1950年代アメリカのアイダホ。小麦畑の田舎町が舞台。
8歳の少年セスがイギリスから来た未亡人ドルフィンに
ふくらましたカエルを殺して脅かす悪戯をしている。
破裂したカエルの血しぶきを全身に浴びてしまうドルフィン。
のんびりした風景と無邪気さでグロテスクさが一層増している。
未亡人ドルフィン宅にてセス君、
サメの歯など異様なインテリアにおののいています。
モリを土産?に怖さのあまり飛び出しているセス君。
麦畑を刈っただけの道にインパクトがある。
セスの友人イーブンの殺人容疑をかけられたセスの父親。
スタンドのガソリンを飲んで(うっとします)火をつけて自殺してしまう。
保安官、亀に食いちぎられた手、犬に噛まれた耳、蜂に刺された目と
まるで、デビット・リンチの世界から来た人みたいです。
どうやったら、こんなに小屋を傾けられるのでしょうかね?
と、この小屋にもう一人の友人キムが遺体となって隠されていたのです。
戦争から帰って来たセスの兄。未亡人のドルフィンと恋に落ちる。
郷愁感が黄金色の光に満ちている心地がしますね。
町へ出かけたドルフィンが、麦畑で遺体となって発見される。
生理的な嫌悪感を美しい風景でやや幻想的に描いていても
グロテスク感が拭えない映画だ。
少年の叫びで終わるけど、観客も叫びたい気持ちです。