アートアクセシビリティ・グループでは、横浜美術館アートギャラリー1で「手さぐりワークショップ」を行いました。これは、目隠しをして小さな立体物を触り、それを油土で再現する造形ワークショップです。

 

 事前申し込みの方は2名でしたが、1名は欠席。しかし、呼び込み活動の成果で2家族の方に参加していただきました。お母さんと小学生の兄弟のご家族、そしてお父さんと6歳の女の子、見守り役のお母さんのご家族です。

 

 

 目隠しをしてから渡された香水の瓶や小さな置物を注意深く触ってじっくりと作る大人。目で見ることができない状態を楽しみながら、あっという間に作ってしまう小学生の兄弟。製作時間を30分くらい予定していましたが、小学生の兄弟は10分ほどで2個目に取り組み始めました。みなさん、それぞれ形の捉え方や大きさの比較を工夫して作っていました。

 

 

 製作が終わった後はみんなでふり返り。「手だけでは(ものと粘土を)比べられない」「バランスが難しい」など、さまざまな感想が出ていました。色を想像しましたかの質問では、みなさん、想像しなかったそうですが、ポスト型の貯金箱だけが色が想像できたとのことでした。

 

 

 最後は、ヨコハマトリエンナーレ2017のテーマ「島と星座とガラパゴス〜接続と孤立」に関連させて行なったワークショップであることなども話し、なごやかな雰囲気で終わりました。

 

 

 今回の「手さぐりワークショップ」は、アクセシビリティ・グループが、以前より行なっていた「真っ暗闇体験」を発展させたものですが、グループで様々な要素を検討し、ふだんあまり意識しない「さわる」という感覚の活性化を目的とした内容で、参加者のみなさんに印象的な体験を提供できたようです。

 

ハマトリーツ!アートアクセシビリティグループ 細野

 

横浜トリエンナーレサポーターの小寺です.ヨコハマトリエンナーレ2017では,来場者の方々に作品鑑賞をより楽しんでいただくため,サポーターによる作品ガイドを行っています.私もメンバーの一人として,横浜美術館と横浜赤レンガ倉庫1号館の2会場でガイド活動を実施しました.本ブログでは,それらのガイド活動の内容について,個人的な体験談を交えながらお伝えしたいと思います.

 

横浜美術館「ギャラリー・ツアー」

横浜美術館の会場では「ギャラリー・ツアー」という名称で,サポーターによる作品紹介を行っています.ギャラリー・ツアーはサポーターが2人1組になり,1人2作家ずつ(計4作家)を30分程度で案内するツアーです.サポーターひとりひとりが担当する作家(2~3作家)はあらかじめ決まっているので,サポーターの組み合わせが変わるたびにツアーで取り上げられる作家も変わる,という仕組みになっています.(私は「アイ・ウェイウェイ」,「アン・サマット」,「パオラ・ピヴィ」の3作家を選びました.) 

約3か月の会期中,私はギャラリー・ツアーを12回担当しました.土日祝の午前中の時間帯を中心に活動しましたが,休日の午前中から訪れる来場者はアート鑑賞に関心が高い方々が多く,ツアーの定員はすぐに埋まるような状況でした.実際に作品紹介をした際には,頷きながら熱心に話を聞いてくださる方々が多く,やりがいを感じる場面が数多くありました.また,「アン・サマット」の《酋長シリーズ》の作品紹介では,参加者の方々と一緒に,どんな日用品や工業製品が使われているかを探してみたり,作品の性別当てをしたりする時間を設けてみたのですが,参加者の方々が楽しげに毎回いろいろな反応を返してくださったので,私自身も話していて非常に楽しい思いをしました.ツアーを行う際は,いつも「アン・サマット」の作品紹介をすることが特に楽しみになりました.

アン・サマット《酋長シリーズ》(2016)

 

横浜赤レンガ倉庫1号館「作品前トーク」

 横浜赤レンガ倉庫1号館では「作品前トーク」という名称で,サポーターによる作品紹介を行っています.作品前トークでは,サポーターが1人で1作家を15分程度で紹介します.横浜美術館のギャラリー・ツアーは,一方的にサポーターが話すスタイルが基本ですが,作品前トークは参加者と双方向コミュニケーションをとる機会が初めから取り入れられています.トークの冒頭では,参加者に作品を鑑賞してもらう時間を少し設けた上で,参加者に作品を見た感想などを自由に発言していただく流れになっています.

 作品前トークは,午後に2回,対象作品の付近で参加者を直接募って行います.私は会期中,16回作品前トークを担当しました.私が作品前トークで選んだ作家は「照沼敦朗」だったのですが,「照沼敦朗」の作品前トークは,他の作家の作品前トークとは大きく異なる点がありました.それは,「直接作品を見ながらトークができない」という制約です.作品が比較的狭い展示室に展示されており,なおかつ部屋では音が鳴ったり照明が暗かったりしたため,展示室内では直接作品紹介ができない状況でした.そこで,①展示室の外で参加者を募る,②一度展示室の中に入り,数分間作品を鑑賞してもらう,③展示室から出てもらい,展示室の外で作品紹介をする,という流れでトークを行うことになりました.③のところでは,展示室の外で何も無しに話をずっと聞いているのは辛いだろうと思ったので,展示作品のタイトルや画像を載せた説明用のフリップを用意し,それを使いながら話をすることにしました.フリップがあるおかげで,作品に登場する「ミエテル ノゾム君」と「ミエナイ ノゾミちゃん」という名前のキャラクターの存在や,作品の中で注目してほしい具体的な場所が,視覚情報としても伝えられるようになりました.私自身にとっては非常に説明がしやすくなりましたし,参加者の方々にとってもトーク内容の理解の助けになったのではないかなと思います.私はいつもトークの最後に「ぜひ後でもう一度作品をご覧になってください」と言ってトークを終えるのですが,実際その通りに,参加者の方々の多くはトークの直後,再び作品を見に展示室に入ってくださいました.その様子を見ていると,来場者の方々に作品とじっくり向き合うきっかけを提供できたような気がして,喜ばしく思いました.

 

ガイド活動を終えて

 会期中はギャラリー・ツアーや作品前トークを行う機会をたくさんいただき,想像以上に多くの来場者の方々と作品についてお話しすることができました(1回あたりの参加者数は数名~10数名なので,トータルでは200名程度でしょうか).多数のツアーやトークを行いましたが,そのときの参加者の方々によって,ツアーやトークの雰囲気が毎回変わるような気がしたのが印象的でした.頷きながら聞いてくださる方,じっくりと落ち着いて聞いてくださる方,お連れの方と言葉を交わしながら聞いてくださる方,メモをとりながら聞いてくださる方等々….ツアーやトークで私が話していた内容はほぼ同じですが,同じことを話しても参加者の方々の様子や反応が毎回異なるので,いつも新鮮な気持ちでツアーやトークを実施していました.同じようなツアーやトークは2度となく,まるで生き物であるかのように思えました.今となっては,参加者の方々の様子や反応に応じた工夫をもう少し考えられたらよかったなぁと思っています.

また,ガイド活動中は,他のガイド活動メンバーをはじめ,いろいろな方々からのサポートをいただくことができました.作家や作品に関する情報などを教えてもらったり,自分のガイドのやり方についてフィードバックをもらったりする機会が数多くあり,ガイド活動をする上での励みになりました.

 私の拙い作品紹介で,参加していただいた方々にアートの魅力を満足に伝えられたかどうかは自信がないですが,ガイド活動で多くの方々とアート作品についてお話しできたことは,私にとっては貴重な経験になりました.ツアーやトークに参加していただいた方々,ガイド活動をサポートいただいた方々,どうもありがとうございました.

 

2017/10/31

小寺

   

 

10/21(土)日産スタジアムでのイベント「新横浜パフォーマンス2017」に出店した、ヨコハマトリエンナーレ2017の宣伝ブースでの活動に参加させて頂きました!

当日の天候は雨でした。(秋雨・秋霖・秋湿り・秋入梅?)

私は、午前中だけの参加でしたが最後まで参加されたみなさま、本当にお疲れ様でした。

 

あいにくの天候にも関わらず正直言いますと「そこそこ」のお客様が来て盛り上がりました。

多くのB級グルメのブースや、港北警察署、港北消防署のみなさんがおのおのアピールしていました。

また、地元の中学校の吹奏楽部やダンス・チアリーダーのみなさんも雨の中頑張っていました。

 

そんな中、わがブースは、幸いにも屋根がありラッキーでした。(日頃の行い・・?)

隣のブースは、群馬県昭和村のみなさんが野菜を紹介しており、思わず群馬県ということで「観光大使の中山秀さんは来ないのですか?」と質問したところ

「中山さんは県の大使なので今日は来ませんよ」とのことでした。(私も移動大使館の大使ですが。。と思いましたが言いませんでした)

警察署のミニパトカー(ホントの小さいミニですよ)に乗れたり、消防士の服を着れたりするのは子供たちや親御さんたちにも人気でした。

 

本題に入りますが・・当日は、ヨコハマトリエンナーレ2017のパンフレットを配りながら折り紙ワークショップへお誘いするという事が主でした。

配布物のひとつの「横浜STORY」の表紙の風間トオルの話題で(バブル世代同志で)盛り上がったりといろいろでした。

 

午後から参加された方にお聞きすると「缶バッジ」も100人くらいのお客様が来られたと盛況とのことでした!

やはり子供たちの笑顔はいいもんですね~子供たちが笑顔になるとその親や周りの人たちも笑顔になります。

笑顔って伝染するんですね!!

 

 

3択クイズに挑戦しながら、たのしくヨコトリや横浜の街について知っていただこうという企画「ヨコトリ検定」。ハマトリーツ!ステーションで解答していただき、採点をおこなっていますが、もうひとつの楽しみ方があるんです。 

 

 

 

 それは、”クイズを解きながら会場をまわる”こと。 

 

 「ヨコトリ検定」には、作品の素材やテーマ、作品どうしのつながりなど、作品を観る手がかりになる出題があります。 例えば初級編にあるのは、こんな3択問題。

 

「横浜美術館中央に展示されているジョコ・アヴィアントの作品『善と悪の境界はひどく縮れている』は、何から発想を得て作られた作品でしょうか?

 A...人間の身体  B...竜巻  C...しめ縄」

 

ジョコ・アヴィアント《善と悪の境界はひどく縮れている》(2017)

 

この作品のモチーフはいったい…?

作品のタイトルや形から、なにをイメージしましたか? 

 

 

 よく分からなかった作品も、3択問題から紐解いてみると新しい発見があるかもしれません。横浜赤レンガ倉庫1号館や、横浜市開港記念会館の作品に関する出題もありますよ。 

 

 

 解答したら、”ハマトリーツ!ステーション”でサポーターが採点をします。成績に応じたスタンプを押し、また、参加賞としてヨコトリ2017のステッカーも差し上げています。

 

(初級編・中級編・上級編の3種類をご用意しています。すべてのレベルに挑戦いただいてもOKです!)

 

 

「ヨコトリ検定」は横浜美術館入り口の”ハマトリーツ!ステーション”に設置しています。 観てきた作品を思い出しながらステーションで、または、作品を観ながら展示室で、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

※展示室内では鉛筆の使用をお願いします。(バインダーの貸出はしておりません、予めご了承ください。)

 

参加ご希望の方は、ハマトリーツ!ステーションのサポーターまでお気軽にお声掛けください。

 

 

ハマトリーツ!「観る・学ぶ」グループ 

 

 「ヨコハマトリエンナーレ2014」の終了後、次回2017年の展覧会スタート時に路上観察案内書を発行するという目標を掲げ、スタートした「時をかけるヨコハマ」グループの活動。約3年の活動が実を結び、このたび横浜の路上観察案内書6点を発行いたしました。 

 

 

①    変わりゆく横浜の最前線 横浜港を辿る 

②    開港の頃の一大行政拠点 野毛山を辿る 

③    苫屋の烟ちらりほらりと立てりし處 関内を辿る 

④    ヘボン博士も関係した 生麦事件を辿る 

⑤    寄り道で歴史に遭遇 山手本通りを辿る 

⑥    居留地時代の面影を探して 山手外周を辿る 

 

以上6点の路上観察案内書は、横浜らしいキーワードを地理、歴史、美術の観点から解読した、ちょっと変わった案内書です。 

横浜が地元である人にも新しい発見があり、横浜に観光に来た方はガイドブックにはない視点で楽しめることを目指して作りました。 

取り上げたキーワードは、「ブラフ」「生麦事件」「横浜道」など。さて、「ブラフ」という単語にピンと来た人はいらっしゃるでしょうか?! 

 

この路上観察案内書の特徴は、一般のガイドブックには出てこないようなキーワードを取り上げているだけではありません。 

解説面と地図面があり、地図面のルート番号を辿れば、路上観察・町歩きのオススメコースを辿れるのです!この案内書を手に横浜を歩けば、気分は「ブラ○○○」。 

 

 

 

ぜひ、実際に手にとって、そして新たな視点で街を歩いて移り行く時を感じてみてください。

時をかけるヨコハマグループのメンバーは今回の制作に当たって、何度も繰り返し四季を通じて実際に自分たちの脚で路上観察会を行ってきました。 

同じルートでも、四季や、天候や、路上観察するメンバーなどが、異なることで、毎回新たな気付き、発見がありました。 

グループの活動を始めた頃から3年がたち、その間にも街は刻々と姿を変えています。 

この路上観察案内書で紹介した場所も、もしかしたら地形も、次回の横浜トリエンナーレまでの間に変わっているかもしれません。2017年の今、路上観察を楽しみながら、過去と未来の横浜を想像しながら“時をかける”感覚を楽しんでいただけること、うけあいです。 

一冊あれば何度でも横浜を満喫することができます。一家に一冊の必需品としておすすめします。 

 

また、この路上観察案内書は「時をかけるヨコハマ」メンバーによる手作りです。 

キーワードやコースの選定、文案作成、図面レイアウト、写真やイラストの手配などなど、リーダーを中心にサポーター活動として行いました。 

最後は、印刷された路上観察案内書を折る作業も行っています。 

 

 

 

まさに、グループの血と汗と涙の結晶です。 

ヨコハマトリエンナーレ2017会期中は、横浜美術館のハマトリーツ!ステーション、ビジターサービスセンターにて配布しております。 

部数に限りがございますので、6種類全てを入手したい方はお早めに。 

ご意見、ご感想もいただければ幸いです。