めずらしくドラマを視聴した。
「コントが始まる」という、菅田将暉と有村架純主演のドラマだ。
第一回を観てしまって、以降どんどんと引き込まれてしまった。
なかなか良かったので、その感想を少し。
【以下、ネタバレ満載です】
1.マクベスのコントが絶妙につまらない
脚本家の金子茂樹が意図的に「イマイチつまらない」コントにしているなら、ある意味すごいと思う。
確かにこのクオリティのコントなら、オーデションで落選続きというのはわかる。
反面、一部のコアなファンがいそうな、そんなレベル感のコントなのである。
「マクベス」のネーミングセンスも、そういう意味で絶妙な売れなさそうな名前だ。
2.菅田将暉と有村架純がくっつかない
有村架純が演じる中浜里穂子は、マクベスのコントで人生を“救われた”人物で、熱心なマクベスファンだ。
第一回の雰囲気では、菅田将暉と「あ~、この二人はきっと結ばれるなあ」という予感で一杯だったが、物語は淡々と進み、一回も恋愛的な展開もなく最終回を迎えてしまった。
これは正直すごく意外で、“裏をかかれた”という感じで印象的。脚本の妙とも言える。
3.有村架純と古川琴音 中浜姉妹の違和感
これはしょうがないのだろうが、物語の主要登場人物:中浜姉妹の、姉(有村)は恋愛的発展がない役柄で、妹(古川)がスナックで働いたり神木隆之介と結ばれたりと恋愛キャラになっている。
が、観ている側としては、すごくこれ不自然。
有村は美人女優なので、あんな娘が近くにいたら言い寄られまくるのが必定だろう。
半面、古川は少なくても美人ではないので、恋愛と関係ない役柄がハマる。
なので、違和感を払拭するために、この姉妹は演者を逆にして欲しいと感じた・・・・無理だろうけど。
【古川琴音】
4.結局解散するマクベス
物語はマクベスを解散することにしたメンバーが、途中やっぱり解散しない方向になった後、再度解散を決意する。
ドラマタイトルが「コントが始まる」なので、結局最終回は解散せずに終わる、もしくはコントトリオが再結成される予感がしていた。
しかし、物語は淡々と進んで解散して最終回を迎える。これもまた意外で“裏をかかれた”満載だった。
5.伏線回収が小気味いい
物語は伏線回収が多く、そのサイクルも短いので小気味いい。
コントのネタの「水がメロンソーダになる」も、早々に伏線が回収(有村が食品会社で粉末ソーダを売っていた)されてすぐ納得感を感じられた、このテンポが終始続いた。
そして最後、マクベスが解散し、仲野が実家の酒屋を継ぎ、神木が海外に冒険しにいくのに対し、菅田が水道トラブルの修理人になるという、最初のコントの「伏線回収」で終わる様がいい。
6.教訓じみたものがない、それがいい
売れないコントトリオを10年やった3人と、中浜姉妹の5人が、それぞれ自分の新たな道を見つける話で、正直それ以上でもそれ以下でもない。
人生の選択についての教訓もテーマも打ち出しているわけでもなく、物語は淡々と進み、そして淡々と終わりを迎えた。
例えばマクベスのメンバーである仲野は、恋人の芳根京子と結婚まで至らずに物語が終わるし、本当に意外性がないのが意外な点だ。
そこがとても好感が持てた。
最後に、このドラマを観るきっかけを・・・・
テレビ番組に出てた「米倉れいあ」が可愛くて、このドラマに出ているので「どんな感じかな」と第一話を観たのがきっかけ。米倉はちょい役でほとんど出演はなかったのだが、ドラマ自体が面白くて引き込まれてしまった。これもまた縁だ。
そんな感じ、良いドラマでした。