【受験心療内科】落ち込む受験生の脳がカラオケで復活!脳医学の法則とは?
落ち込んだ気持ちを引きずると脳の扁桃体が思考力を奪う!
模擬試験や定期テストで悪い成績を取ったら、ふさぎ込むのは当然です。
ましてや、入試に落ちたら、落ち込む感情は極限に達します。
でも、ネガティブな感情をいつまでも引きずっていたら、脳の扁桃体が過剰反応をする癖がつきます。
そうすると、脳の前頭前野が機能低下を起こし、思考力が奪われてしまうのです。
こうした現象が、うつ病で起こることは以前からわかっていました。
さらに最近の研究で、不運な出来事を経験することによるネガティブな感情でも、同じことが起きることが解明されたのです。
そこで、今日のブログでは、脳医学の研究に基づき、落ち込んだ気持ちを短い時間で立ち直らせる方法をご紹介しましょう。
私のクリニックのホームページに「立ち直る方法」というページがあり、その中から、今日は、カラオケを利用した方法をご紹介します。
カラオケで落ち込んだ気持ちを立て直す脳医学の秘訣とは?
入試に落ちた場合も、あるいは、模擬テストで思いもかけず悪い点数をとった場合も、30分限定で、自己陶酔しながらカラオケを歌いまくることがおすすめです。
その時、メンタルと脳をより効率よく復活させるためのポイントは、こちらです!
まず、おさえておきたい大事なポイントは、歌をうたうこと自体に、ストレスホルモンのコルチゾールを低下させる性質があることが実験で証明されているということです。
そもそも、なぜ、人間は歌をうたうのか?
その理由は、ストレス対策が、少なくとも重大な目的の一つだったのは確かです。
さらに、軽くうたうより、熱唱するほうが、この効果はより高まることも、実験で確認されています。
好きな歌を熱唱すると、なんとも言えない陶酔感がありますよね。
これは、脳内でオピオイドと呼ばれる麻酔薬に似た成分が増えるためです。
オピオイドには心が傷つくことによる脳の神経回路のダメージを回復させる効果があります。
やはり、落ち込んだ受験生の脳には望ましい効果を発揮してくれるわけです。
また、同じ理由で、目を閉じて歌うと、感情をリセットする効果が高まることもわかっています。
カラオケの制限時間が脳への効果を高める!
これに加えて受験生にとってとても重要なのが、あらかじめ、カラオケを楽しむ制限時間を設けておくことです。
もちろん、いくらカラオケが脳に良い作用をするといっても、ダラダラ時間を費やしてしまうと、受験勉強の妨げになるのは、言うまでもないことです。
ただし、私が心療内科医としてお伝えしたいのは、制限時間をあらかじめ設定しておいたほうが、ネガティブなメンタルを回復させる効果が、より高まるということです。
制限時間を決めたからカラオケを始めると、脳は無意識の領域で感情の切り替えを行う準備を進めます。
そのため、カラオケを歌い終わった後、より一層、ネガティブな感情から切り替えやすくなるのです。
カラオケの脳への効果は30分がベストである理由とは?
脳の効果について、ベストは30分です。
カラオケを始めると、10分が経過したくらいから、落ち込んだ心を立て直す効果が徐々に出始め、30分が経過するとかなりの水準に達します。
実際、30分ほどで、ストレスホルモンのリセットができるというデータが出ています。
それ以降もカラオケを続けると、効果はさらに上がるには上がるのですが、時間あたりの効果の上積みについては、かなり小さくなってきます。
だから、時間効率を考えると、30分がベストです。
その点で、多くのカラオケ店が30分の料金設定をしており、店の料金が制限時間を設けてくれるわけですから、ズルズルいかず、いいですね。
落ち込んだあとに心が立ち直るメンタル医学!
落ち込んでいる受験生の脳を復活させる方法については、カラオケも含め、ご自分で簡単にできる方法をクリニックのホームページに掲載している「落ちた後、立ち直るためのメンタル医学」というページで詳しく解説しています。
このブログでも、冒頭の部分をご紹介します。
少しでも心当たりのある方は、ぜひ、ホームページの解説文を読んでください。
このページの要点は?
✓ 落ち込んだ感情を立て直す精神力を、メンタル医学ではレジリエンスといいます。入試に落ちた後、あるいは、模擬テストで悪い成績をとった後、レジリエンスを高めて早期に次のチャレンジに臨めるようになる、ご家庭で簡単に実践できる方法をご紹介します。
✓ 30分限定で家族全員で一緒に号泣すれば、ストレスホルモンが効率よく体外へ排出され、次の試験を頑張るという前向きな意欲がよみがえります。
✓ 目を閉じてカラオケを熱唱すると脳内で自己陶酔が起き、ネガティブな感情をリセットする効果が働きます。
✓ 電車に乗って窓から外を眺めると、目玉が右左に動きますが、これがPTSDの治療で行われているEMDRとよく似た作用をもたらし、心のリセットに役立ちます。
✓ 扁桃体の過剰な暴走を防ぎ、脳内で理性を司る前頭前野の機能を高めるメンタル医学による治療を行うと、より早期に立ち直り、健全なチャレンジ精神を取り戻して次回の入試の合格率を飛躍的に高めるのに役立ちます。
東京大学 本郷キャンパス 赤門正面
本郷赤門前クリニック
ポイント!
入試に落ちた直後に、メンタル面をどう立て直すかは、とても重要です。
うまく立ち直れば、次の試験で良い点数を取れるうえに、逆境に強い精神力が育まれるので、一生の宝となります。
逆に、ネガティブな感情をこじらせてしまうと、一生、頑張れない人間になってしまいます。
落ち込んだ感情を立て直すことができる精神力をメンタル医学ではレジリエンスといいます。
レジリエンスを高め、早期に次のチャレンジに臨めるようになる、ご家庭で簡単に実践できる方法をご紹介します。
ポイント!
家族全員で号泣し、涙と一緒にストレスホルモンを体外へ捨てる!
我慢をせずに、思いっきり泣くと、ちょっとすっきりした気分になりますよね。
これは、涙とともにコルチゾールというストレスホルモンが、涙と一緒に体外に捨てられるからです。
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