華陀五禽戯は後漢(東漢)の医師「華侘」(紀元104~208)によって創編されました。

伝統華侘五禽戯 虎 鹿 熊 猿 鳥

亳州伝統華侘五禽戯(ごきんぎ) 秘籍


神医 華侘の創始した五禽戯は、今から1800年前に体系として完成している健身運動として前漢に行われていた導引術の次に長く古い歴史があります。

日本国内では、五禽戯は気功の一種、太極拳のようにゆっくり行う運動、健康体操というような紹介のされ方をしますが、実際に歴史的史実には、導引は前漢の紀元前2~春秋時代の紀元前5世紀には行われていた記録(荘子 淮南子)があり、

そして紀元2世紀の後漢の時代に五禽戯は成立しています。

近来使われる「気功」という文言が使われる遥か以前に存在し、その後に「太極拳」が明朝末期に出来ています。

(※少林武術は唐代1300年、太極拳は明末300年の歴史)


五禽戯の郷、亳州市は3700年の歴史があり、神医「華陀」

三国志の英雄「曹操」

老荘思想の祖「老子」「荘子」を輩出しています。


華陀はこの時すでに「導引術」に精通し、中医学の基礎理論上に医療体操を考案し、隋唐の時代には広まりました。それが中国武術の運動体系に発展し、今日では一般的な武術の套路運動の動作にも大きな影響をもたらしました。

安徽省亳州市は歴史的に武術が盛んな地で、早朝からあちらこちらで練習している光景が見られました。

そして中国最大規模を誇る漢方薬市場があり、歴史的に大自然の物資に恵まれた土地です。


2007年の初訪問で、五禽戯の早朝練習後にすぐに連れて行かれた場所。

そこは、曹操の祖父「曹騰」の墓地・・・

記念館5


そこにあった歴史資料には、古代日本の「倭」との関係・・・邪馬台国の記述される以前に「倭国:日本人」は亳州へ来ていた・・

74号字砖“……有倭人以时盟不(否)”7字。“倭”为古代日本国名。东汉灵帝时,正值倭国大乱,字砖反映结盟结束的事实。墓主为会稽郡曹君,会稽郡是倭人通往中国的港口,因此倭人与曹氏家族有密切关系」


五禽戯の「五」は「陰陽五行説」の「五行」からきています。

華陀は大自然の構成要素である「木火土金水」と人間の一年間の内臓「五臓」のはたらきに関連している事を発見し、霊活性豊かな野生動物の動きに着目し、人間の形態での臓器附近を意識的に活性化させられる技法として研究し健康運動として意識的有酸素運動として結び付けることに成功しました。

伝統華侘五禽戯 第57代 58代 59代 老師の皆様と(2007年 11月)

老師方々

薫老師1


伝統華侘五禽戯 総合13式

先代 第57代 薫文煥 老師

伝統五禽戯伝承者57代目 薫文煥老師




第58代 掌門人 周金鐘老師(左側)真ん中は奥様の修海燕老師




私の五禽戯



虎戯(水)では、腎臓のはたらきを高め、関節周りをしなやかにしながら支える筋肉を強化し、骨を強くする為の動作が多く含まれます。



鹿戯(木)では、肝臓のはたらきを高め、筋という筋を伸ばす動作が多くあり、全身のしなやかさを保ち、強化する動作があります。



熊戯(土)では、脾臓、胃などの動きが良くなるよう、上半身は前後左右に揺らす動作があり、胃腸をほぐし、肌肉と、股関節、両膝、両足首のはたらきを高めます。



猿戯(火)では、脳感覚を活性化し、反応、反射神経の動きを高めていく事ができます。心臓の動きを良くするには全身の血液循環を高めてからの血脈での安定が重要なため、神経系統の感覚を活気付ける運動などが必要で猿戯はその方面での効果があります。  


 
鳥戯(金)では、意識呼吸による肺全体を使った動作が多くあり、自発的な呼吸機能を高め、バランス感覚を向上させ、発汗作用が高められ、肺とも関連する皮膚感覚も向上します。




世界的に医科学が進化した、今現在は多くの病気が存在する中でも、

日本でも7大疾患と呼ばれる生活習慣病(循環器疾患:脳疾患 心疾患 慢性腎不全 肝硬変 糖尿病 高血圧症 肺がん 大腸がんを含む悪性新生物)も、

運動不足(質の低い運動では効果が半減)と飲食物の欧米化で大量摂取が問題であることが判明し、

日本国内の総人口約1億2700万人で65歳以上が3000万人以上になり、そのうち認知症や糖尿病予備軍は600万人を越え、近い将来には700万人に到達されるであろう、と予測されています(※6人に1人が〇〇になる、といわれる根拠はここにあります)

平成26年版「厚生労働白書 健康長寿社会の実現に向けて」が発表

厚生労働省のデータから冷静に見て考えてみる

中国の古い格言の中に「動物は動けなくなると死ぬ、植物は動かすと死ぬ」ということばがあります。

日本には中国文化特有のシビアな視点が好きではない方々が多いように感じますが、鋭い事実を指摘していると思います。

今年の新聞などで発表された記事(抜粋)

80歳以上の人口、初めて1千万人超す…総務省 読売新聞9月20日(日)18時52分 

総務省は21日の「敬老の日」に合わせ、日本の高齢者人口の推計(今月15日現在)を発表した。 65歳以上の高齢者は前年比89万人増の3384万人で、総人口に占める割合は前年比0・8ポイント増の26・7%となり、最高を更新した。

80歳以上は1002万人(前年比38万人増)で、初めて1000万人を超えた。 高齢者を男女別にみると、男性は1462万人、女性は1921万人。女性高齢者は女性人口の29・5%を占めた。 主要8か国の高齢者の割合では、日本が唯一25%を超え、22・4%のイタリア、21・2%のドイツを大きく引き離している。2040年の将来推計値も、日本が36・1%で最も高くなると見込まれている。


国民医療費の現況

平成24年度の国民医療費は39兆2117億円。

前年度の38兆5850億円に比べて、6267億円の増加になっている。人口一人あたりの国民医療費は30万1900円。平成10年度(1998年 17年前)は、国民医療費 29兆5823億円 GDP:国内総生産 5百10兆9192億円平成24年度(2012年)は、国民医療費 39兆2117億円 GDP:国内総生産 4百72兆5965億円。

人口一人あたり年間での国民医療費をみると、65歳未満は「17万7100円」65歳以上は「71万7200円」となっている。そのうちで、歯科医療費では、65歳未満は「1万7900円」65歳以上は「3万1800円」となっている。


男性84.19歳、女性90.93歳まで生きられる 

我が国の平均寿命は、平成23(2011)年現在、男性79.44年、女性85.90年と、前年に比べて男性は 0.11年、女性は0.40年下回った。今後、男女とも延びて、72(2060)年には、男性84.19年、女性90.93年となり、女性の平均寿命は 90年を超えると見込まれている。


こうした、日本国内にある環境の中では、華侘五禽戯の理論に謂う「野生動物」的感性を磨き続け、動けるだけ動き続け、動けなくなるまで躍動的に活き活きと生き続けて、

生き物としての自身の生命~寿命を全うすることこそが、最も幸福だと感じられる時代になっていくと思います。