妊娠がわかってから、「そのママ 」というサイトに登録しています。こちらは産婦人科医でいらっしゃる竹内正人先生が運営しておられるサイトです。こちらに登録しておくと、毎日毎日、お腹の赤ちゃんの様子がどうなっていますよ、というメルマガを届けてくれます(ちなみに無料です)。2週間に1度しか検診がなく、不安な毎日ですが、メルマガを読むと「こんなに大きくなっているのだ」とうれしい気持ちで過ごすことができるので、妊娠されている方にとてもおすすめなサイトです。
さてその先生のブログ で今回の震災を受けて妊婦さんへのメッセージがアップされていましたので、こちらでもシェアしたいと思います。該当ページはこちら
----
2011年3月14日 (月)
447 妊婦さんへー震災を受けてー
震災から3日がたちました。
さまざまな情報が飛び交い妊婦さんも不安に思っていると思います
そんな妊婦さんとご家族へQ&A式のメッセージです
1)こんなときはどう過ごせばよいのですか?
普段どおり心穏やかに過ごせるにこしたことはありませんが、そうはいかないですよね。被災地の妊婦さんは言うにおよばず、そうでない地域の方も、報道を見ているだけで動揺し、何もする気がおこらなくなっていたかもかしれません。東京でも、スーパーにはものがなくなってゆくし、各地でガソリンがなくなってゆくなど、生活もいつも通りにはいきません。被災者の方々に何もしてあげられることはできないと、自分を責める方もいることでしょう。
震災が起こって数日間は、仕方なかったことです。ただ、これからは、できる範囲で生活のリズムを立て直し、規則正しい生活を取り戻し、体を動かすようにしてゆきましょう。そうすることで、あなたの気持ちも少しずつ心穏やかになってゆきます。今あなたができる一番大切な仕事は、あなたと次の世代の命である、赤ちゃんの環境をできるだけ整えることです。食事は質素になっても、赤ちゃんには優先的に栄養は供給されるので、あまり心配しないでください。節電をしながらも、厚手の服、靴下などを身につけて、体を冷やさないように対応していってください。
あなたは、赤ちゃんとつながっている。それは、赤ちゃんもあなたのことを守ってくれているということです。きっと、大丈夫です!
2)放射能の影響はどの程度心配したほうがよいでしょうか?
現時点では、母子には心配ないと考えてよいでしょう。
放射線とは目で直接見ることができません。また、音や匂いもないので、日常では意識することはないと思いますが、自然界にも放射線があります。私たちは1年間に宇宙や、大地、空気中のラドンや食物から平均2.4mSv(ミリシーベルト)という量の放射線を受けています。レントゲンなどの放射線検査も含めると日本人1人平均で5mSvの被ばくを受けています。
放射線の人体への影響のうち、胎児へ影響が出てくるのは、一般には最低100mSvを超えた量の被ばくがある場合です。今回、12日午後1時に原子力発電所の敷地境界で1時間あたり約1mSvの放射線量が計測されました。これは大きな線量ですが、基準となる100mSvとは、単純に計算しても妊婦が敷地内に100時間いた場合の線量となり、現実的ではありません。
放射線被ばくの防御の3原則は以下のとおりです
① 距離
線量は距離の2乗に反比例します。具体的には、敷地境界で1時間に1mSvの放射線は10kmはなれると、1×1/100で、0.01mSvとなります。
② 時間
被ばくの時間が短ければ、それだけ被ばく量も少なくなります。
③ 遮蔽
屋外より屋内にいれば、より被ばく量は少なくなります。
3)停電や電車本数減少で、タクシーがつかまらなかったり、道の渋滞も考えられます。陣痛などの時には、救急車を呼んだらまずいでしょうか。
通常の陣痛では、タクシーは呼ぶべきではありませんが、病院にたどりつく手段がない場合は、病院に連絡して指示を仰ぐようにしましょう。どうしても必要となれば、救急車を呼んでかまいません。ただし、今は呼んでもなかなか救急車が来ない状況も想定されます。落ち着けというのが無理な話ですが、これまでの経過が正常であれば、痛みが強くなってきても赤ちゃんは大丈夫です。もし、万が一、万が一ですよ。病院に間に合わないうちに赤ちゃんが生まれてきてしまったら・・・、そんな場合は、パニックになるかもしれませんが、ここは覚悟を決めて自然にまかせましょう。こうして生まれてきた赤ちゃんは、幸いたいていは元気です。
ここから念のために、緊急時の対応を書いておきます。夫かそばにいる方が(温かい)タオルを何枚か使って、とにかく赤ちゃんをよく拭いてあげること。おっかなびっくりになるでしょうが、ゴシゴシという感じで、全身隈なくです。背中をこすると泣いてくれるでしょう。髪の毛やわきの下の濡れも忘れずよく拭いてあげてください。
赤ちゃんがぬれていなければ、乾いたタオルや毛布でつつんで、お母さんが抱っこします。とにかく保温が大切です。お臍の緒はそのままで結構です。20~30分くらいすると、後陣痛があって胎盤が出てくるかもしれません。その後に出血があると思いますが、こうしたお産では出血もたいていは500ml以内です。大きめのビニール袋があれば、胎盤を入れて、臍の緒はそのままにして病院へむかってください。なお、毛布でくるんで抱っこをすると、それまで泣いていた赤ちゃんがピタリと泣きやみます。その時は、赤ちゃんの手を軽くとってみてください。もし、緊張があれば、赤ちゃんは元気で、泣きやんだのは、元気がないからではなく、お母さんに抱かれて心地がよいからです。
大丈夫です。
(転送可)
-----
続きます