福岡国際マラソンの大迫傑 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 sketchbook.083 大迫傑

 

ようやく男子マラソン界に世界で闘える選手がでてきた。2度目のマラソンとなった大迫傑(26)は、福岡国際マラソンで2時間7分19秒と日本歴代5位の好記録で3位に入り(東京五輪出場権を競う一発レース)GC出場権を獲得、自己ベストを大幅に更新した。

 

大迫は現在、米(陸上の虎の穴)ナイキ・オレゴンプロジェクトに所属するプロ・ランナーとして世界レースに参戦するという異色の経歴の持ち主で、アフリカ勢が得意とする(つま先から接地するという)フォア・フット走法で走る。顔つきもシマッていて期待度はいや増す。川内優輝は9位ながら10分台でまとめた。

 

 久保田金僊 編:下谷上野(1929)松阪屋/國盛 版画

 

  一勇齋国芳:松阪屋前(右図)

 

笹川臨風の序文によると、関東大震災から復興し「松阪屋の新館落成を期に」編集発行したとある。内田魯庵、北原白秋、久保田万太郎、笹川臨風、三田村鳶魚ら豪華メンバーによる「偲ぶ草」である。オフセットながら木版画を(改めて描き直したうえで)複製、凸版印刷によるカラー刷は美しい仕上りである。

 

編集者久保田金僊の父・米僊が描き留めたスケッチ帳から金僊が模写した挿絵が数葉入っていて趣きがある。「非売品」とあるところから、落成記念に松阪屋が配ったものだろうか。現在美術印刷で知られる三間印刷所が印刷者となっている。不忍池の夕景であろう、西皐山子(サイコウサンシ?)の狂歌に風情がある。

 

 不忍の茶屋が簾もまきかけて 青きを内へたたむはちす葉

                   (西皐山子)

 

 和時計:割駒式文字盤(幕末期)

 

コレクターから状態の良い完動品の和時計を見せていただいた。写真は両脇を空けたところ。文字盤が手動で動かせるようになっていて、春秋の陽の移ろいに対応できる優れものである。