『英文読解の透視図』~英文和訳の完成へ~ | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

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中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

英語をやっていくにあたって、『単語力』は当然のことながら重要になってきます。しかし、それ以外にも『英文解釈力』というのは絶対に必要になってくるものだと思います。


ここで言う『英文解釈力』というのは、「英文の構造を正確に把握し、それに基づいて意味をとることができる力」を表しています。


ただし、このような『英文解釈力』を身に付けるには一朝一夕では無理で、日々長い期間をかけてしっかりと演習を積んでいかないといけません


そのような苦労の末に辿り着くのが、受験レベルで必要となる上限レベルの解釈力だと思います。


そのような「上限」とも言えるレベルに達しつつある人が、もしくはそのレベルに自分が達しつつあるかどうかを確かめたい人がチャレンジするとよい本を紹介しようと思います。


それは『英文読解の透視図』(研究社)です。




この本自体は1994年に初版発行されたものなので、それ以降かなり長い年月が経っています。


普通そのような年月が経った参考書は「あの本はもう古いからやる必要はない」などと古典的名作をないがしろにされる傾向があるのですが、この本はそのような考えとは無縁で、現在でも非常に高い支持をされている本です。



●対象レベル●
対象レベルとしては、将来東大・京大・国公立医学部を目指す高校3年生が、和訳の最終確認として演習していくとよいものだと思います。なので、早くて高校3年生の1学期の終わり頃、普通にいけば2学期の終わり頃に扱うか、センター試験が終わった後にササッと確認程度に解いていく、といった形でもいいと思います。


正直、内容的には以下にも示しますが、文法中心の構成になっているので、高校2年生でも十分演習可能な人もいると思います。


しかし、この参考書自体はすべての文法項目を扱ったものではなくて、英語学習者・受験生がつまずきやすい文法ポイントに限定して扱っているので、高1生や高2生のような全文法分野を扱った方がいい学年でやるべきではないと思うのです。



●掲載内容●
『対象レベル』部分でも述べたように、すべての文法分野を扱っているわけではありません。


具体的には『第1章/英文構造の透視図』(第1講/要素の確定・移動、第2講/成句的動詞表現とその後続要素の確定、第3講/接続詞and / but / orの結ぶもの)、『第2章/省略・倒置・挿入・強調の透視図』(第1講/省略、第2講/倒置、第3講/挿入、第4講/強調)、『第3章/仮定法・比較表現の透視図』(第1講/仮定法の諸問題、第2講/比較表現全般における諸問題、第3講/重要比較表現における諸問題)、『卒業編』といった構成になっています。


これを見るだけでも「関係詞」や「準動詞」といった内容が含まれていないことから全文法分野は含まれていないことがわかって頂けると思います。


また、形式としては「Challenge問題」として長文に下線部和訳問題が付いたものが最初に載せられており、それに対応する少し簡単めの問題が短い和訳問題で掲載され解説されているという形になっています。


解説自体も詳しく書かれてしますし、この本をやる時期さえ間違えなければ、非常に高い価値を享受することができると思います。



●最後に●
何度も書きますが、この参考書をこなすにあたって非常に重要になるのは『やる時期を間違えないこと』です。


パッと見できる可能性があったとしても、思いついた時期に扱うのではなく、しっかり上に示したようなやるべき時期に扱ってほしいと思います。


この本に行き着くまでにこなすべき作業やこなすべき参考書は他にありますから、まずは順を追ってそのようなものからつぶしていってほしく思います。