昨日も私達の武術活動では、午前には野外太極拳と導引気功、太極拳推手を行い、

 

午後は武術班、武術隊で専門教程として、武術基本功、長拳、武術短兵、太極剣などを行っていました。

 

今年は新しい仲間も加わり、なかなか解説にも時間がかかるので、

 

今回は、太極拳や導引気功を練習して、上達を目指す時の留意感覚について ご紹介したいと思います。

 

 

先ずは「導引気功」についてです。

 

大会個人

伝統気功の縁について

現在の日本国内には、よく「気功」の名称・呼称が比較的普及していますが、

これは新中国設立後に広められた、簡単な関節周りや内臓のストレッチを含む体操、呼吸法、

セルフマッサージを含んだ健康法です。


歴史的に「健身養生」における呼称については、元々は「導引」の名称の方が古く、

紀元前369~286年「荘子・刻意編」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%98%E5%AD%90

の中には、

「吹句呼吸、吐故納新、熊経鳥伸・・ 此導引之士、養形之人、彭祖寿考者之所好也」

の文に既に「導引」の文字が出てきます。
 

ことばの意味は「導気令和、引体令柔」の頭二文字をとって「導引」と呼ぶようになりました。

紀元前2~3世紀の時代です。




これは「体を引き伸ばし、柔らかくして、気遣いによって意識を導き動作などを行うようにすれば心身の和みの感覚を得られる」

というように訳すことができます。

こうした方法はより多くの方面に影響を与え、養生法、治療法だけにとどまらず、

武術、戯劇、舞踏などにも発展していきました。



伝統気功 五禽戯について、

<華陀>

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%AF%E9%99%80

華陀は、導引の技術を取り入れ「五禽戯」を創作しました。

人体の哲理は、「流れる水は腐らない、よく動く扉は虫がくわない」と例え

体内の血脈、血液やリンパの循環は、川の水のように、

流れをスムーズになるようにし、そして体の諸関節はよく動かせば

ドアの開閉が滑らかなように動くようになり、病は消える。

と、現代にも続く、病の要諦をひもときました。


そこから編み出された方法は、

「引体:体を引き伸ばし関節をほぐす運動」

「導気:落ち着いて呼吸を整える方法」

「自己按摩:自分で体のコリを叩く、揉む、摩る」

「漱咽:唾液を飲み、口の中を舌で攪拌する掃除」

「存想:自分は何があっても大丈夫だ、としっかりと確信する」

「意念:イメージトレーニング」

などがあります。

 

※今現在の私達の活動は更に現代日本医科学を基にレベルアップして行っています。


日本でも知られた「心意気」という言葉がありますが、それは「心至れば意に至る、意至れば気に至る」

心から意識が生まれ、意識から気力が生まれるという言葉があります。

つまりは気力を出すには、意識の力が大切で、

意識の力を出すには、心の安らぎ「入静」が大事なのが判ります。

自分自身の精神と肉体をセルフコントロールできるような人々が

現代日本社会により多くなって欲しいと願っています。

 

そして太極拳についてですが、太極拳も多く流派があります。

 

龍身蛇形太極拳総部3

 

今日の本場中国武術活動界では、「太極文化」という表現を用いて、

 

「武芸」「養生」「思想哲学」の3つを包括した「太極拳活動」を奨励しています。

 

太極拳活動について

 

この区分感覚のひとつとして、「スポーツ太極拳」や「体操的太極拳」は、「太極拳運動のひとつ」と区分し、

 

「太極文化」の中の1カテゴリーとしてあり、太極拳運動のみでなく、

 

健康医学、予防医学教養の「養生」をしっかり認識した「功法」と、

 

中国古代思想の「易経」や「陰陽学説」「五行思想」そして「太極拳論」を合わせた「太極文化」を多くの皆さんが行うことを、奨励しています。

 

私達の活動では、その本場感覚を重視した「太極文化」を行っています。

 

 

よく聞かれることですが、

初めての方や太極拳運動のみの方は特に、上達やレベルアップについて、どういうところに注意したらいいかわからないものですが、

太極拳運動における練習方法を、5項目に分けて、ご紹介します。



1、速度を均一にする。

初めて太極拳を学ぶ時には、ゆったりした感覚で、慌てることなく、落ち着いてがいいでしょう。

太極拳の練習が、ゆったりしたものは、動作を覚え、基礎感覚や記憶力の強化を図ります。

「ゆったり」とは「一動全動」ということで一つ一つの動作の細かいところにも意識が届き、

動作の流れも合わせて均一にまとめることができます。

熟練してきたら、陰陽とは剛柔、緩急も合わせた心好いリズム感覚で行えるようのなると集中力も高まり、

自分自身の心身への、信頼感が向上するようになります。



2、高さは均一に

太極拳の歩型や姿勢などを練習する時には、少し高めだったり、低めにしたり

してもよく、個人個人のやりやすいようにします。

しかし、初めの「起勢」で中腰のなど定まった位置「定勢」を作りましたら、できるだけその位置で、

続けて行うのがいいでしょう、これは膝への負担を一定に保つことで過度な、

負荷がかかり過ぎないようにするためです。

はじめての方や年配の方で脚力にあまり自信がもてない時は高い姿勢がよく、

慣れてきて、脚力を付けるようにする時は低くするようにします。


3、運動量は適度に調整する

太極拳の運動量は人それぞれのペースで、その量を増減するようにします。

全部を通しで行ったり、組み合わせた動作を練習したり、個々の動作を、

研究して行う、というように人それぞれの「ひらめき」を大事にします。

気持ちに余裕が無ければ、様々な発見は出にくいものだからです。


4、順序にそって、次第に向上させる。

初めのうちは、あわてずに、確実にできるところから把握していき、

簡単な動作を身に付けたら、次第に難しい動作へチャレンジするのがいいでしょう。

本場の中国武術協会では、中国武術段位の認定が始まっています。

旧段位制度では、一段太極拳(8動作)二段太極拳(16動作)三段太極拳(24動作)

四段太極拳(32動作)五段太極拳(42動作)があります。

2013年からは国際段位制度が制定され、今年9月にロシアで行われた国際武術連合会の総会で発表されたので、

 

日本国内でも、

 

おそらくは来年「2018年」からは、国内団体すべてが適応されるように、なることでしょう。

 

私達は既に国際段位制度を導入して、指導陣は国際段位認定を受け、来年からは、

 

全日本太極拳連合会の新段位制と連動して「国際段位制」「日本段位制」を合わせた普及活動を展開していきます。

 

 

そして、こうした普及活動を行うことは、どなたも、

先ずは、楽しく、浅いところから深いところへ「自ら」を向上させていく継続活動が大事で、

 

これは運動をすること、と脳細胞の活性化にも役立ちます。

正しく行えば、健康問題にもなっている「メタボリックシンドローム」予防にも大いに役立ちます。

元々、中国では脂っこい料理が多いので武術運動(太極拳や気功も含む)

で脂肪を燃やし、お茶で胃の中を綺麗に保つ、ということを古くから行っています。


5、自分で練習しながら、仲間を増やす

太極拳の練習は一人で行うのも良いのですが、楽しく長く続ける為には、

一緒に仲間同士で練習をしていくと、いいでしょう。

 

理由として、正しく武芸としての太極拳運動は一人の「単練」だけでなく、「対練」そして「推手」があってこそ、「太極拳」です。

太極拳を練習するときには、周りに余計に気を使ったり、緊張しないようにします。

不自然に力を使うようになってしまうと、かえって身体を損ねたりする原因に

なったりしますので注意が必要になります。


様々なスタイルを試し、自分自身にあった「定式」を身につけられると理想的です。

そして更に慣れてきたら、太極拳だけでなく、導引気功、武術拳種を行えば、

ランニング、筋トレ効果になり、より心身が健全になっていく「身体づくり」が出来て、仲間たちとの良い交流や融和ができると思います。



世界中にはそれぞれ専門的に優れた運動がたくさんありますが、

 

太極拳、導引気功を合わせた「武術活動」は、老若男女問わず、家族も仲間も一緒になって、

人間の能力を全て活かして、これからの21世紀の日本社会を全世代の方々が元気に、

活力を高めて日々をより良く豊かに楽しいものにしていきたいものです。

 

中国武術活動について

それでは今年も残り1か月となりました、皆さんが年内の最期の最後まで、

 

武術活動で元気な毎日を過ごして頂きたいと思います。

 

よろしくお願い致します。