浴室 -84ページ目

名前はなんていったかな?

わたしが大切だったあの人の


わたしが大切だったわたしの


名前はなんていったのかな?

まだ温かいの

冷たくなるまで、大切にしても良い?


大切にしたいの

お客様、どうもありがとうございます

わたしがお客様と一緒にいるときは


どんなに楽しそうな顔をしていたとしても


頭の中では時給換算をしている


お客様の時計を見る時


お客様とお会いしてから、その瞬間から


わたしの中では時給換算のカウントダウンが始まる



でも今でもやっぱり、お客様と体を重ねることには


抵抗があるみたいで、それでお話をする時間とかが長くなって


自分で自分が単価を下げているのだけれども


お客様にとってはそれが良いみたい



わたしを見るお客様、お客様を見ないわたし


永久に交わらない平行線、笑顔だけが気だるく浮く



浮いた笑顔を集めてみても、そこにはわたしはいなくて


わたしはどこにいるの?といわれても、わたしは




彼に会いたいと思うわたし


彼からメールが来ないと彼を愛しく感じて、メールが来ると愛しさが減る


わたしは目の前にいる彼がいるのではなくて


わたしは架空の彼が好きなのかな


わたしは愛しているはずなのに、わたしのものにならない彼が好きなのかもしれない


わたしは眩しい時の中で、何を捨ててきて、何を求めているのか


会いたいと思う気持ち、会いたくないと思う気持ち


空から闇、闇から空


消えていく何かは誰もわからなくて


消えていく何かが誰かも欲しい