カムカムエヴリバディ
すっかり朝ドラ『カムカムエヴリバディ』にハマりこんでしまって日々楽しみに観ていますが、いよいよ次週で最終回。なんだか細かいところに、小さなミステリが細工物ののように象眼されていて、脚本の藤本有紀さん自身、ずいぶん楽しまれて書かれているのかな?といった印象です。
ちょうど、オダギリ・ジョーが登場した後半から割ときちんと観だしたのですが「朝ドラ」はやはり第1作の原作となった獅子文六『娘と私』を踏襲することで成立している。獅子文六は戦後のホームドラマの原型をつくりあげた作家で、何気ない庶民の日常から様々の(日常を後押しするような)ドラマを紡ぎだします。
『カムカム』はそうしたホームドラマに、現代の小説に不可欠とも言えるミステリ要素を加えています。獅子文六は近年再評価され、多くの作品がちくま文庫で復刻されていますが「朝ドラ」は、今後も今日的なリメイクをくわえながら継続されていくのでしょうね。
枯芝に小石