サボテンの花、第10話(コースターの数字) | 横浜さくらボクシングジムのブログ

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横浜さくらボクシングジム 会長 平野敏夫 によるブログです。
ジムでの出来事、ボクシングのこと、その他ジャンルを問わず綴っていきます。

人知れず咲く、サボテンの花は

困難な状況にも耐え忍び、愛や、感情を長続きさせる、力強さや、忍耐力を象徴する花言葉で、唯一ボクサーに似合う花。である。

これは、横浜さくらボクシングジムのサボテンの花達の物語である。」

 

会長がパンチングボールを打っている。

琢磨が、会長からパンチングボールの叩き方を指導されていた。

1、2、3のリズムを刻んで打つ。

徐々にテンポアップすれば、早く打てる。

片手打ち、両手打ち、返し打ち、

なかなかうまくいかないがそれでも、スローなら少し打てる様になった。

 

ジムのかえり、琢磨は純喫茶「メイト」で1人、コーヒーをブラックで飲んでいた。彼女との待ち合わせにはこの店を利用している。

 

ハワイ旅行で飲んだコナコーヒーの味が好きで「メイト」では、いつもコナコーヒーを頼んだ。

 

周りの席は、近くに進学塾があるせいか、若者のグループか、恋人同士のカップルで、幸せそうに、嬉しそうに、楽しそうに会話に花咲いて居た。

 

待ち合わせ時間に、ぼんやりと今か今かと1時間がすぎたが、彼女は現れなかった。

 

琢磨が席を立ちPayPayで会計を済ませて出て行ったテーブルに、

空になったコーヒーカップと、数字が書かれた丸い形のコースターが置かれていた。

 

コースターには「3月21日から10月13日まで205日」そして、「さようなら」と書いてあった。

数字は、春から秋まで、琢磨が彼女と付き合っていた日数だった。