読書関連文「危ない中国 点撃!」in北京 | みどりの果敢な北京生活

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11月12日。最高気温17度。最低気温6度。空気質量指数152。

 吉永小百合ファンを「サユリスト」と言うが、「カオリスト」っていう人達もたくさん存在するはずだ。

 産経記者の福島香織さんのブログ本「危ない中国 点撃!」を読み終えた。ここ数日バスに乗っても読んでいたんだけど、何度も「ぷっ」と噴き出しそうになった(笑えるのはすべて福島さんのツッコミ)。日本なら電車で本を読んでいる人はたくさんいるよね。北京のバスで本読んでる人なんて私だけだよ。そしてときどき顔が笑って、相当怪しい。福島さんのせいだ!

 そのタイトルの「危ない」内容は食が大方を占めるが、こんなことが書いてある。


・ホルモン剤を含んだ児童食品のせいで7歳で月経がある女の子、6歳でひげが生えている男の子もいる。
・避妊薬を魚のエサにしている。
・ホルモン剤汚染食品のせいで、50年後に広東人(←水産物をよく食べる)は子供を産めなくなる!?

・密造塩(専売制なので、政府に内緒で作る塩)・ニセ塩(工業塩)

・豚肉を美しいピンク色にする痩肉精。見た目は食欲をそそるが、食べたら身体が震え、めまいや吐き気など中毒症を起こす危険性がある。
・人工鶏卵・人工フカヒレ・ニセモノ蜂蜜・ニセ醤油(毛髪が原料)・毒米・ニセ牛乳(革靴が原料)

・地溝油(工場などの排水溝、下水溝にたまった油を集めて精製した安物の食用油脂)をインスタントラーメンに使っているものがある。

・13億人口のうち、三流グルメの金持ちが1~2割だとしても、日本人口よりははるかに多い。上海蟹を含む、エビ、カニなど高級魚介類市場を満足させるだけの供給量は、かなり無茶な過密な養殖法でないと間に合わない。こういう状況だと寄生虫汚染が広がりやすいのだが、これが危険だ!と騒ぐと、今度は抗生物質や殺虫剤をがんがん使う傾向になる。

・レストランのタダのお茶(俗称「ゴミ茶」)はキロあたり10元以下の超低品質茶っぱが使われ、残留農薬、殺虫剤まみれ、雑菌まみれ。

・油条。広東省深セン市当局の抜き打ち検査で、衛生省が許可するレストランで売られていた油条の85%から、最高基準値の19倍(平均4.43倍)のアルミニウムが検出された。子供に長期間食べさせると大脳の発育に影響があるし、妊婦さんが食べれば胎児への発育に影響がある。

・「毒菜」は国内ではまだ流通している。
・毒菜は農薬のせいだけではない。農薬より怖いのが化学肥料汚染野菜だ。農薬はよく洗えばなんとかなるが、化学肥料は、野菜の内部に毒が浸透する。化学肥料の過剰使用は、土地を窒素過多にする。
・ニセ農薬・ニセ肥料

・パナマの咳止めシロップ事件(パナマで中国製咳止めを飲み、推定360人以上の子どもが中毒死した事件)後、初の記者会見で……。
 輸出食品安全局の李元平局長の最後の弁――「中国政府は高度に食品安全を重視しています。すでによい仕事ぶりをみせて、世界各国の消費者の安全保障を担っています。同時にいいたい、食品安全に100%はない!飛行機は安全な乗り物だが、時には墜落するのだ」。
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 福島さんのツッコミ――「あなた、飛行機だって墜落することくらいあるわな、と開き直る航空会社の飛行機に誰が乗りますか?」


 以上、211頁ある食の部分を私なりに抜粋してみた。

 たとえばこの本を読んで「中国の食品は恐ろしい」という感想を持つ。それはわかる。でもでも!「中国の食品は危ない」という報道を見て、「数年前中国に旅行したことがあります。大丈夫だったんでしょうか」なんていうコメントがどこかにあった。数年前に数日間中国にいただけで、今頃何かあるのかよ!
 悪かったな!私は15年以上住んでいるよ!日常生活がこの本どおりだったら、私はとっくに死んでるよ!


 さて私自身、実は食については無頓着だった。が、初めて妊娠してから、お腹に生命が宿るというのは責任重大だからと、かなり気をつけるようになった。さらにダンボール肉まん事件後、もっと気をつけるようになった。具体的には私がダンボール肉まん事件について書いた記事に対する皆様のコメントを読んで、深刻さを真摯に受け止め始めた。
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http://blogs.yahoo.co.jp/yorinotorimidori/50966024.html
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 この8月の私の記事のコメント欄を見てほしい。あまりにも皆気をつけることがわかって、「私このままじゃダメじゃん!」と危機感を感じた。マジ、私にとってこの記事のコメントは契機となった。特に子どもに対しては、もっともっと気をつけないと――と気を引き締めた。

 私がどう変わったかというと……。
1. 有機野菜をたびたび買うようになった。
2. 農村でモノを買わないことにした。
3. 安そうな食堂には入らないことにした。


 ニセの牛乳、塩、砂糖。こういうのは北京市内の大型スーパーならまず心配はないと思う。うちの場合、郊外にもセカンドハウス(ダンナにとってはファーストハウス?)があって、思いっきり農村の中にある。そんな過疎なところにもスーパーマーケットは存在するんだけど、売っているものは絶対怪しい。農村の青空市場に醤油、酢、ゴマ油など調味料が売っていて、舅や姑はそんなところで買うこともある。これからは何が何でも阻止!というか、私が常に市内のスーパーで買ってストックしておけばいい。これは絶対実行しようと思った。姑には長生きしてもらわないとね(ブログのネタ提供者だし)。

 それから、朝ご飯。これまで月に2回くらいは外で食べてたな。ところがこの本にはこんな記述も――「北京では、今、屋台スナックを喜んで食べるのは、お上りさんか外国人、あるいは出稼ぎ農民なんていわれているのだ」。

 この場合の外国人とは私のように長期滞在している外国人ではなく、旅行などで来る中国に無知な外国人のことだ。わかりました。私、もう朝食、外で食べません!私の言う朝食とは朝だけ出ている屋台。レストランを朝だけ借りて営業しているところも結構あるが、食器をどのくらい洗っているのか心配だし、このブログ本読んだら、どんな油を使っているかが一番こわいなと思った。

 とにかくニセモノを体に入れないように十分気を配りたい。


 この本の内容はハッキリ言ってネットで読めるが、本だと「○んこ」なんていう記述が削除されているので比較すると面白い(?)。10月末に出たばかりで、もう増刷決定。さすが、カオリ様。

 カオリ様がこれだけ書いても拘束されないんだから、この国も着実に進歩していると思う。でも「記者会見で手を挙げても指されない」って書いてあった。こういう本出してたら、これからも指されないのでは?

 本は本人にいただいたので、こうやって宣伝しないとね。いや、そうじゃなくても、心よりお薦めします!

本は→「危ない中国 点撃!」/福島香織/産経新聞出版
ブログは→http://fukushimak.iza.ne.jp/ 


おまけ:「点撃」はクリックダブルクリックは「双撃」。