非常勤講師として働くということ④〜築くべき人間関係〜 | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

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中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

非常勤講師としてやっていく中で、『貢献』や『信頼』というのが非常に重要であると書いてきました。


さて実際に予備校内にいると、いくら非常勤講師とはいえ、『人間関係の構築』という側面が現れてきます。


しかし、ここで注意しなければならないのは、同じ講師の人たちと仲良くしなければならないという意味ではありません



●誰と人間関係を構築するかを勘違いしない●
確かに、同じ予備校講師同士でも、長年一緒にやってきたことによって、同志とも言える関係になっており、仲良くしている人たちは当然います。


しかしそのような人たちというのは、違った科目の講師であれば「同志」と言える存在かもしれませんが、同じ科目の講師であれば「ライバル」と言える存在なのです。


ということは、同じ科目の人と仲良くするのはいいことかもしれませんが、自分の手の内を知られたり、状況を把握されると、それは自分にとって大きなマイナスになる可能性が高いのです。


これは中小の塾で活動している分には、やはり自分の所属している科というのがホームグラウンドというイメージを持つと思うので、同じ科の人と仲良くするのはいいと思いますが、いったん「予備校」という場に出るとイメージが一挙に変わって、「ライバルの多数いる戦いの場」に繰り出したのも同然となります。


つまり、そのような場では変にライバルに自分の技術・技を教えるのではなく、徹底的に日常的な会話だけをするのにとどめる方が安全と言えます。


実際に予備校にいると、ほとんどの人は各教科の具体的な内容など話しておらず、日常会話ばかりしているという現実があります。



●人間関係を構築すべき本当の相手●
さて、では『誰と人間関係を構築すべきなのか?』です。


これは予備校にいる人の中で、講師ではない人たちということになりますので、具体的には『教務スタッフ』ということになります。


正直教務スタッフ全員と仲良くしようとしても意味はありません。それは楽しいだけで自分に大きなメリットは全く来ないのです。なにせ、少し接したくらいならこっちの名前すら覚えてないくらいですからね…。


そこで重要になってくるのは『教科担当のスタッフ』ということになってきます。


この教科担当のスタッフというのは、誰がどの授業を担当するのかというのを少なからず決めているわけです。


もちろんその人の意向だけで決めているわけではなく、他のスタッフとも話し合ったり、出講できる曜日などを考えて最終的には決まっているのですが、やはり講師との入り口になるのはその『教科担当のスタッフ』なわけです。


そうすると、この人にどう思われるかで自分の待遇などが変わってくる可能性は十分にあるというわけです。


そこで、このような教科担当のスタッフに対しては、自分の想いをちゃんと伝えておくべきだと思います。


先日の記事でも示したように、最初のうちはなかなか授業を回してくれない予備校もあります。こういった予備校は講師の側を様々な意味で試している可能性が高いわけです。


そうであれば、この試されている時期に、もしくはこの時期が終わるくらいの時期に少しずつ自分の想いを伝えていくことは非常に価値を持つわけです。


具体的には、『この予備校でどれほど本気でやっていこうと思っているのか』『その時に抱えている悩みも含めて自分の現状を話す』『授業以外のこと、例えばテキスト作成や模試作成に興味があるかどうか』などを話していけばよいと思います。


特に最後に示した『テキスト作成や模試作成に興味があるかどうか』というのはもし興味があるのであれば、是非伝えておくとよいと思います。


実際に自分自身の勉強になるというのも確かなのですが、それ以上に『同じ科のベテランの人(=現在その場を仕切っている人)に存在を知ってもらうことによって、その人が引退した後に自分が同じような役目を担っていける可能性が十分にある』からです。


そして教務スタッフからしても、講師全員がそういった作成をするわけではない分、このようにテキストや模試を作成してくれる人に対しては『この予備校にしっかり関与していこうと思っている人なんだな』という印象を持ってもらいやすくなり、そうなれば、これから先の予備校内での生活は非常にしていきやすくなるわけです。


やはりここでも時間を有意義に使って、いかに自分にとって大きなメリットが来るようにするかが重要だと思います。