黒井白。リヴァイアサン | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

映画 告白 の橋本愛

 

雑誌『kotoba(2023 冬号)集英社』特集「マンガの現在」を拾い読みしながら、現在の私は「ずいぶんマンガから遠いところにいるなぁ」という感じ。近年はコミック雑誌など手に取ることもなくなってしまったが、雑誌『kotoba』に黒井白『リヴァイアサン』が紹介されていて少し気になった。

 

黒井白はバンド・デシネのマンガ家としてフランスで作品を発表していて『リヴァイアサン』は彼の地で評判となり日本へ逆輸入された。

 

黒井白:リヴァイアサン 第1,2巻

 

黒井白:リヴァイアサン 第3巻

 

宇宙船で修学旅行中の少年少女が遭難、航行不能となり酸素の供給限度は50時間、生存するためには長期航行のためのコールドスリープに頼るしかない。しかし、その冷凍保存庫は一体のみしか用意されておらず、生存できるのはひとりのみという極限状態で殺し合いが始まるという凄惨な物語です。

 

ちょっとベタな展開とも思えたが、バンド・デシネらしい細密なタッチに惹かれ読んでみた。ラストに二転三転とヒネリが効いていて今後が楽しみです。作者黒井白さんは、やはり宮崎駿、大友克洋『アキラ』やブノア『闇の国々』他の影響を受けていると巻末インタビューで答えている。

 

『リヴァイアサン』冒頭の数話はネットで閲覧できますので興味のある方はのぞいてみてください。

闇の国々(2011)小学館集英社プロ


『闇の国々』はブノワ・ペータース原作、フランソワ・スクイテンの絵によるバンド・デシネ(ユーロ・マンガ)で、日本では谷口ジロー、大友克洋、宮崎駿などが影響を受けている。パリのルーブル美術館で展覧会が開催された谷口ジローが確立した随筆マンガはそのバンド・デシネを母体とする。

 

さて『リヴァイアサン』では、なんといっても「ニカイドウさん」という怖すぎる美少女から目が離せない。ということで、彼女には映画『告白』で北原美月役の橋本愛さんに演じてもらいましょう。