岡茂雄。出版社のPR誌について | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

波(2022.01)新潮社

 

図書館のリサイクル棚から新潮社のPR誌『波』をいただいてきた。著名人の肖像を配した南伸坊のイラストがいい感じです。こうしたPR誌はかつては書店などで無料で配布していたが、近年は100円で販売する。あるいは、書店で本を買った折に○○社のPR誌はありますかというと、カウンターの奥からだしてきて無料でくださるところもある。

 

私は図書館でときおり各社のPR誌をチェックするくらいだが、新関公子さんが連載中の岩波書店のPR誌『図書』の『東京美術学校物語』は欠かさずに読んでいる。

こうした無料のPR誌の先駆は「私ではないか?」というのは「岡書院」を興した岡茂雄で、本を造るのは好きだが売るのが苦手なのでと発行を決意。昭和2年頃、柳田國男に『文車』と命名していただき寄稿もしていただいたが3号ほどで途絶えたと、岡茂雄『本屋風情(1974)平凡社』にある。

 

岡茂雄は柳田國男や南方熊楠などと交際があった編集者で、交際があった作家、特に厄介な性格の柳田や南方などの生態をわりあいリアルに伝えていて面白い。この手の内容が好きなひとにはお勧めしたい。