窪川町防空監視哨(聴音壕/集音壕)
高知県高岡郡四万十町仁井田付近
昭和16年に対空監視強化のため防空監視隊令が公布され、都道府県は防空計画を策定した。監視総本部を県庁に、防空監視隊本部を主要都市に置いた。その下部組織として域内に防空監視哨を設け、地域から選抜された哨員により監視を行った。つまり陸海軍直轄の防空監視小ではない。
戦時中、24時間3交代制。1班5人編成で分担制。
地域差はあるが分担は、日中は2名が双眼鏡で空を監視(夜間は1名)、2〜3名は聴音壕内で飛行機の音を聴き飛んでいる方向や機種を判断、1名は通信士、とのこと。通信士はキャッチした情報を本部(地域の監視隊本部=県警の管轄)に伝えた。
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仁井田小学校から県道324号に入る。
舗装道だが道幅は狭い。
河原越隧道の手前に林道があり、ここから登っていく。
林道は車両立入禁止。
2本目の左折路を左斜め手前に曲がる
林道の終点から直登りする
お印は白いテープだが見つけにくい。
同じような木立なので自分で目印をつけていく。
まもなく山頂
到着(・∀・)
聴音壕
直径約3.5メートル、深さ約2メートル
レンガ積み(基礎部はコンクリート)モルタル仕上げ
最上部は集音しやすいようにラッパ状に開いている。
内部は腰掛けるためのコンクリート台が4つ、鉄製の梯子があるのみ。
往時は聴音壕の周囲を盛り土し、壕内には壕内の梯子で出入りをした。
何本かの柱で支えた建て茅葺きの上屋があった。
戦後、剥き出しになった防空監視哨(聴音壕/集音壕)
最上部は集音しやすいようにラッパ状に開いているが、そのラッパの部分が半分ほど滑落している、残念!
哨員は尋常高等小学校の卒業者の中から、特に聴覚と視力の良い男女が選ばれた。機種の判別は手引き書、音による機種の判別(戦闘機や爆撃機等の区別)は録音されたレコードで学んだ。哨員は慣れてくるとほぼ的中した、とのこと。
壕内は様々な音が遮られ、飛行機の爆音が増幅されて聞こえやすかったようだ。
壕の内側下部に、貼り付けられた煉瓦が現存している。椅子は土砂や落ち葉などの堆積でうまっているのか?見当たらず。
聴音壕/集音壕の周辺をみると、割れた瓦が散乱している。
見張小屋があったのだろう。
見張小屋?は聴音壕/集音壕から1段下がった場所にある。
では、最後にもういちど、聴音壕/集音壕をみて山を下ります!
終わり
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軍部の聴音機はマジ、優れもの!
こちらは海軍の照聴所に設置された。
最大追聴距離15,000m/最大補聴距離10,000m
出典:工藤洋三『徳山要港防備図でたどる周南の戦争遺跡』P.28から抜粋
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