みをつくし料理帖最終回 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 銀杏返し(蝶々髷)

 

NHK地上波「みをつくし料理帖」全8回楽しませていただきました。黒木華が結っていた〝銀杏返し〟は自毛に付け毛しているのでしょうかね。ひたいの生え際など自然にあげてあります。後姿になるたびに眼を凝らすのですが、時代劇は雰囲気をだすために暗めな照明なので、なかなか判りません。

 

 高田郁:みをつくし料理帖

 

週末は蒸し暑いのをいいことにクーラー利かして読書三昧。「みをつくし」後半部を読んでみました。短編連作で季節(時間軸)に添って順々に説かれる構成なのですが、どうなんだろう。たとえば、この形式を得意とした藤沢周平の省略法や倒置法、展開の速度加減など、もう一工夫あってもいいのではないかな。

 

そのうえで全10巻を4〜5巻ほどに圧縮できたら、ちょっと濃密な作品に仕上がるような気がします。シロートが余計なことといわれそうですが、料理に関する重複があまりに多過ぎる気がしますね。でも面白かったです。第7巻で重要な脇役のひとりが亡くなるところなど、薄情な私をして目頭が熱くなりました。

 

ところで脚本担当の藤本有紀さんは、原作を自在に取り替えながら巧みに仕上げています。今回放送分はちょうど前半部を扱っていましたから、どうやら続編がありそうですね。楽しみです。