案での選挙基金は21億レアルだったが、今月に入って大統領が行使した拒否権を議会が否定したが、今回逆に57億レアルへ拡大された。
 だが、大幅引き上げで反対意見が強まったため、ウゴ・レアル報告官(社会民主党・PSD)が51億レアルに下げたが、予算案審議の合同委員会で合意に至らず、47億レアルまで下がった後、49・3億レアルで落ち着いた。

 さらに、連邦政府が是が非でも通したい法案対策で使い、その不透明性から「秘密予算」と揶揄され、批判の対象ともなっていた報告官割当金の165億レアルが物議を醸した。
 報告官割当金は、11月に下院がプレカトリオ(裁判所が支払いを命じた賠償金など)の支払いに関する憲法補足法案(PEC)を審議する直前にも10億レアルの払い出しが認められており、「賄賂のようだ」と指摘されたため、最高裁に支払いを差し止められた。その後、「年間の支払い額の上限」を定める法案が出されたことで支払いが解除された、いわくつき予算だ。
 報告官割当金や議員割当金は、連邦議員が自身の選出区での事業費に使うなど、選挙対策費的な意味合いも強い。だが、用途が不透明で、社会主義自由党(PSOL)、ブラジル共産党(PCdoB)、ノーヴォ、ポデモスなどが難色を示し、予算案への反対票の最大の理由となった。
 また、新社会保障プログラム「アウシリオ・ブラジル」で1700万世帯に平均400レアルを支給するための予算は890・6億レアルとなった。前身のボウサ・ファミリアの予算は346・7億レアルだった。
 承認された支出総額は4兆8200億レアルで、1兆8800億レアルは公的債務の借り換えに使われる。また、最低賃金は現行の1100レアルから1210レアルに上がる。