薬師丸ひろ子。オールはない 流されて | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

薬師丸ひろ子

 

薬師丸ひろ子が新しいアルバムをだされたようで地上波で東京フィルハーモニー交響楽団をバックに歌っていた。テレビを点けたところ、ちょうど、woman〝Wの悲劇〟の主題歌を歌っていて

 

 ああ時の河を渡る船に オールはない 流されて

 横たわった髪に胸に 降りつもるわ星の破片(かけら)
            「Woman "Wの悲劇"より」歌詞:松本隆

 

そのサビの部分。文字で読むとなんということはないのだが、彼女の歌声からはなにか滲んでくるものがある。

 

彼女を最初に知ったのは、映画『セーラー服と機関銃(1981)』で、「長回し」で知られる相米慎二監督はともかく、脚本は鬼才と呼ばれた田中陽造。田中陽造といえば鈴木清順とのタッグが有名で、当時はピンク映画の脚本も手がけていた。ジャリタレ映画になぜ? という思いから映画館にでかけた。

 

薬師丸ひろ子はその当時から現在にいたるまで(スクリーンの内外において。映画・音楽の分野においても)イメージにブレがない。なんだか純粋培養された感じなのだが、彼女はそれを自然にまとっている。