いとしこいし漫才の世界 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 漫才いとしこいし

 

上方のしゃべくり漫才〝いとしこいし〟は、兄の夢路いとし(1925年3月27日 - 2003年9月25日)さんが亡くなられて60年余のキャリアを終えた。残された喜味こいし(1927年11月5日 - 2011年1月23日)さんの晩年の写影がなかなか素晴らしく老いたら笠智衆のようにと思っていたが、喜味こいしさんでも。

 

いとしこいし漫才の世界(2004)岩波書店

 

戦後、ラジオからテレビの時代へ至る、昭和を代表する掛合漫才「いとしこいし」の評伝かと思ったが、評伝部分は40ページほど、後は喜味こいしや関係者のコメントを集め、残りの大半は代表作品の幾つかを文章化。これはこれで楽しめたが、彼等の作品は今でも YouTube で視聴できるのですね。

 

戦前から戦後にかけてのしゃべくり漫才は、下品卑猥なものが多かったそうで、いとしこいしは作家に台本を頼むなどして、家族で楽しめるものを目指した。なお芸名はいとしが考え、振分けはジャンケンで決めたそうで漫才師らしい。本当に笑わせていただいた。笑える時にいっぱい笑えてね。

 

子ども時代の記憶の一部、その幸福感を構成するピースのひとつになっている。古本屋で見つけ懐かしく読んだ。

 

昼休み散歩から:コスモス