sketchbook.079 精霊の守り人 最終章
NHKドラマ「精霊の守り人」はついにファイナル・シーズンが始まり、ようやく物語の全貌が俯瞰される。原作本で気にいっていた「闇の守り人」エピソードは今回盛り込まれるようで、ジグロとバルサの再会を楽しみにしている。ところで初回放送の視聴率が6%という発表があって、そんなものなのか?
NHKにしては珍しく本気度あふれる作品だけに、ちょっともったいない。バルサ役綾瀬はるかはすっかりハードボイルドが身について、沈潜した気概を秘めた主人公を熱演している。惜しむらくは、原作ではキーマンとされる呪術師見習いタンダが映像では完璧に脇役に廻った。まぁいたしかたないのか。
朝撮り写真
植物の枯れ方もいろいろで、鮮やかな紅葉を散らして後土に帰るものや、葉をつけたまま立ち枯れていくもの、葛のように骨絡みというか、周囲を殺伐たる景色に変容し尽くすものもある。初冬のこの時期は、寒いのを別にすれば結構好みの色彩に満ちていて心が落ち着く。
茎葉の鮮やかな色彩が少しずつ(微妙に色を違えながら)朽ち葉色に収束していくのは、天土による畏いなる統合に他ならない。わが身もまたかのごとく一点景とならんというところ。
総花活く百日(ひゃくじつ)草は朽ちゆきて
からから音す骨鳴りのする
骨灰のいろしらしらと葛枯れて
搦みて覆ふ屍衣のごとくに
白髪なす葉はぬれぬれとたおれ臥し
霜夜しらしら花咲けるなり
歩くほど枯葉碎(くだ)くるさかさかと
追いくるひとのやさしき音する
からからと追いこしゆくはすずかけの
細裂くほどにあとかたもなく
嫋やかにもてあそばるる葛の葉は
渇きに乾くかぜのおとする
やまふき(山吹)の被布鮮やかにそのひとは
いてふ並木にひそと翳(隠)くるる