ジョセフ・ノックス。汚職刑事エイダン・ウェイツ・シリーズ三部作 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

ドラマ「ラストマン」の福山雅治

 

前ブログ続き。ジョセフ・ノックスのマンチェスター市警〝汚職刑事エイダン・ウェイツ〟シリーズ第2巻『笑う死体(2020)新潮文庫』では、怒りだすと止まらなくなるという、なんとも付き合い難い相棒サティの部下として、同僚には白眼視されるなか深夜勤務へ。本作では休館中のホテルで笑みを湛えた死んでいることから〈スマイリー〉と名づけられた身元不明者殺害事件の遊軍として捜査に参加する。

 

第3巻『スリープ・ウォーカー(2021)新潮文庫』では余命わずかな犯罪者が病院で焼殺され、監視にあたった相棒のサティも巻き添えとなって意識不明の重体、エイダンはそのサティに代わって黒人ハーフのナオミ・ブラック巡査とバディを組むが相互不信から関係はギクシャク、フラストレーションはつのる。

 

ジョセフ・ノックス:汚職刑事エイダン・ウェイツ シリーズ

 

主人公エイダンはドラッグやアルコールの誘惑に苛まれつつ、権力闘争に明け暮れる上司の使い駒にされ、扱いずらい相棒との不和にいらだち、第1巻の潜入捜査以来の天敵である麻薬の元締からはたえず命を狙われ、ついには唯一の血縁ともいえる妹にも魔の手はのびるなど日々油に炒られるがごとき。

 

本シリーズは三部作でひとまず完結。連休は三部作を一気読み、ハードボイルドな警官ノワールとしてお勧めできる。映像化のオファーもあるようなので楽しみに待ちたい。

 

 

イラストは現在放送中の福山雅治&大泉洋W主演のドラマ『ラストマン』から。来日した盲目の米FBI捜査官福山雅治とバディを組む大泉洋、福山の眼となってアシストする今田美桜がチームとなって難事件にあたる。ちょっとジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムとアメリア・サックスと近似する設定。