浴室 -107ページ目

同じ名前で呼ばれても

そこに存在するのはわたしの一部

角度を考える、お好みで

Sの時もあればMの時もあるわたしは

つまるところお客様のお望み通り



好き?俺のこと好き?



好きよ


















あなたの財力が

彼が

汗みず垂らして働いている時にわたしは

よく判らない笑みを浮かべて美味しそうに食事をして

楽しそうに会話をして足を開いて

みすぼらしい声で訳の判らないことを言えばたった数時間で彼が稼ぐ何日分の給料が入ってくる

別に彼がわたしと同じ仕事ができないとは思わないし外見的には適任だと思う

でもやらないのは自分の中の境界線なのか人の良い彼は罪悪感や抵抗感があるのか

人付合いが苦手な彼はやっていけないのか

そのどれかは知らないけれど

わたしはこの仕事を彼に勧めないように

わたしはこの仕事を辞めるつもりはない

泣いて泣いて泣いて

その先に何がある?



涙が出ない