彼が | 浴室

彼が

汗みず垂らして働いている時にわたしは

よく判らない笑みを浮かべて美味しそうに食事をして

楽しそうに会話をして足を開いて

みすぼらしい声で訳の判らないことを言えばたった数時間で彼が稼ぐ何日分の給料が入ってくる

別に彼がわたしと同じ仕事ができないとは思わないし外見的には適任だと思う

でもやらないのは自分の中の境界線なのか人の良い彼は罪悪感や抵抗感があるのか

人付合いが苦手な彼はやっていけないのか

そのどれかは知らないけれど

わたしはこの仕事を彼に勧めないように

わたしはこの仕事を辞めるつもりはない