勉強熱心な日本語教師、LT会に集う。 | 管理職日本語教師の、相当深~いつぶやき。

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私たちの可能性は、こんなもんじゃない。

2016.5.28 東京の高井戸で、有志の日本語教師によるプチ発表会、LT会が開催されました。


これは、東京三立学院の及川先生が主催されて半年に1回開かれているもので、もう今回で7回目の開催となりました。

回を追うごとに盛況になり、今回が75名の参加、13組の発表となりました。


LT会の発表は、一人持ち時間5分(又は10分)で、自分が普段日本語学校で、日本語教師の仕事をしていて気付いたこと、感じたこと、取り組んだこと、調べたこと、これからやりたいこと、等をパワーポイントを使って発表します。


発表後、その発表を聞いた参加者は、あらかじめ用意されているその発表者へのFB用紙に、プラスのFB(良かったこと)を5分で書きます(無記名です)。

それは後程、発表者の番号ごとに回収されて、発表者の元に届けられます。


それではここで、ちょっと今回の発表のテーマと、私の余計なプチ感想をご紹介しましょう。


ソトに行こう! ~あなたのよこ糸を広げるために~

 外部のいろいろな研究会のご紹介のご発表でした。「あぁ、勉強したい。研究会に行かなきゃ。」「へぇ、こんな研究会があるんだ。行ってみたい」と、いろいろ勉強したいという気持ちを刺激して頂きました。


やる気をそっと後押し ~継続的な振り返りの試み~

話す授業で、学生に振りかえりシートを書かせる取り組みのご発表でした。ただ学生に話をさせるではなく、こうやって振り返って書かせることによって、学生の意識が変わって発話にも変化が出てくるのが面白いですよね。


1分間で話そう

1分間スピーチの取り組みのご発表でした。話したいことを短くまとめて、しかも相手に分かりやすく興味を持って聞いてっもらえるように話すのって、難しいですが学生にはいいトレーニングになりますよね。



「一文読解」は読み解く力のトレーニング

ご発表の中の「一文」、全て発表された先生のオリジナルということですが、これ絶対本にして出版して頂きたいです。いろいろなテキストの長文や、検定の問題の中の長文に、こういう「『一文」が出てきたときに、思い出したように解説するのと違って、こうやって取り出してあると、まさに「特訓」という感じで数がこなせていいですよね。


日本語教師であるということ ~考え続ける教師でいるために~

深い!このご発表を聞けただけで、今日来た甲斐がありました。「留学生は猫の手じゃない。」のところは、思わず立ち上がって「ブラボー!」と叫びたくなりました。まさに私たち日本語学校の日本語教師の本質を問うてる内容だと思いました。


日本語教師が流行歌に触れる時

いや~最近の歌って、全然聞かないので全然知らないんですが、「日本語教師である以上、感性は鈍らせたくない、日本の若者と同世代である留学生の感性に共感したい。」というところは、なるほど、と思いました。


間違えると怖い、-(マイナス)のFB(フィードバック)

これ、私です。ブログでも一度書いたことがあるネタを、発表用にまとめました。FB用紙に「ブログにもありましたね。」と書かれてしまいました。使いまわしのネタですみません。


レベルを超えてできること ~はなそうDAY~

レベルの違う学生同士、クラスを超えて同グループにして、会話をさせる取り組みのご発表。携帯電話を使っていいところとか、テーマがユニークなところとか、学生目線で話しやすい状況を考えておられると思いました。


私が社長です! ~社員と学ぶ日本語~

クラスをいくつかのグループに分けて、そのグループ内を会社にして、社長、部長・・と立場を決めて活動させる取り組みのご発表。受身で静かな学習者の発話を何とか促したい、という先生のご苦労が伺えました。


生活指導者の気づき

授業内容のご発表が多い中で、どの学校でも行っていて、苦労も多い生活指導のご発表。家庭訪問の様子など興味深かったです。「学生の部屋がどこか、においでわかる・・」には爆笑でした。


読書の魅力を伝える読解授業

長文を読ませるときに、どうしても文法と語彙の解説に走りやすい先生が多いのですが、読書の「魅力」を伝える、学生に読むことの楽しさを伝えるための授業は興味深かったです。私も目指したいです。


選択別クラスの学期単位での構成について ~アニメ・マンガ研究クラスを事例として~

アニメをリソースに使っての選択授業の取り組みのご発表。毎週1回、全7回の授業の中で、前半(1~4週)は鑑賞させて意見交換、後半(5~7週)は学生でグループを作らせて、好きなアニメを選んでプレゼンさせるなど盛りだくさん。日本のアニメ文化、あなどれません。アニメがきっかけで来日した学生もいるでしょうから、学生ウケする授業だと思います。


支援活動を授業にする ~安全な生活を送るために~

学生に日本で起こりうる危険を、あらかじめ教えて、危機管理を持たせる取り組みのご発表。外部から専門家を呼んで、実際に自転車のシュミレーターをつかって学生に運転させてみるなど、来日したての学生にはインパクトがあったと思います。犯罪、交通ルール、自身、病気など、いろいろ危険が潜む留学生活。「日本は安全ですから」と言っている留学生の危機管理能力を育てるためにも、自国との安全管理の違いを認識させるためにも大事な授業だと思いました。


いかがでしたでしょうか。


そして発表後、私の元には70枚以上のFB用紙が届いたわけです。1枚1枚しっかり読ませていただいて、勉強したいと思います。


発表を聞いていると、その学校がどんな学校で、どんな先生がいて、何をテーマに戦っているかが、少し見えてくるような気がするんです。


そして、自分の学校もこうしよう、ああしよう、逆に、こうなっちゃだめだ、こうなる前にこうしなきゃ、などの新しい構想も浮かんでくる。


また、次回発表するとしたら、なにができるだろう、それまでに1つでも形にしよう、取り組んでみよう、と、新たに挑戦する意欲も湧いてくる。


何も感じない先生、なにも新しい事なんか必要ない、新しい取り組みは面倒くさい、日々ルーチンをこなしていればいい、というお考えの先生には必要ないかもしれません。

でもこの職業にそんな先生、少ないと思うんですが。


それから、これから先生になろうと思って、今お勉強をされている、養成講座の受講生の参加者の方は、「日本語学校ってこうなんだぁ。」と日本語学校の中身が少し見えたかもしれません。

そして「やっぱりなぁ」と思われた事、「へぇ~」と驚かれた事、いろいろあって、それはそれなりにお楽しみ頂けたと思います。

これから就活されるんですから、「自分だったらこんな学校に勤めたいなぁ。」という希望みたいなものも、少し湧いてきたかもしれません。

なんとなぁく日々流されるように惰性でこの仕事をこなしている方より、希望に燃えているやる気のある方に、是非この仕事をやって頂きたいです。


ですから・・・、


心が動かなくなったら、終りですよ。


「どうせ・・・けっ!」という投げやりな気もちで、日本語教師を続けている人もいるかもしれません(特に最近多いように思うのです)。

それは、自分の学校への不満だったり、待遇への不満だったり、学生への不満だったり。


でもそれは、自分が選んでそこにいるのですから、戦うチャンスをもらったんだと思って、打開しなければ。

そのためには力も必要、知識も必要、学校や人を選ぶ目も必要。玉石混交の中から、真を見抜く目も必要。


そのためには、何か自分からつかみに行かなければ。

受け身では突破口は見つからない。

つかみに行って、探して、これだ!というものを見つけた時には、心が動くでしょう。

それには普段から、心動かす練習をしておかなければ。

でないと、せっかく日本を留学先に選んで、大金を払ってきてくれた学生に、日本語の勉強の楽しさや、日本の面白さは、伝えられないと思うんです。


別に「感動」まで行かなくても・・・「へぇ~」「何それ!」「おもしろ!」「馬鹿じゃない?」「そんなんじゃだめだよ」「いいなぁ」

いろいろ気持ちって動くでしょう。


この仕事やってて、心動かなくなったら、終りですよ。

たまにはこうやって外に出て、他の学校の様子を見て、他校の先生の取り組みに刺激を受けて、自分の学校以外の先生と交流して、心動かしましょうよ。


ね!


という事で、次回のLT会は2016年10月22日(土) 参宮橋の青少年オリンピック記念センターで行われます。


それから、主催者の東京三立学院の及川先生が、LT会の連絡用HPを作ってくださいました。

よろしければ、こちらもちらっとのぞいてみてください。


http://www.geocities.jp/oikawahomepc_0529/LThome.html



最後に・・・


前回、前々回の私のブログを見て、今回ご参加くださった方々、本当にありがとうございました。

当日、わざわざご挨拶くださり、恐縮です。

中には、夜行バスで駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。遠路はるばるありがとうございました。

また、私へのFB用紙にも「ブログ読んでます」と書いてくださった方も多く、本当に励まされました。


また、養成講座受講中の方も、ブログを見て何人かご参加くださった方がいらっしゃいました。

養成講座を受講していて、宿題とかもたくさんあるでしょうに、教案とか書くだけでも大変でしょうに、その上1日かけてLT会に参加されるとは・・・なんと勉強熱心な方々なんでしょう。頭が下がります。


そのやる気、買います!


もし養成講座を終えて、東京の日本語学校に就職をお考えなら、当校も是非候補に入れてください。

私の名刺のメルアドに、履歴書をお送りください。後日必ず面接させて頂きます。

(10月に2クラス増える予定なんで。ここでちょっと宣伝しました。失礼!)


それでは皆様、次回10月のLT会で、是非またお会いしましょう!