大人になって、長い年月の間にたくさんの経験をしてくると
訪れたことがある場所、食べたことがあるもの、聞いたことがある音楽、
人生の中は『もう知っている』『もう分かっている』『体験済み』 なことだらけになってきます。
この、もう知っている、という思いがあるために
多くの新鮮な体験を逃してしまっているとしたら
本当にもったいない!!! と思うんです。(そう思いませんか?)
春が来て
いつもの場所でいつもと同じように桜の花が開花する。
いつも通り、だけどそんな時期にはきっと、
日本中のたくさんの人たちが、淡い桜色の花のつぼみが開いていく様を、
嬉しい気持ちや、ワクワクする気持ち、それとももっと静かで穏やかな気持ちで、眺める。
山の木々が赤や黄色に染まっていく紅葉の時期、
真っ白な雪が積もった朝、
海で裸足になり砂の上を歩いて、そして海水に足をつけた時。
注意を向けることをすれば、
すべての瞬間に新鮮な感動と喜び
身体の中の細胞ひとつひとつがキラキラと輝くような感覚を、
見つけることが出来るはずです。
そしてそれは何回経験していても、毎回違う。
『もう知っている』 というフィルターを通して外の世界と出会ことを
無意識のうちに誰もがしていると思いますが、
これによって気づかないうちに
五感が持っている“美しさを感受する力”を閉じてしまいます。
閉じるとまでは行かなくても、閉じ気味にし、ヴェールをかけてしまう。
去年Twitterで見つけたのですが…
初めて滝の近くに来て、それを見上げ、
全身で感じている赤ちゃんの姿を映している短い動画があって、
この赤ちゃんが本当に素晴らしくて何度も見てしまうんです。
彼女が感じている喜びや驚きや心地よい快感。
それらを身体の緊張やこわばりや呼吸で止めてしまうことなく、
感じたままを全身で波打つように放っている。
こんな時には、
呼吸が深まり、目の輝きは増し、
口元にはゆるみと何か言いたげな動きが生まれ、歓喜の声が出る。
皮膚の状態や色までもが鮮やかに変化する。
生まれて初めて滝を見るというような非日常の出来事だけでなく、
日常のごく普通と思い込んでいる、些細と決めつけている、当たり前と思い込んでいる出来事や物や人、etc., も
モノクロでも灰色でもなく、
様々な色があって光り輝いていることに気づくことが出来るのは、
注意を向け、感じることをした時なんです。
だからわたしはいちいち立ち止まっては、この世界の美しさに目や耳を傾け(鼻も皮膚も)
余すところなくたくさんたくさん感じていきたいな、と望んでいます。
コンティニュアム・ムーヴメントでは
身体の動きや、呼吸や、声を使って
五感に耳を傾け
身体を通して
内側に“すでに”“いつも”ある
動きへと注意を向けてみます。
感じる心、感じ取ろうとする意識、を養っていけば
ひとりひとりの内に必ずある
広大で、美しい景観へと続く道を示す地図が見つかります。
ナバホの人が言うように
"Walking in Beauty"
美の中を歩み続けることすら可能になるのです。
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日本ソマティック心理学協会様主催の、第8回記念大会に講師として登壇いたしました(2021年10月9日))
※コンティニュアム・ムーヴメントは治療・医療行為ではありません。
クラスやセッションを受けている時だけでなく、ご自身で継続して続けていくことで、
体調が整ったり、様々な症状が改善することはありますが、
個別の症状についての改善の見込みなどに関してお答えすることや保証することは出来かねます。 ご了承ください。
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