エッセイふんわり (3) 98Apr:滞空時間/画像@琵琶湖1980年 | 容子のふんわり行きましょ

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もとトークばらの山下容子です。2000年から2015年まで『ふんわり行きましょ』というホームページを持っていました。

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ふんわり行きましょ第3回

(ひまわり32号@1998年4月)

 

*** 滞空時間 ***

 

奥さんに女装のことを話すかどうかはいろんな考え方があるんでしょうけれど、私は話さない主義です。だって、家での態度やふだんの行動が不自由になると思いません 言いたいことも言えなくなってしまう場面が出てくるような気がします。

 

それになにより、奥さんの心に波風を立てるのはかわいそうだと思います。ただ、もしバレたら、その時にはいつでも正直に説明するつもりではいますけど(*1)

 

(*1)今もバレてません。ラップトップなんか開けっ放しだし、用心深さゼロなんだけど(笑)

私の家で面白いことには、私の奥さんも私のお母さんも(*2)どちらも、お化粧もおしゃれもしない人たちなんですよね。化粧品も基礎化粧品のほかはほとんど持ってないし「服も靴もそろそろ新しいものを買ったらどう」と私が言うまで買いません。

(*2)2010年に亡くなりました。

 

飛行機のパイロット風に言えば、私の女装の滞空時間は独身時代4,800時間(6年300回/1978-84年)、結婚後2,100時間です(14年350回/1985-98年)。合わせて6,900時間(20年650回)お化粧しているわけで、どんなに考えても私の奥さんやお母さんが一生にするお化粧の回数や時間を上回っています。

 

化粧品に使ったお金も私のほうがずっと多いはず。そう思うと時々吹き出しそうになります。この調子で行くと一生の間に1万時間は女でいると思うから、私の生涯の(80年70万時間)1.5%は女なのね(*3)。可笑しい。

 

(*3)滞空時間はひまわりに書いた時の(1998年)予想を大きく上回りました。2021年現在、結婚前5千時間+結婚後2万5千時間(37年/1985-2021年)=3万時間です(4.3%)。もっと単純に考えると『週イチ容子』⇒『1÷7』⇒14%が女。こういう計算って始めると面白いのよね(笑)

 

私は家では女装しません。でも、顔を洗ったあとに女性用の無香料のローションと乳液を使うし、冬にはズボンの下にパンストを穿きますから、そこのところは『女装している』と言えるかもしれません。

 

ただ、ローションと乳液は学生時代に男性用の香料のきついものを使って顔中にはたけを作り、薬局の人から無香料のものを勧められて以来ですし、パンストをはく習慣も学生時代にスキーをやっていた時からなので、奥さんもお母さんも別に不思議とも何とも思っていません。

 

今は私も奥さんも同じコープの無香料ローション&乳液を使っています。パンストは(奥さんが穿かない人なので)容子が街で買います(男姿で買うこともあります)

奥さんの服や靴はニッセンやセシールやムトウで買うことが多いので、カタログはいつも一緒によく見ています。たまにデパートで買うこともあるけれど第1回書いたように通信販売のほうがじっくり見比べられるのでいいみたいです(*4)

 

(*4)その後、服も下着も靴もお店でふつうに買うようになりました。

 

もちろん私自身の女物の服や靴が家に届くことはありません。トークばらの山下容子が注文するのですから。

 

*** 女装者の見分け方 ***


このあいだ梅田の近くの曾根崎商店街を歩いている時に男の人に声をかけられました。あなたのような女装の人に興味があっておつき合いしたいと言うのです。一目見てすぐにわかったそうです。やっぱり見るところが違うんですね。ピンときたら、怪しいと思ったら手を見るんだと言ってました(*5)

 

(*5)ひまわりに連載していた頃は時々リードされてました(バレてました)。ひとつにはメイクが白かったからと思います第8回)。もうひとつはスーツやワンピースが多く、TPOに合わなくて目立っちゃったのでしょうね(保護色と反対)。街を歩いてたらわかるけど、観光スポットやモールでスーツ、ワンピースはあまり見ませんよね(^^)

確かに手は隠せません。私も長年女装してますから手が目立たないようにいつも気を配ってはいるんですが、目の肥えた人には勝てませんね。ただ、街でこんな人にこんなふうに声をかけられたのは初めてだったのでどぎまぎしてしまい、なんだか怖くなったこともあってお茶の誘いをおことわりしました(*6)

 

(*6)私、街で道を聞かれることが多く、月に何回もなんてこともあるけど、ナンパ()されたのはじつはこの1度きりです。だから危ない目にあったことはありません。オバさんだものね、道を聞く人は多くても声をかける男性がいないのは当然かも(笑)

 

あとからゆっくり考えたら、真っ昼間でそんなに危ないこともないはずだし、お茶ぐらいご一緒してもよかったのかなと思いました。

 

*** 今回の写真 ***

 

写真はやはり昔のものです。浜大津から琵琶湖の遊覧船ミシガンが出ていますが、5月の気持ちのいい日に乗りました。1枚はデッキで、もう1枚は船室で撮ってもらいました(*7)。この時にはストッキングが伝線してしまって、狭くて揺れる船のトイレでちょっと苦労してはき替えたことを覚えています。
 

(*7)写真を撮ってくださったのはKさんです。

 

/ミシガンクルーズ@1980年頃/
 

(1998年3月21日)

 

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