近づくセンター試験に向けてラストスパート | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

今年のセンター試験は日程の都合か、例年よりも1週間ほど遅い実施になっています。これは受験生にとって良いことなのか、悪いことなのかは何とも言えないことではありますが、どのみち特に国公立大学受験者にとっては必須の試験がやって来るわけです。


もうこの時期になると、大半の人はいったん2次試験に対する対策は置いておいて、センター試験の勉強に必死になるべき時期だと思います。僕自身、英語講師をしているので、英語に関して書いていこうと思います。



●大問別の過去問活用●
◆第1問◆

第1問は紆余曲折ありましたが、現在は『発音・アクセント』の問題のみになっています。


しかし、この分野に関してはここ最近は毎年のように変化がある箇所でもあるので、形式にとらわれ過ぎず、過去問の様々な形態の練習をしておく方がよいと思います。


「模試の形式も同じじゃないか!」というコメントもあるかもしれませんが、それは「今年度の問題形式に合わせて模試を作っているから」なので、それに惑わされることなく過去問をやり込んでほしいと思います。



◆第2問◆
次に第2問ですが、『文法・会話問題・整序英作文』という3つの形式になっています。『文法問題』は近年は約半分が文法問題(理論系)で、もう半分が語法問題(知識系)となっています。


このバランスは現状を維持するようにと周りからも言われているので、おそらく今年度も変わることはないでしょう。


その際に注意しなくてはならないのは、「市販されている問題集に含まれているような語法問題から出題されるわけではない」という点です。


つまり、『ネイティブスピーカーの人が普通に使う語法であれば、まだそれほど有名な語法でなくても十分に出題される可能性がある』ということです。


ただ、その一方で文法問題は市販の問題集や学校で配布される問題集で十分対応可能になっているはずなので、センター試験の過去問以外に、今までやってきた市販の問題集も利用しながら弱点を埋めていくべきです。


また、『整序英作文』では、やたら「関係詞代名詞の目的格省略」に始まる「後置修飾(名詞に後ろから修飾語句がかかる)」が好きだったり、be動詞の後ろにはめったに名詞は来ず、形容詞・現在分詞・過去分詞が頻繁に来るなど、かなり好きなパターンというのが存在します


この分野に関しては昔からずっと続く形式なので、どんどん過去問演習を行ってほしく思います。



◆第1問・第2問にかけられる時間◆
この2つの大問を合わせて何とか「12分」程度で終わらせてほしいと思います。


あと1分程度の時間であればかけてもよいかと思いますが、さらに大きな時間をかけてしまっては、これ以降続く長文問題にかける時間がどんどん減ってしまい、結果的に荒い読解になり間違いが増えるという悪循環が待っている可能性が高いのです。


なので、目標時間を「12分」と設定して過去問演習・予想問題演習を積んでほしく思います



◆第3問◆
第3問は『未知語類推・討論文要約・空欄補充(文補充・語句補充)』といった形式になっています。


正直これ以降の長文問題と比較しても、最もかけた時間に対する得点が低くなる可能性が高い箇所となります。


『未知語類推』ではしっかり選択肢も利用した上で、『言い換え・対比・因果関係』などの論理関係や『発言者の感情を表す表現』などに注目しながら解いていく必要があります。


また『討論文要約』では、本文で書かれた具体例をギュッとまとめた「抽象的表現」が正解の選択肢に含まれる可能性が高いなど、ちょっと選択肢分析の面で難しい部分があります。


この箇所は「選択肢をいかに攻略するか」が重要になってきますので、過去問・模試問題・予想問題すべてにおいて選択肢と本文との関係をしっかり見ていくことが重要だと思います。


最後に『空欄補充(文補充・語句補充)』に関しては、空欄が置かれている場所によっても解法や意識すべきポイントが異なってきます。


例えば、パラグラフの第1文に空欄が空いている場合は、「そのパラグラフ全体のテーマ・主張を問うた問題」と解釈できる場合が多く、直前・直後だけ読んだからといって解ける問題ではないのです。


その一方で、パラグラフの半ばに空欄がある場合は「前後文との関係から問題を解くことができる」問題が多くなっているのも事実なので、しっかり前後文との関係を読み込んでいく必要があります。


この問題は、個人的には昔の出題形式の方が難しかったように思いますが、とはいえまだ受験生にとっては難しく感じる人も多いのが事実だと思います。しっかり問題演習をして大きな失点をしないようにしていくべきだと思います。



◆第4問◆
第4問は『図表絡みのビジュアル問題・広告読取問題』になっており、意外に失点が多い分野でもあります。


まず『ビジュアル問題』に関しては昔の問題の方が英文も長く、しっかりとした読解を必要とした問題も多かったので、「どのような単語を覚えておかないといけないのか」にしっかり注目した上で過去問を徹底的に演習していくことで点は安定してくると思います。


その一方で『広告問題』は出典年数が少ない上に、さほど大きなテクニックは存在しないので、いかにここに時間をとり冷静に読解できるのかが重要になってくると思います。原則計算問題が課されるので、間違えない落ち着きが大事になってきます。



◆第5問◆
ここは2人の発言者の意見が表す内容を正確にくみ取れるかの読解問題となっています。


ここは地図を絡めて、建物の配置の理解やたどった経路を問うてくるので、英文自体は難しくはないですが、方向や位置を読み違えないように素早く読解していく必要があります。


ただ逆に言えば、テクニックは特に存在しないので、ここも冷静に読み取っていける時間が確保できるかが重要となってきます。



◆第6問◆
第6問は現在では『評論文』での出典がほとんどになっています。現状の出題形式維持の問題から『評論文』または『随筆文』が出典素材になることは変わらないと思います。


さて、ここは『評論文』が出題形式になってから年々『いかにパラグラフのテーマ・主張が把握できるか』が重要になってきています


ここは第3問の『討論文要約』と同じような本文と選択肢の構成であることも多く、本文と選択肢を比べることが重要になってきます。


しっかり『パラグラフのテーマ・主張』を把握することを念頭に置いて読んでいってほしいと思います。



◆第3問~第6問の時間配分◆
第3問は前から順に、2分・6分・8分、第4問は計15分、第5問は12分、第6問は20分、というのが目安時間だと思います。


しかし、これだとマークシートを塗っていくことを考えると試験時間80分いっぱいいっぱいになる可能性が高いので、もう少しだけでも時間を圧縮できるようなトレーニングをしていくべきだと思います。



●予想問題の活用●
この時期になると多数の出版社から予想問題集やセンター試験直前パックが販売されています。


この時期までに予想問題集をすべてこなしてしまっている場合は、直前パックをこなしていくことになると思います。


その際にオススメの順は『河合塾→駿台→Z会』の順です。というのは難易度が原則このような順になっているからです。


ただ現役生・浪人生問わず、仲間と一緒に「今日はこの科目をする日」と決めて得点競争をするのも大事だと思います。このようなことができる環境の人はぜひ活用してほしく思います。