映画フィガロの結婚 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 sketchbook.070 モーツァルト:フィガロの結婚

 

オペラ仕立てのまま映画撮影したカール・ベーム指揮ウィーン・フィルによるモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」封切の熱狂は凄かった。芸達者のキャスティングに文句は無かったが、この作品でデビューしたケルビーノ役マリア・ユーイングがなんともコケットリーで溜息がでた。

 

YouTubeにこの映画が丸ごとアップされているのですね。ということで、朝からこれを聴きながらモニターに向かっています。若い(メゾ)ソプラノ歌手はこのケルビーノ役でデビューすることが多く、この後に登場したフレデリカ・フォン・シュターデの可愛いこと。ふたりとも一気にスターダムに登りましたね。

 

 ケルビーノのアリア:恋とはどんなものかしら

 

 村上菊一郎:仏蘭西詩集(1921)青磁社

 

村上菊一郎が編集した「仏蘭西詩集」は昭和16年11月の出版で、開戦後の出版ですが内容は穏やかで〝キナ臭い〟気配は感じません。造本紙質とも文句なく上々で「続巻」と違ってかなりの重量感を感じます。

 

 

 知られぬ海 ジュウル・シュペルヴィエル

      (堀口大学 訳)

  誰も見てゐない時

  海はもう海でなく

  誰も見ていない時の

  僕らと同じものになる。

  別な魚が住み

  別な波が立つ。

  それは海の為の海、

  今僕らがしてゐるように

  夢みる人の海になる。

 

 

 朝撮り写真より